早くフルで聴いていただきたい！

──歌詞にも、例えば料理が超苦手な智花が「料理と供に振る舞いましょうか？」と歌うパートなど、キャラクターの個性が散りばめられていますね。

毛利　歌詞はゲームのことを知っていれば「あっ！」と思えるキーワードを散りばめつつ、知らない人が聴いても普通に楽しめる内容を目指して作りました。作家さんが非常にゲームのこともラジオのことも理解してくださっている方だったので、キャラの個性だけでなく「霧の魔物を撃退」や「知識バチバチ」のような、ラジオのコーナーに引っかけた言葉もたくさん入っています。

──「おはモア（＊＞▽＜＊）ゞ行進曲!!」は、すでにラジオのオープニングで一部が放送されていますが、リスナーの反応はいかがですか？

瀬戸　みんなから「元気で楽しい曲だね」って言ってもらえているのでうれしいですね。早くフルで聴いていただきたいです。

毛利　ラジオではこの曲がオープニングトーク中もうっすらBGMとして流れているので、リスナーの皆さんは少なくとも全体の3分の2くらいはすでに聴いているはずです。

瀬戸　トークパートがあることに気付いているリスナーさんもいらっしゃいますし。

石原　「ラジオの後ろにラジオが流れてる」って言ってた（笑）。

瀬戸　私たちが「4人いるみたいだ」って（笑）。

今年のクリスマスは夏織と一緒に乗り切ろうと思います

──一方の「聖なる夜に鐘は止む。」はクリスマスソングです。ダンサブルなサウンドは表題曲と共通していますが、雰囲気はガラリと変わりましたね。

石原　そうなんですよ。タイトルからしてもっと鈴の音とかがシャンシャンした明るい曲だと思っていたんですけど、よくよく聴くとちょっと切ないけど温かさのある雰囲気が出ていて。個人的にこういう曲が大好きなので、歌えてすごくうれしかったです。麻沙美の歌声がこの曲の雰囲気とぴったりなんですよねー。

瀬戸　情景を浮かべやすい曲だなと思ったので、それをイメージしながら優しく歌いました。歌詞も1人ぼっちではなく誰かが側にいるような内容だったので、語りかけるように歌えたらいいなと思って。いつものラジオのときみたいに、私と夏織から話しかけられているように感じてもらえたらうれしいですね。

──「おはモア（＊＞▽＜＊）ゞ行進曲!!」の歌詞はゲームやラジオの入り口にふさわしい具体的なワードが多かったですが、この曲は少し抽象的ですね。

瀬戸　やっぱりクリスマスソングといえば恋人同士みたいなイメージが湧くと思うんですけど、不思議とこの曲は男女の歌には思えないんですよね。歌詞にイルミネーションを観る約束をする描写があるんですが、私は夏織に向けて歌いましたね。恋よりは友情というか絆を感じる、なかなか珍しいクリスマスソングだと思います。

石原　そうだよね。きれいな歌なんだよね。

瀬戸　だから今年のクリスマスは夏織と一緒に乗り切ろうと思います（笑）。

石原　そうだね、イルミネーション観に行こう！

──お仕事をしていると、クリスマスやクリスマスイブ当日が休みになることはなかなかないのでは？

瀬戸　そういえばそうでした（笑）。でもイルミネーションなんて、ハロウィンが過ぎたらあちこちでやっていますから。

石原　いつでも行ける行ける。

瀬戸　汐留の日本テレビさんの周辺がすごくきれいなんですよ。仕事帰りによく観ています（笑）。

石原　私が思い付くイルミネーションの場所は、恵比寿とか表参道とかかな。

瀬戸　恵比寿は去年観た！……お父さんと。表参道は移動中のタクシーで通過したときにしか観たことないなあ。

素の私たちの間柄そのまんま

──ちなみにこうして歌を歌ったりラジオ番組をやったりしていますが、それぞれのキャラクターはどれくらいお2人に近いんでしょうか？

瀬戸　これはどんな作品に出させていただいても毎回感じることなんですけど、声優を選ぶキャスティングの方って、本当にすごいなあと。やっぱりキャストとキャラクターってどこか似た要素があったり、長く演じているとだんだんそっちに寄っていくようなところがあるんですよ。私たちは声だけを預かっている身なので、もちろん絵を描いている方がいてこその鳴子ですし、セリフを考えている脚本家の方も“鳴子役”なので、一概に私だけが似ているとか言えないんですけど、みんなが作ってくれた鳴子に私も自然と吸い寄せられて、気が付けばお姉さんぽく振る舞おうとする自分がいるんですよね。智花がフワッとかわいらしい感じだから、余計にしっかりしなきゃって思ったり。

石原　麻沙美の言う通り、智花と鳴子の関係が、素の私たちの間柄そのまんまだなって思います。私は「麻沙美—」って甘えるのがほとんどで、最後にまとめてくれるのはいつも麻沙美なんですよ。もしそこまでわかっていてキャスティングしてくださったのであれば、すごいことだなって思います。

瀬戸　やっぱりプロの目をお持ちなんだなあと。

──確かに、今こうして話してくださっている瀬戸さんは背筋がピンと伸びていて、凛とした女性という印象です。

瀬戸　（石原を見ながら）4年前は私もこうだったんですけどねー。

石原　えへへー。

瀬戸　えへへじゃない！（笑） 私のことをよく知ってる人は、私がそれほどしっかり者なんかじゃないってことはよくわかっていると思うんですが、今のようにおっしゃっていただけるのは、きっと鳴子のおかげですね。

──一方「グリモア」での石原さんはいい意味でゆるいですよね。

石原　麻沙美の前だといつもこうなっちゃうんですよー（笑）。