お笑いナタリー PowerPush - Quick Japan100号記念企画「歴代表紙を飾ったアノ人と語るQuick Japan」
ゴッドタン出演者インタビュー
カルチャー誌「Quick Japan」で、深夜の豪腕バラエティ「ゴッドタン」を特集したのは2010年8月のこと。不動のレギュラー陣4名が天使の衣装で表紙を飾ったことに、「ゴッドタン」を濃厚に愛するファンたちは歓喜した。あれから1年半。今、土曜深夜へ放送時間を変えた「ゴッドタン」はどこへ向かっているのか。「Quick Japan」へのありがたい提言も含めて、マジ話に耳を傾ける!
取材・文 / 鈴木 工 撮影 / 松村美保
枠が変わっても視聴率が変わらない番組
──「Quick Japan」で「ゴッドタン」を特集させていただいたのは2010年8月でした。あれからまだ1年半なんですが、番組時間が土曜の夜に変更という大きな出来事がありましたね。
劇団ひとり いや~、もう終わるんじゃないかって噂があったんでね。
──えっ! そうなんですか。
ひとり その時期ちょうど番組編成がゴタゴタしていて、いろいろ周りの厳しい環境も聞くんですよ。そうなると「ゴッドタン」もその対象なんじゃないかという話が……。それでどうにか枠移動っていう避難口を見つけたので、ほっとしたというのが正直な感想ですかね。首の皮一枚つながった。
矢作兼 本当そうですよ。終わるかもって知らされたあと、深夜のもっと深い時間になるって言われても「ふざけんな!」とは思わないですよね。「まあまあ、よかったか!」と。合コンの理論と一緒で、最初におっぱい揉ませてと言ってハードル上げてからのキスはできるみたいな(笑)。まあいつも番組は危ないんで、終わらなければそれでいいと思ってはいて。
──終わりということでは、「クイズ☆タレント名鑑」の終了が発表されましたよね。個人的にゴッドタンと似た“本気でふざけてる”匂いを感じてたので、この時代、そういう番組を続けるのが難しいのかなあと。
矢作 あの番組は攻めてましたよね。
ひとり だからやっぱり深夜っていうのがよかったのかもしれない、結果的に。「タレント名鑑」は時間帯がよすぎたから。
小木博明 あの時間帯にするのがよくわからないよね(笑)。
ひとり 「ゴッドタン」もゴールデンなんかに上がろうものなら……。
小木 終わりでしょ。すぐ打ち切り。
ひとり たぶん1カ月で終わるよね。ワンクールもいかない(笑)。
小木 これまで昇格っていう話はまったくなかったし、昇格したら駄目な番組なんでしょ。
矢作 特番で23時ぐらいにやったことあるんですけど、数字が変わらないんですよ。
ひとり 今回の枠移動で深夜の深い時間になっても、数字がほとんど変わらなかった(笑)。でもそれは嬉しかったですよね。結局、「ゴッドタン」好きな人はどの時間でも観てくれることがわかったから。たぶん朝5時にやっても同じぐらいの数字獲れるんじゃないんですか?
松丸 ただ私は「ゴッドタン」が終わることはないんじゃないかと思ってるんですけど……。
矢作 どうしてよ。
松丸 DVDがかなり売れているんです。テレビ東京としては本当に大黒柱になっているので。
小木 え?
松丸 だからもうちょっとみんな、この番組を大事にしてほしいですよね。実際売れてるのに、あんまり実感がないんですかね、社員の人達に。
──出演者のみなさんは大黒柱の感覚というのは……。
小木 ないですね。土曜の深夜2時にやっといて大黒柱も何も(笑)。
矢作 そんなワケあるかいと。
小木 ゴールデンじゃないのにさあ~。うん、そんなんじゃ騙されないよ。
矢作 逆に恥ずかしいでしょ、こっちが大黒柱感出してやってたら(笑)。なに俺たちがテレ東支えてるつもりでやってんだみたいな。
ひとり いや、僕は大黒柱だと思ってます(笑)。テレビ東京さんにいろんな番組がある中で、普段テレビ東京にチャンネルを回さないようなかなり若い世代は、「ゴッドタン」が橋渡しになってるんじゃないですかね。
──数字には表れない貢献をしている?
ひとり そうですよ。その証拠として、やっぱり数字以上にDVDが売れてるということで。だって視聴率なんて本当にスズメの涙ほどの数字なんですよ。
小木 視聴率、1%ちょっとなんでしょ?
ひとり だから観た人のかなり多くの人がDVDを買ってくれてる番組なんですよね。ヘタしたら視聴者全員買ってんじゃないかな。
小木 あんなにDVDが売れるのなら、どんどん出そうってなるかもしれない。他の1%ちょっとの番組が勘違いして(笑)。
矢作 観た人の中でDVDを買う率を出したとき、ダントツで1位なんじゃないの? 店でもよくあるじゃない。何万人来た来客数じゃなくて、リピート率で評価するみたいな。
ひとり あ~、打率的なものね。
松丸 しかも全国放送じゃないですもんね。
ひとり そういう数字を誰か調べてくれたらいいのにね。
──そのためには視聴率1%ということが前提として……。
ひとり それが恥ずかしいんですよ(笑)。
──でも深く刺さってる番組なんでしょうね。特集したあとの読者からのお便りも、すごい細かい字でびっしりで。「よくやってくれました!」といった熱量がすごかったです。
松丸 へえ~。
矢作 結局、枚数の多さじゃなくて字数の多さなんでしょ?(笑) 枚数あれば視聴率に反映してるだろうし。
ひとり 「1%なのにこの文字数!」っていうね(笑)。
出演者
おぎやはぎ / 劇団ひとり / バナナマン / 東京03 / ロバート秋山 / フットボールアワー後藤 / 森三中・大島、黒沢 / ダイノジ大地 / 松丸友紀(テレビ東京アナウンサー)
収録内容
「まさかのマジ歌フェスティバル2012」(東京・メルパルクホール 2012年1月12日開催)
※特典映像は後日番組オフィシャルサイトで発表予定。
※収録内容、仕様などは変更の場合あり。
プロフィール(左から)
松丸友紀(まつまるゆうき)
1981年5月13日生まれ
テレビ東京アナウンサー
劇団ひとり(げきだんひとり)
1977年2月2日生まれ
太田プロダクション所属
おぎはやぎ小木博明(おぎひろあき)
1971年8月16日生まれ
プロダクション人力舎所属
おぎやはぎ矢作兼(やはぎけん)
1971年9月11日生まれ
プロダクション人力舎所属