音楽ナタリー Power Push - ゆいかおり

2羽の“輝けるカナリア”が響かせる 当然で偶然のハーモニー

ゆいかおりのニューアルバム「Bright Canary」がリリースされた。

ゆいかおり3枚目のアルバム「Bright Canary」は、小倉唯と石原夏織曰く「輝ける未来を目指してカナリアのように羽ばたくため」の1枚。2014年夏のシングル「Intro Situation」以降のギターロックサウンドと、2015年1月のシングル「NEO SIGNALIFE」で見せたメッセージ性の強いリリックを軸に、1stアルバム「Puppy」、2ndアルバム「Bunny」の“次回作”と呼ぶにふさわしい楽曲が居並んでいる。自身も「新しいゆいかおりの楽曲」と語るこれらをいかに歌い上げたのか。2人に聞いた。

取材・文 / 成松哲

 
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地を走り、地を跳ね、空へと羽ばたく

──2011年の1stアルバムのタイトルが「Puppy」、つまり子犬で、2013年の2ndが「Bunny」=ウサギ。そして今回のアルバムが「Bright Canary」、カナリアです。

小倉唯 駆け回っている子犬のイメージから始まって、次はうさぎ。ピョンピョン跳ねるイメージだったから「次はどうしよう?」「もっともっと羽ばたいていきたいよね」っていう話になって。で、「歌声が美しい鳥とされているカナリアってそのイメージにピッタリだね」ということで「Canary」をタイトルに入れることになりました。

──ただ今回はその前に「Bright」が付いています。

ゆいかおり

小倉 確かに「Puppy」「Bunny」って来たから「Canary」ってなるところなんですけど……。

──「パピー」「バニー」「カナリー」って語呂もいいですしね(笑)。

小倉 そうなんですけど(笑)、2人とも成人したことだし、今回はこれまでにない挑戦をしようっていうコンセプトがあったので、タイトルにも今までの流れを踏まえつつ、新しい何かを加えようってことになったんです。

石原夏織 それで輝かしい未来という意味で「Bright」を足してみました。

──その後「Bright Canary」という看板にふさわしい楽曲をセレクトしていった?

石原 いえ。並行しながらだったよね?

小倉 うん。私たちがイチからセレクトしたというよりも、スタッフさんたちが「新しいゆいかおりの楽曲」っていうテーマである程度選んでくださっていて。その上でデモを聴かせていただいたんですけど、その「新しいゆいかおりの楽曲」っていうのが本当にこれまでにはなかったようなものばっかりだったから、じゃあ「Canary」に何かを足そうってなった感じ。今キャリさん(石原)が言った通り、曲のセレクトとタイトルを決めるのが並行しながら進んでいった感じなんです。

進化したゆいかおりの象徴=「倍速∞ラブストレート」

──そして実際に去年の夏のシングル曲「Intro Situation」や今年夏の「Ring Ring Rainbow!!」を正統進化させたギターロックを基調にした「新しいゆいかおりの楽曲」が並びました。

石原 ただ、アルバムを作り始めた頃はちょっと不安ではありました。みんなが知ってるゆいかおりとは違う、成長した姿を見てもらいたいという思いで作ってはいたんだけど、新曲を録ってその音源をいただくたびに「大丈夫かな?」「これ、皆さんに受け入れてもらえるかな」って気持ちになっていたというか……。でも確かにアルバムという形で、シングル曲と一緒に聴くと本当に進化というか、ちゃんとゆいかおりの曲になっていたので、正直な話、ちょっとホッとしています(笑)。

小倉 私もできあがった曲を聴く前、デモをいただいたときから、どっちかって言うと「この曲をちゃんとゆいかおりらしく表現できるかな?」っていう不安のほうが大きかったんですけど、今は「今の私たちができる新しい表現をちゃんとできたな」と思ってるし、満足感は大きいですね。

──確かに1曲目の「倍速∞ラブストレート」からして新しい表現というか、ビックリさせられました。イマドキっぽい四つ打ちダンスロックに乗せて、徹頭徹尾言葉遊びしかしていない。詞の中で起きているのは、遅刻したこと、忘れ物をしたこと、大学の講義中気になる男の子が隣に座ったこと、ノーメイクであることだけ。物語性、事件性ゼロです(笑)。

小倉石原 あはははは(笑)。

小倉 でもこの曲こそ進化したゆいかおりの曲だと思っていて。ロックをベースにしつつも、途中で中華っぽいメロディやエスニックなメロディも出てきたりする音での遊び方は新しいんだけど、「Puppy」に入っている「PUPPY LOVE!!」とか……。

石原 今回のアルバムにも入ってるシングル曲の「LUCKY DUCKY!!」とか……。

小倉 そういう過去の曲とある意味同じ、ワチャワチャしたリズムで言葉遊びするドタバタソングではあるので。セリフっぽく掛け合うところとかはまさに「PUPPY LOVE!!」を受け継いだ感じだったので、サウンドにはビックリしたんですけど「ひさびさにワチャワチャ系、ドタバタ系がきたな」って感じでもありました。

石原 うん。新しいところもあれば、これまでと同じところもある。その両面を持ったこの曲を自分たちのモノにできたっていうのは、ゆいかおりにとってすごくいいことだと思ってます。

ニューアルバム「Bright Canary」2015年11月4日発売 / KING RECORDS
CD+BD盤 [CD+Blu-ray+写真集] 3996円 / KIZC-339~40
CD+DVD盤 [CD+DVD+写真集] 3996円 / KIZC-341~2
通常盤 [CD] 3024円 / KICS-3299
CD収録曲
  1. 倍速∞ラブストレート
    [作詞・作曲・編曲:服部祐希]
  2. Ring Ring Rainbow!!
    [作詞:磯谷佳江、本木咲黒 / 作曲:小野貴光 / 編曲:山口朗彦 / ストリングスアレンジ:菊谷知樹]
  3. カナリア
    [作詞・作曲:服部祐希 / 編曲:河合英嗣 / ストリングスアレンジ:菊谷知樹]
  4. Telephone Call(石原夏織ソロ)
    [作詞・作曲・編曲:山口朗彦]
  5. ライアーシープ(小倉唯ソロ)
    [作詞・作曲:ヨシダタクミ(phatmans after school)/ 編曲:中島生也]
  6. New World
    [作詞:國土佳音 / 作曲:小山寿 / 編曲:高橋浩一郎]
  7. LUCKY DUCKY!!
    [作詞:moyu / 作・編曲:田中秀和(MONACA)]
  8. オリオンからのメッセージ
    [作詞:松井五郎 / 作曲:CHI-MEY / 編曲:大久保友裕]
  9. Intro Situation
    [作詞:松井五郎 / 作曲:俊龍 / 編曲:山口朗彦 / ストリングスアレンジ:大久保薫]
  10. Rainy Day
    [作詞:磯谷佳江 / 作曲:SigN / 編曲:SigN、関根佑樹]
  11. NEO SIGNALIFE
    [作詞:畑亜貴 / 作曲:小野貴光 / 編曲:大久保薫]
  12. Billion-Carat
    [作詞:大森祥子 / 作曲・編曲:TSUGE]
Blu-ray / DVD収録内容
  • カナリア(MUSIC VIDEO)
  • LUCKY DUCKY!!(MUSIC VIDEO)
  • Intro Situation(MUSIC VIDEO)
  • NEO SIGNALIFE(MUSIC VIDEO)
  • Ring Ring Rainbow!!(MUSIC VIDEO)
  • Making of Bright Canary
ゆいかおり3rd LIVE TOUR「RAINBOW CANARY!!」
  • 2015年12月23日(水・祝)
    大阪府 浪切ホール
  • 2015年12月26日(土)
    愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
  • 2016年1月2日(土)
    神奈川県 パシフィコ横浜 国立大ホール
  • 2016年1月3日(日)
    神奈川県 パシフィコ横浜 国立大ホール
ゆいかおり

小倉唯と石原夏織からなるユニット。2009年に結成され、2010年5月にはシングル「Our Steady Boy」でメジャーデビューを果たす。以降、それぞれ声優として活動しながらもコンスタントにリリースを重ね、2011年9月には1stアルバム「Puppy」、2013年10月には2ndアルバム「Bunny」を発表した。2014年7月にニューシングル「Intro Situation」をリリースし、11~12月には千葉・幕張メッセイベントホール公演など、キャリア最大キャパシティとなる会場を回るライブツアー「HEARTY PARTY!!」を開催。そして2015年1月にはシングル「NEO SIGNALIFE」をリリースし、8月5日には「Ring Ring Rainbow!!」を発表した。そして11月には2年ぶり3枚目のアルバム「Bright Canary」をリリースし、翌12月から2016年1月には3回目となるライブツアーを開催する。