「奥田民生になりたいボーイに贈るプレイリスト」PR

奥田民生になりたいボーイに贈るプレイリスト|フジファブリック山内総一郎が語る「なりたくてもなれない」奥田民生の魅力

奥田民生に憧れる雑誌編集者・コーロキが、ファッションブランドのプレスとして働く“男を狂わせる女”あかりを好きになり、恋の喜びと絶望を味わう──妻夫木聡、水原希子が出演する映画「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」が、9月16日に公開される。渋谷直角による異色コミックを「モテキ」「バクマン。」などを手がけた大根仁監督が映画化した作品だ。劇中では「愛のために」「マシマロ」「CUSTOM」など、奥田民生の名曲を多数使用。これらの劇中使用曲を集めたアルバム「奥田民生になりたいボーイに贈るプレイリスト」も9月13日にリリースされた。

さまざまな角度から話題を集めるこの映画を、奥田民生のファンでもあるフジファブリックの山内総一郎(Vo, G)が鑑賞。映画の見どころや劇中曲の聴きどころ、奥田民生の魅力などについて語ってもらった。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 佐藤類

歌詞を通して民生さんを見ている

──まずは映画「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべてを狂わせるガール」の第一印象を教えてもらえますか?

山内総一郎

もともと原作を読んでいたから流れはわかっていたんですけど、すごく面白かったですね。僕も主人公のコーロキくんと同じ三十代なので、よくわかるんですよ。「ミュージックステーション」のくだり(奥田民生が「ミュージックステーション」に初出演した際、ラーメンの汁が付いたジーンズのことを司会のタモリに突っ込まれるエピソード)もそうですけど、十代の頃から民生さんの飄々とした雰囲気に惹かれていたので。僕の周りにも影響を受けた人はたくさんいますからね。亡くなった志村(正彦)くんもそうなんです。富士急ハイランドで民生さんのライブを観て「自分もこれをやろう」と思ってフジファブリックを作ったので。僕自身は「民生さんみたいになりたい」と思ったことはないんですけど、やっぱりむちゃくちゃ好きですね。

──山内さんは「奥田民生になりたいボーイ」ではない?

憧れはありますけど、自分が民生さんみたいになれるとは思えないので。それはね、15歳くらいのときに気付いたんです。「あんなふうに飄々とカッコいい男になるのは無理だから、自分は自分なりにがんばろう」って。民生さんはレスポールを弾いてる印象が強かったから「自分は違うギターにしよう」とか、あえて違うことをやったり。そういう意味では、すごく影響を受けてるんですよ。フジファブリックは民生さんと同じ事務所なんですけど、僕らが今の事務所を選んだのも「民生さんがいる事務所だったら、マニアックな音楽をやりたくなっても大丈夫じゃないかな?」って勝手に思ったのが理由だったし。

──やりたい音楽を自由にやってるイメージがありますからね、民生さんは。

山内総一郎

そうそう。民生さんとはいろんな話をさせてもらうんですけど「やっぱり民生さんにはなれないな」と思いますね。当たり前ですけど、ダラダラしてるだけじゃないんですよ(笑)。しっかり準備をしているし、人の何倍もやっているので。海外でマスタリングするときも必ず同行しているし、「ダラダラやってたら、このスケジュールは無理だよな」というペースで制作してますからね。やることをしっかりやっているから、素晴らしい音楽をやり続けられるんですよね……こんなこと言ったら、営業妨害かな(笑)。

──そんなことないと思います(笑)。持っている才能はもちろんですが、音楽的にすごく緻密だし、新しいことにもチャレンジし続けてる方ですからね。

そうですね。ただ、いまだにどんな人なのかわからない部分があるんです。実の部分をつかませないっていうのかな。飲みに連れて行ってもらったりすると、ずっとカウンターの端のところで立ってたりするんですよ、民生さん。「ここが落ち着くんだよ」とか言って。そういうユルさもいいんですよね。「人の息子」に「手を抜け気を抜くな」という歌詞があるんですけど、まさにそういう感じなんです。今思いましたけど、歌詞を通して民生さんを見ているところもありますね。

──やっぱりすごく好きなんですね。

ファンですから(笑)。(劇中で)コーロキくんが持ってる民生さんのグッズもほとんどわかりますからね。「愛のために」のアナログ盤も持ってるし。劇中で使われている曲なんて、始まった瞬間にコードとか展開まで全部わかるし。こんなアピールしても仕方ないけど(笑)。

この映画は僕らの味方だな

──ストーリーと民生さんの楽曲が密接につながっているのもこの映画の魅力だと思いますが、特に印象的だったシーンは?

まずは「ハネムーン」の使われ方ですよね。コーロキくんとあかりちゃんの絡みのシーンなんですけど、すごくエロくて。1stアルバムの「29」(1995年リリース)に入ってる曲なんですけど、当時僕は中学生だったから「ハネムーン」の意味合いもよくわかってなかったんです。今も理解できているのかわからないけど、ああいうシーンで使われると楽曲の魅力がより強く伝わってくるなって。

──そこは音楽をよく知っている大根監督のセンスですよね。

山内総一郎

そうですね。ドラマ「モテキ」でフジファブリックの「夜明けのBEAT」を主題歌にしてもらって、ミュージックビデオも撮ってもらったんですけど、大根さんは細かいディテールにまでこだわる方だし、それは今回の映画にもすごく出てると思います。原作とは違うセリフもけっこうあるんですけど、それがいちいち面白いんですよ。たとえばコーロキくんの歓迎会で編集部の人たちが「ディアンジェロのライブ、最高だったよ」とかって話してたじゃないですか。そのあたりも絶妙なんですよね。

──いかにもオシャレ雑誌編集者の会話だなっていう。監督自身も「サブカル界隈が舞台のボーイ・ミーツ・ガールものは、自分の得意ジャンル」とコメントしてますが、カルチャーの扱い方がとにかくうまいですよね。

そこにはカルチャーとかオシャレなものに対して感じることだったり、疑問とか敗北感みたいな感情も入ってると思うんですよ。その複雑な気持ちもセリフの中に入ってる気がするんですけど、僕にとってはクスッと笑えるというより、「わかるわかる」ってうなずく感じなんです。田舎から東京に出て来た人間だし、ああいうオシャレピープルの集まりってサンクチュアリみたいなものなので(笑)。コーロキくんもちょっとオドオドしてるじゃないですか。ああいう描き方を観ると「この映画は僕らの味方だな」と思いますね(笑)。

狂っちゃうくらい好きになったときのパワーはすごい

──この映画は恋愛を通して成長する男の物語でもあると思うんですが、そのあたりはどうですか?

山内総一郎

「奥田民生になりたい」という気持ちもそうだけど、狂っちゃうくらい女の子を好きになったときのパワーってすごいですよね。それはこじらせる原因にもなっちゃうんですけど(笑)、ああやってガムシャラに突き進む感じは褒められるべきことだなって思います。コーロキくんがあかりちゃんにLINEを送るときに、あれこれ悩むシーンがあるじゃないですか。「重くなっちゃダメだ。“軽く笑えるユーモア”が大事だ」とか思ってるんだけど、結果的にめちゃくちゃ長くて重いLINEを送っちゃうっていう(笑)。あの場面は「俺も一緒だ」と思う人も多いんじゃないかなって。水原希子さんもめちゃくちゃカワイイですからね。インタビューでこんなこと言っていいのかわからないけど、とにかくお尻がいいんですよ(笑)。あんなに細いのにお尻の形がすごくよくて。あれはジーンズのせいなんですかね?

──(笑)。確かに「こんな子がいたら狂うな」と思いました。

ああいうタイプは遠くから見てるほうがいいですよ。あんなにカワイイ女の子が近付いてきて話しかけられたらコロッといっちゃいそうなので(笑)。でも、民生さんだったら何気なく自然に話せたりするんでしょうね……。

──見どころが満載だし、いろんな角度から楽しめる映画ですよね。

そうですね。「奥田民生になりたいボーイと出会う男をすべて狂わせるガール」と言うタイトル通りの映画だし、まったく情報がないまま観ても「面白い!」って思うんじゃないかなって。特に三十代の男はたまらないんじゃないかな。最初にも言いましたけど、民生さんに憧れて、影響を受けている人はたくさんいると思うので。僕も何度もグッと来たし、映画を観終ったあと、家で民生さんのレコード聴きましたから。ぜひ楽しんでほしいですね。

──9月13日には映画「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」の劇中で使用される楽曲を収録したアルバム「奥田民生になりたいボーイに贈るプレイリスト」がリリースされます。映画を観て民生さんの楽曲のよさを再認識した人にもぜひ聴いてもらいたいな、と。

そうですね。さっき「ハネムーン」の話をしましたけど、「CUSTOM」(2001年リリース)の使われ方もいいんですよ。あの曲って、自分の経験や年齢によって、聴こえ方が変わってくるんです。いつでも自分自身の心境と重ねられるし、この映画のなかで聴いたときもグッときました。民生さん、知れば知るほどすごいですからね。最近のフェスとかでも「ダントツにうまいな」と思うし、僕自身もずっとファンなので。早い段階で「自分はこういうふうになれない」と気付いてよかったです(笑)。

  • 映画ナタリーPower Push「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」妻夫木聡×水原希子×新井浩文×大根仁インタビュー
「奥田民生になりたいボーイに贈るプレイリスト」
2017年9月13日発売 / Ki/oon Music
「奥田民生になりたいボーイに贈るプレイリスト」

[CD]
2916円 / KSCL-2967

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映画本編で使用されている奥田民生の楽曲を収録したCDアルバム。監督・大根仁が「愛のために」「息子」「CUSTOM」など、奥田民生の珠玉の名曲、全15曲を選曲。また、特典として原作者・渋谷直角による<スピンオフ漫画番外編>も収録される。このプレイリストを聴けば、あなたも奥田民生になりたいボーイ!

原作者・渋谷直角による<スピンオフ漫画 番外編>
収録曲
  1. 息子
  2. 愛のために
  3. 674
  4. ハネムーン
  5. 海へと(LIVE SONGS OF THE YEARS バージョン)
  6. 近未来
  7. スカイウォーカー
  8. ギブミークッキー
  9. チューイチューイトレイン
  10. 花になる
  11. マシマロ
  12. The STANDARD
  13. 御免ライダー
  14. 月を超えろ
  15. CUSTOM(JPNバージョン)
「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」
2017年9月16日(土)より全国ロードショー
「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」
ストーリー

ライフスタイル誌「マレ」の編集部に異動してきた33歳の編集者、コーロキ。編集長・木下ら同僚たちのおしゃれで高度な会話になじめず戸惑う中、彼はレディースファッションブランドの美人プレス・天海あかりと出会い一目惚れする。仕事により一層力を入れ、デートにも必死になるが、身勝手なライターや魔性の女・あかりの自由奔放な言動に振り回されるコーロキ。奥田民生のような“力まないカッコいい大人”を目指しながらも空回りを続け、いつしか彼は心身ともにボロボロになっていく……。

スタッフ / キャスト

監督・脚本:大根仁
原作:渋谷直角「奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール 完全版」(扶桑社刊)
キャスト:妻夫木聡、水原希子、新井浩文、安藤サクラ、リリー・フランキー、天海祐希、松尾スズキ

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フジファブリック
フジファブリック
志村正彦(Vo, G)を中心に2000年に結成されたロックバンド。都内を拠点に活動を開始し、2002年にミニアルバム「アラカルト」をリリース。そのユニークなサウンドと捻りの利いたアレンジ、志村の綴る独特の歌詞が注目を集める。2004年4月にシングル「桜の季節」でメジャーデビュー。「フジファブリック」「FAB FOX」「TEENAGER」といったアルバムがいずれも高い評価を受け、2009年発売の4thアルバム「CHRONICLE」でさらに支持を拡大するも、同年12月24日に志村が急逝。バンドは山内総一郎(Vo, G)、金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(B)の3人で活動を継続し、2011年9月に新体制で初となるアルバム「STAR」をリリースした。デビュー10周年を迎えた2014年は9月に8thアルバム「LIFE」を発表し、11月にはデビュー10周年を記念した東京・日本武道館公演を行った。2016年12月には9枚目のアルバム「STAND!!」をリリース。2017年2月にはテレビドラマ「山田孝之のカンヌ映画祭」のオープニングテーマである山田孝之とのコラボ曲「カンヌの休日 feat. 山田孝之」をシングルとして発表した。