赤坂アカ原作によるTVアニメ「かぐや様は告らせたい～天才たちの恋愛頭脳戦～」は、由緒正しき名門高校・秀知院学園の生徒会長・白銀御行と、副会長で大財閥の令嬢・四宮かぐやが織りなすラブコメディ。プライドが高く素直になれない2人が、相手から告白させようと頭脳戦を繰り広げる日々をハイテンションなギャグを交えて描く。一方で本作のエンディングテーマ「センチメンタルクライシス」は、そんなヒロイン・かぐやの秘めた思いに寄り添ったような、切ない恋心が詰まった楽曲だ。コミックナタリーでは「センチメンタルクライシス」の発売を記念して、同楽曲を歌うhalcaと、四宮かぐやを演じる古賀葵との対談をセッティング。それぞれが四宮かぐやにどのように寄り添ったのか、フレッシュな2人のやり取りとあわせて楽しんでほしい。

取材・文 / 柳川春香　撮影 / 佐藤類

「チカっとチカ千花っ♡」は、素敵なものを見させていただいた

──今日が初めましてということで、おふたりともすごく緊張されてますね（笑）。

古賀葵　き、緊張しますね……！

halca　すごく緊張してます……どうしよう（笑）。

──かぐやを演じる古賀さんの声と、エンディングを歌われているhalcaさんの歌声をお互いに聞いていらっしゃったと思うんですが、こうして実際にお会いしてみていかがですか？

halca　古賀さんの出ているラジオや動画などを拝見させていただきました。「かぐや様」のときはクールなかぐやを演じていらっしゃるんですけど、古賀さんご本人はすごくかわいらしい、キュート全開な方で、ギャップが素敵だなあと思っていて。あの、好きです……！

古賀　（照れながら）ありがとうございます……！ 私はMVやCDジャケットでhalcaさんのお姿を拝見してたんですけど、写真から伝わってくるフワッとした雰囲気がそのままだなって。歌声も大好きで、世界観の出し方がすごく心にグッとくるというか。素敵なエンディングをありがとうございます！

halca　うれしいです……！ 私も、古賀さんに「センチメンタルクライシス」のCMのナレーションをやっていただいたのが、すごくうれしかったです。本当にありがとうございました。

古賀　いえいえ！ こちらこそそんなに喜んでいただけて、ありがとうございます（笑）。

──“エンドレスありがとう”になりそうなので（笑）、さっそくですがhalcaさんはTVアニメ「かぐや様は告らせたい」の放送をご覧になっていて、いかがですか？

halca　とても面白いです！ 早く次のお話が見たいって毎週ワクワクしてます。最初のお決まりの「恋愛は、戦！」ってくだりがあるじゃないですか。あれが3話で早送りになっていたのも面白かったですし、あとは「チカっとチカ千花っ♡」！

古賀　3話のエンディングですね！

halca　あれはびっくりしました。藤原さんがすごい動いて、めちゃくちゃかわいかったです。

──halcaさんの曲がかからなかった回じゃないですか（笑）。

halca　そうですね（笑）。でもすっごくかわいかったので、私も「素敵なものを見させていただいたなあ……」って思いました。

「かぐや様」の“キュン”の部分を表した歌

──古賀さんはアフレコを振り返っていかがですか？

古賀　今まで私がやってきた役とは違うタイプのキャラクターだったので、最初の頃はそれが新鮮であり不安でもあり、初めてのことがたくさんありましたね。原作からのファンの方はすごく思い入れもあるでしょうし、プレッシャーもあったんですが、1話の放送後に「面白かった！」って反響をいただけて、すごく安心しました。

──古賀さんにとってはすごく大きな役だったんですね。

古賀　そうですね。名前のない役から地道にやってきたので、「かぐや様」のような作品で主演をやらせていただけるのは本当にうれしくて。原作ファンの方にとっては、私のことを知らない方もたくさんいらっしゃったでしょうし、不安もあったと思うんです。でもそんな中で、「がんばって」って言ってくれる方や、スタッフさんや共演者の皆さんがすごくいい雰囲気を作ってくださって。逃げずに自信をもって演技をすることが作品や、作品のファンの皆さんに対しての誠実な向き合い方だなって、プラスな責任感を持つようになりました。

halca　カッコいいです。

古賀　いやいやいや……自分で気付いてできなきゃいけないことなので。私は周りの人たちに気付かせていただいた面が大きいので、本当にありがたいですね。

──halcaさんも「センチメンタルクライシス」を歌われるにあたって、そういったプレッシャーは感じていましたか？

halca　そうですね。すごく人気のある作品で、原作ファンの方も楽しみにされているアニメなので、寄り添えるようにがんばらないとって気合いが入りました。エンディングテーマだから締めをしっかりやらないと、「アニメは面白かったのに、がっかりだ」ってならないように、一生懸命がんばりました……（声が小さくなる）。

古賀　そんな、ドンピシャですよ！ オープニングテーマ（鈴木雅之「ラブ・ドラマティック feat.伊原六花」）がインパクトのある楽曲なので、エンディングはどんな感じになるんだろう？と思っていたら、女の子の恋心を表現した曲で、「かぐや様」の“キュン”の部分をすごく歌声に乗せてくださっていて。あの最後の「連れ出して」ってところが最高に好きで！ 「もちろん連れ出すよ!!」ってなります（笑）。

halca　すごくうれしいです、ありがとうございます……！ 「連れ出して」のところは「キュンとしてもらえるように」って思いながら歌って、できてるかどうか自分ではわからなかったんですけど、「かぐや様」の映像とあわさったときに「よかった」って思いました。

──エンディング映像もそうですが、「センチメンタルクライシス」は歌詞もかぐやの秘めた思いに寄り添った曲になっていますよね。halcaさんもかぐやの気持ちを想像されて歌声を作っていったんでしょうか？

halca　そうですね。かぐやになりきりつつも、もし自分が恋をしてたらこうかな、ほかの人だったらこういう気持ちかな、っていろいろ考えました。自分をちょっと、ほかのみんなもちょっと、かぐやもちょっと、みたいに混ぜて歌わせていただきました。

古賀　そうなんですね！

halca　放送までは不安な気持ちもあったんですが、映像がついて不安が全部ぽーんって吹き飛んじゃいました。最初に曲をいただいたときに星空っぽいイメージが浮かんでいて、それは誰にも言ってなかったんですけど、エンディング映像でも星空の場面が出てきてびっくりしました。「同じこと考えてくれたのかな」ってすごくうれしかったです。すごく映像に助けていただいたと思いますし、今は「もっと観てほしいな、聴いてほしいな」って思っています。

──自信がついてきたんですね。

halca　どうでしょう……。でも私も「かぐや様」と「センチメンタルクライシス」のおかげで、また新しい挑戦をさせていただけているので、すごくありがたいなと思っています。