名ゼリフ続々、あるあるが絡みつく「RGの赤い糸の女」

昨日11月28日、渋谷・ヨシモト∞ホールにて、レイザーラモンのライブ「RGの赤い糸の女 ～あるあるいいたすぎてとうとうあるある依存症になったRG～」が開催された。

今年2012年6月、ライブ「RG38歳の誕生日。38といえば38マイク。HG、漫才しようか。」の開催をめぐって解散騒動を起こしたレイザーラモン。その危機を乗り越え、8月には「THE MANZAIの前に、はずみをつけたいんや!! ～レイザーラモンVSパンクブーブー～」で絆を深め、見事「THE MANZAI」認定漫才師に選ばれた。ところが9月の「RGのヘルタースケルター ～RGがHGの前で相方をとっかえひっかえして嫌がらせをする夜～」ではRGが調子に乗り、力を入れていたはずの漫才を放棄。それでも多くの芸人たちの協力によりRGはHGの大切さに気づき、再び三八マイクの前に立ったのだった。

にもかかわらず先月10月に「THE MANZAI」本選サーキットが始まると、そのプレッシャーに押しつぶされ、人気のあるあるに逃げるようになったRG。あらゆるところであるある売春を繰り返し、とうとうあるある依存症になってしまった。そしてこの日、「あるある言いたい、あるある言いたい……」と言いながらふらりと舞台に出てきたRG。観客席に降り立ち、うつろな目で何人もの人にお題をせがんだ。そんなRGのもとに、コスチュームをバッチリ決めたHGが姿を現す。RGは不審な目つきで「あなたってきれいよね？」「少しも不自然なところがなくて、本当にきれい」と言いつつ、「でもその体は整形なんでしょ？」と突きつけた。「ジムの努力や！」と不思議そうに否定するHGに、続けてRGは「見た目はきれいにできても中身まではきれいにできないわ。このブタ志村！」と暴言。「誰がブタ志村やねん！」と困惑するHGに、なおもRGは「私のあるあるでボロ儲けするんじゃないわよ！」とコップの水を浴びせかけるふりをする。さらに殴りかかろうとするRGをHGは整形疑惑の体をかばうように制し、「おっと、それは御法度でござんすよ」とさらり。怒りの収まらないRGはHGを壁に押しやりペンを振りかざし「冗談じゃないわ！ 20メートル以上あたしのそばに近づくんじゃないわよ！」と叫び去って行った。

ライブは冒頭からこれらの昼ドラ「赤い糸の女」の名ゼリフが続き、観客は大爆笑の嵐。1つ1つセリフが出るたび歓声が上がり、尻上がりに熱狂に包まれるライブとなった。遙香さんを思わせる派手な衣装でクンクンとRGの匂いを嗅ぎまわる横澤夏子、仮面をかぶったスパイク小川は清楚な麻衣子に変身し「ナニシニキタノデスカ？」と迫真の演技、過去と現実がわからなくなった多嶺の「麻衣子ぉ」というセリフを見た目ソックリに演じたスパイク松浦。「3年間無休よ。この門をくぐったら地獄だと思いなさい」と雰囲気抜群の琴子先生ことボルサリーノ関、「聞いたよ。あるある売春してたんだって？」と普段とは真逆の渋い声でRGを誘惑してみせたミルククラウン・ジェントル、「呪いじゃ……呪いを受けるんじゃ！」と客席後方からサプライズで出てきた本田みずほは、いしのようこそのものともいえる口調で豊子の長ゼリフを完璧に言い切った。

名シーン、名ゼリフが続々登場する中、視聴者を驚愕させた麻衣子の誓約書は「あるある誓約書」に変貌。「主文、この度はからずも露呈した徳須麟平とレイザーラモンRG並びにレイザーラモンRG両名とのあるある関係は、最近のあるある解放の風潮にかんがみても異常であり、はなはだしくモラルを逸脱した行状である」という内容に爆笑が起こると、続けて横澤の「あなたたち、女子大時代からあるあるに狂って、あるある遊戯にふけってたんじゃないの！」と言うセリフに、会場は割れんばかりの拍手と笑いに包まれた。もちろん本家同様に「泥棒猫！キィ―!!」も熱演。観客からは待ってましたと言わんばかりの歓声があがった。最後は誰よりも似ていたテイくんこと作家・北畑に「何千万もかけて作った衣装」をパンチで破られたHGが「元の姿」というスーツ姿に。「俺はお前」「お前は俺」「ブタ志村」「姫志村」と互いの赤い糸を確認しあうと、2人は漫才で大いに観客を笑わせた。

もちろんライブ中はあるあるも満載。琴子先生のあるある工房では、会場の人たちがその場でケータイを使ってつぶやくお題にRGが答えることに。そのほか、麟平に押し倒されて「アメリカあるある」、麟平と遙香の結婚式で「長野県上田市あるある」、豊子との接見で「刑務所あるある」と、RGのあるある売春っぷりが炸裂した。最後はドラマに実際に出演していた女優・椿鬼奴本人の登場に観客は大喜び。鬼奴演じるセックス依存症の谷厚子に執着していた男・森下をRGが演じ、無理矢理鬼奴にバービーボーイズを歌わせると、鬼奴の口から「言っときますけどね、今後一切私を追い回さないでちょうだい。ストーカーまがいなことやったら警察呼ぶわよ！」とドラマそのもののセリフも飛び出した。

エンディングでは、キャストがやりきった様子で「なりきりました！」（本田）、「コチニールが言えてよかった」（関）と喜びの感想。ドラマを見ていないHGが「なんでウケるのか」と首をかしげる中、横澤の「キィー！」のアンコールや、ジェントルが前日、偶然芹亜役の女優・奥村佳恵を見かけたという話で最後まで盛り上がった。お別れは三倉茉奈演じる主人公・唯美の思い出ソング「お菓子と娘」をしっとりと全員で合唱。大きな拍手がRGのあるある劇団に送られた。果たして今後レイザーラモンはどのような展開を迎えるのか。この日観客に配られたアンケートには「何を演じてほしいですか？」という項目も。今後の活動にぜひ注目してみよう。