井口さんって、俺が好きなものに関わりがあるんですよ

──シングル「ゾンビパパ」は、井口昇監督の映画「ゾンビアス」の主題歌です。これは井口さんからのラブコールがあったそうですね。

そうみたいです。っていうのも、実はまだ井口さん本人には会ってないんですよ、俺（笑）。だから直接、話を訊いてないんですけど、1stアルバム「THE WAYBARK」をどこからか手に入れて、気に入ってくれたらしくて。主題歌のお話は、昨年の8月頃いただいたんですよ。こんなペーペーにお話をくれてありがたいです。感謝してます。

──それ以前に井口さんと接点はなかったんですよね？

映画は観てましたけどね。「片腕マシンガール」とかザ50回転ズの「ロックンロール・マジック」とか。昨年の「電人ザボーガー」は、公開されてすぐ映画館に観にいきましたよ。

──井口さんの作品にはどんな印象を持ってました？

どれも単純明快でいいなって。あと「電人ザボーガー」なんか特にそうだけど、ちゃんと元ネタというか、オリジナルへの愛も感じられて。俺、そういうものが大好きなんで。どの映画も気に入ってます。

──オリジナルの作者の意図を踏まえて、丁寧にリメイクしたり、エッセンスを取り入れたりしてる、と。

そうそう。あと、俺、庵野秀明さんが好きなんですけど、井口さんって庵野さんがプロデュースして平野監督が撮った映画「監督失格」の林由美香さんと縁が深かったり、「電人ザボーガー」のプロデュースを「新世紀エヴァンゲリオン」のプロデューサーだった大月俊倫さんがやってたりと、ちょっとこじつけかもしれませんが、俺が好きなものに関わりがあるんですよ（笑）。だからそういう人と一緒にやれるのは、うれしいなって思いましたね。

俺が好きなゾンビもののエッセンスを入れた

──曲を書く前に今回の「ゾンビアス」も観ましたか？

CGとか入ってない最初の状態で観せてもらいました。でもこれ、すごいやらかしちゃってるというか……、ぶっちゃけ「大丈夫なのかな」「上映できる場所が限られるんじゃないか」とか、いろいろ余計なことを考えちゃいましたよ（笑）。

──確かに今までにないゾンビ映画ですよね。なにしろゾンビが汲み取りトイレから登場してくるという……。しかも、やたらウンコも出てくるし（笑）。

いやー、すごく過激だなって。ザ50回転ズのダニーさんも出演してますけど、女性ファンはこれを観て怒るんじゃないかな（笑）。

──井口さんサイドから、こんなふうに書いてほしいってリクエストはなかったんですか？

「ゾンビ」って言葉を入れてくれたらうれしいって、その程度です。でも今回はせっかくなんで、俺が好きなゾンビもののエッセンスを入れようって思って、詞を書き始めましたね。

──それは例えばどんな作品？

ジョージ・ロメロ監督のゾンビ映画だと安易な感じがするんで（笑）、マンガの「アイアムアヒーロー」、ゲームの「バイオハザード」シリーズとか「ザ ハウス オブ ザ デッド」とか「デッドライジング」とか。詞に「ショッピングモール」が出てくるのはまさにそうですね。

──「デッドライジング」はショッピングモールが舞台になってますもんね。

そうやって一度書いたものを、スタジオに持っていって、メンバーと一緒に直して。この曲を作った頃ってちょうど1stアルバムのレコーディングが終わった直後で、「みんな、さあ！ 行くぞ！」ってムードが残ってたんですよ。なので、そのままの勢いで完成させました。それこそ真夜中のテンションみたいな感じで。だから「神様グッジョブ」なんて歌詞を今見ると、かなり恥ずかしいんですけど（笑）。歌詞は、ぶっちゃけ後悔してるんで、アルバムバージョンでは全部変えます。