藤井隆が人生を変えた人形アニメーション映画を紹介

本日3月30日、「第5回沖縄国際映画祭」桜坂劇場にて、「特別上映 桜坂映画大学 学長・藤井隆オススメの1本！ファンタジー人形アニメ『くるみ割り人形』」生オーディオコメンタリーが行われた。

登場したのは、藤井隆、バッファロー吾郎、博多大吉、桂三度、ハリガネロック・ユウキロック、レイザーラモンRG、とくこ。この映画は、5年の歳月を費やし1979年に上映された人形アニメーションの傑作で、オープニングでは藤井が「7歳のときに観た映画で、どうしても観たかった」と、再び観られることを喜んだ。

全員客席に移動し、いよいよ映画が始まるというときに、バッファロー吾郎Aも「藤井くん、実は、僕、今日くるみが割れる映画観たかったんだよ」と藤井に感謝。そんなボケ交じりに上映がスタートしたものの、あまりに精巧なアニメーションに「これが79年!?」と全員驚いていた。またRGは「人形の表情がちょっとずつ変わってるのがすごいですね」と言うと、大吉も「これは5年かかるわ」と感嘆。主人公のクララが不思議な世界に巻き込まれねずみに襲われるシーンでは「リアルに怖い！」「頑張れ！」と声が上がった。

また、この人形アニメーションには、豪華俳優陣が声優として加わっており、藤井から「クララの声わかりますか？ ドラマで有名な」とヒント。実はこの声は杉田かおるが担当しており、その後、各国の名士たちが会議をする場面では、その名士たちの声尾を愛川欽也、坂上二郎、大橋巨泉、玉置宏、牧伸二など、錚々たる俳優陣が彼らのキャラを活かして演じている。そのバラエティ番組を模したあまりに画期的なシーンに、芸人たちは騒然。人形たちの世界の中に演歌が流れたり、バラエティ番組のテーマソングが流れたりと、考えられない演出に「すげー！」と唖然としていた。

また、原作・くるみ割り人形の世界観を、バレエの実写、チャイコフスキーの作曲したバレエ音楽のポップスアレンジなど、さまざまな手法で表現しており、芸人たちにはついていけず、思わず「クレイジー……」という言葉がポツリ。そして三度が「藤井くん、これ好きやったんや……すごいな」と言うと、RGは「藤井さんの世界観だと思います。上品なのにクレイジーな感じが」と納得し、他の芸人たちも「上品クレイジー」と藤井を例えていた。

また上映中、藤井からは「この実際の人形は15cmくらい。サンリオピューロランドに飾ってありましたよ」「このあとサンリオのキャラクターが出てくるんです」などの情報も。キティちゃんなどが出てくると、会場の子供たちも喜んでいた。しかし、ときには出てきた鳥を見て「鳥がかわいいので鳥肌が立ちました」とふざける場面も。このダジャレには三度から「あなたには黙る権利があります」と忠告されていた。

エンドロールでは、名士のシーンでわからなかった俳優陣の名前が続々登場し、芸人たちは歓声。終演後には拍手とともに「すごい映画！」と感想を語っていた。藤井からは「簡単に何かを好きになると簡単に嫌いになっちゃうんですよ、ということです」とメッセージ。芸人たちはそのメッセージに気づかず「お話が入ってこないくらい映像が衝撃で」と語っていた。また大吉は「でもこれCGがない時代ですから、よく5年でできましたね」と改めてその秀逸な仕上がりに敬服。藤井は「これを見てから、CMディレクターとかそっちになりたいなって影響が。何かを作ることがしたかった」と明かすと、「ほんとにわかりました。この映画、藤井隆くんが詰まってました」（大吉）、「なんか似てるな」（三度）と、藤井のルーツを垣間見たようだった。

※記事初出時、写真のキャプションに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。