昨日12月9日に「渋谷らくご大賞 おもしろい二つ目賞」が発表され、落語家の立川吉笑と講談師の田辺いちかが受賞した。
東京・ユーロライブの「渋谷らくご」では毎年、この1年でもっとも目覚ましい活躍を遂げた二つ目を「渋谷らくご大賞 おもしろい二つ目賞」として選出している。吉笑は昨年から2年連続の受賞。また「渋谷らくご優秀賞 たのしみな二つ目賞」は三遊亭青森に贈られた。受賞者と「渋谷らくご」キュレーターの
なお「林家彦いちプレゼンツ 創作らくごネタおろし会 しゃべっちゃいなよ」で披露された中から年間の最優秀作品を選出する「渋谷らくご創作大賞」は12月14日(水)実施の「しゃべっちゃいなよ創作大賞2022」で発表される。今年8月に8周年を迎えた「渋谷らくご」。12月15日(木)までSUZURI内の公式ショップにて記念グッズを販売している。
立川吉笑 コメント
1年前、落語家になってはじめて渋谷らくごで賞をいただき、その際のコメントでタツオさんから「他が評価しないなら渋谷らくごが評価します」と言っていただき、うれしかった。三題噺、NHK新人落語大賞と今年は本当にいろいろなことがあった1年だった。12月14日には創作大賞の決勝もあるため、史上初2年連続二冠を達成したい。この10年賞などをいただけなかった分、ここで一気に回収して、2~3年後にかっこいい真打になれるようがんばりたい。
サンキュータツオより受賞理由
昨年の大賞受賞者として、これまでとはちがった注目度やトリの出番での高座にも果敢に挑戦し、他に代えがたい才能であることを、渋谷らくご内外にも証明してくれた。3月には三題噺の会を6日間行って動員にも貢献した。今年はさらに大きな成長を遂げたと思う。
田辺いちか コメント
講談師が賞でお認めいただくことはまだまだ稀なことのため、有難く、うれしく存じます。渋谷らくごの演目選びは毎度悩むが、頼もしい先輩方、スタッフ、お客様の支えがあり楽しく全力で高座を務められ大変幸せです。今日いただいた賞は“頑張ったね”という賞とは思わず、“これからの頑張りを見ているよ”という賞だと私は思っている。これからも名に恥じぬよう精進していきます。
サンキュータツオより受賞理由
全高座にわたり講談の持つ精神性、世界観、語りのリズムを披露し、多くの観客を魅了した。導入から本編の細部に至るまで、より多くの方に伝わるようにという工夫と真心を持ち、先人から受け継がれてきた講談への敬意と愛情をも感じさせてくた。手掛ける演目の広さにも、抜群の才能を発揮した。
三遊亭青森 コメント
納得していない人がいるのはわかる。俺も「俺が受賞することで渋谷らくごの価値が下がらないか」と何度も確認した。生まれてこの方、だれかに褒められたことがないから、はじめてだれかに評価してもらったという気持ちと、「俺を評価するとは、渋谷らくご、見る目あるな」という気持ちがある。だから俺からも、渋谷らくごに対して「三遊亭青森 楽しみな落語会賞」を贈りたい。今、落語会は新しいヒーローを求めている。そのヒーローに「俺がなってやる」という意味ではなく、客席にいるあなたたちが次のヒーローを選ぶ。落語会は変わっていく。落語家は、客席のあなたたちを信じながら、落語界が変わっていく。だから僕の未来を、あなたたち(客席のみなさん)を信じて任せます! そして、あなたたちのおかげでこんなに素敵な賞をいただくことができました。ありがとう、感謝しています。みんな、愛してるぜありがとう!
サンキュータツオより受賞理由
客席への語り掛けからはじまるスタイルを完成の域まで高め、創作と古典双方で、独自の落語を確立した。そのギミックの裏に、落語を語るたしかな技術、古典落語や先人への敬意も感じさせ、創作の鬼 三遊亭圓丈一門から、また新たなトリックスターが出現した。
しゃべっちゃいなよ創作大賞2022
日時:2022年12月14日(水)19:00~
会場:東京・ユーロライブ
料金:大人2500円 / 学生1900円 / 高校生・落研1200円 / ユーロスペース会員2200円 / 配信2500円(セット券あり)
エントリー作品
桂伸べえ「広末写真集」 / 春風亭昇羊「のれんわけ」 / 三遊亭青森「武士道」 / 立川吉笑「伊賀一景」 / 立川笑二「ちむわさわさぁ」
審査員
平岡直子 / 長嶋有 / 林家彦いち / 木下真之 / サンキュータツオ
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リンク
渋谷らくご @shiburaku
本年の「渋谷らくご」大賞
授賞式の様子をナタリーさんが掲載してくれました。
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