漫才のイメージが強いにぼしいわしだが、今回のライブではまず、レストランを舞台にしたコントを展開。ゆったりとした会話劇で観客を自分たちの世界に引き込んだかと思えば、中盤からは視覚的なインパクト抜群のボケで大きな笑いを誘う。続いて学校建設をテーマにした漫才でさらに会場を盛り上げた。
3本目のネタは「女芸人No.1決定戦 THE W」の決勝で披露された、歯を題材にした漫才。お決まりのフレーズ「フッ素が剥がれるまでよぉ」が飛び出すたびに客席からは弾けるような笑いが起こっていたが、途中から後ろのスクリーンに女性の顔がうっすらと映り、観客の笑いはざわめきへと変わっていく。徐々にこちらに近付いてくる女性の正体は、にぼしいわしが「THE W」で敗北を喫したピン芸人・そのこ。舞台上が暗くなると、そのこの顔は一層くっきりと浮かび上がり、にぼしいわしは苦しみながら倒れてしまう。「THE W」での敗北が2人のトラウマになっていることを伺わせる演出に、エールのような拍手が起こっていた。
続くネタは、にぼしが派手な衣装で松任谷由実「真夏の夜の夢」を歌唱するだけという内容。後ろのスクリーンにはライブ前のLINEのやり取りが映され、なぜにぼしが歌っているのかが解明されていく。またトイレを舞台にしたコントのあとに、そのコントをもとにした漫才を披露するという実験的な試みも行い、観客を飽きさせない。
「初対面の人に渡されたクッキーがまずかったら、にぼしはどんな反応をするのか」というドッキリVTR上映コーナーでは「ホルモンバランスの乱れ」により一時退場したにぼしいわしに代わり、彼女らと親交がある徳原旅行と春とヒコーキ・ぐんぴぃが登場。企画を進行しつつ、にぼしの奇怪な行動に的確なツッコミを入れて場を沸かせた。なおVTRでは、相手を気遣って「まずい」と言わないにぼしの優しい一面も明らかになっている。
「M-1グランプリ2020」で絶対に優勝できるネタを観客と共に完成させる企画も実施された。今回、にぼしいわしは5万人のお笑いオタクが書いたネタをかき集め、それを分析しながらネタを作成。「ボケを2択にまで絞り込んだので、より面白いほうを観客と共に選び、究極の漫才を完成させたい」というのだ。いざネタが始まると、ボケの手前でいちいち漫才がストップし、選択肢が表示されるという異様な光景に。ボケも先鋭的なものが多く、最終的にカオスなネタが完成してしまった。
最後は2人が舞台上を大きく動き回りながら謎の言語を連呼しまくる不思議な漫才を展開。単独ライブのタイトル「ぱらぴりこ」を使った伏線回収的なオチに大きな拍手が起こった。エンディングでは、いわしが満席の会場を見渡しながら「こんなに入っていただいてうれしいなあ。菌(ウィルス)のせいで一時はどうなることかと思いましたけど。力を合わせてみんなでがんばりましょうね(笑)。私たちならできる」とコメント。最後は「自分たちも『ありがとうございました』と言われたい」というにぼしの要望で、会場の全員が「ありがとうございました!」と合唱する形でライブの幕が閉じた。
かわうそ🌳 @_kawauso_chan
実験的な試み満載!にぼしいわし第1回単独ライブ盛況、「THE W」もネタに昇華(写真19枚) https://t.co/3K04atX5mi
ナタリーさん!!!はやい!!!!!w