音楽ナタリー PowerPush - lyrical school

4本立てインタビューで迫る6人の“PRIDE”

minan単独インタビュー「未南の歴史」

芸能界への憧れ

──前回のTパレ特集時のインタビューはまだminanさん加入前でしたので、改めてパーソナルを掘り下げさせてもらえたらと。出身は群馬なんですよね。

はい。群馬生まれで、今も群馬から通っています。片道2時間半ぐらいかけて。

──子供の頃からアイドルになりたいみたいな気持ちはあったんですか?

minan

なかったですね。幼稚園の卒園文集には将来の夢のところに「歌手」って書いてたんですけど、それはウルトラマンとか書くのと同じで。小学生の頃は医者になりたいと思ってました。漠然と芸能界に対する憧れはあったんですけど、うちは両親がすごく厳しくて。

──芸能界に憧れるきっかけになったのは?

やっぱりモーニング娘。さんですかね。自分と同じぐらいの歳の女の子が、オーディションを受けて歌ったり踊ったりしているのを観ながら、なんとなく憧れていて。でもうちは絶対そういうのダメだから、ってずっと抑えてきたんですよね。特に何もせずに過ごして、高校生のときもちょっとバンドをやったりミュージカルをやったりしてたんですけど、大学に入ったら好きなことをやっていいと言われていたので、いろんなことをしてました。ももクロさんの振りコピをやったりして(笑)。

──何かを表現することは好きだったんですね。

そうですね。バンドとかももちろん趣味の範疇ですけど。

──話を聞いていると、ここまですごく健康的に育ってきた印象ですよね。群馬だとえげつないヤンキーとかもいると思うんですけど。

それはごく一部ですよ(笑)。私は親の敷いたレールの上をきちんと歩いてきました。

──芸能界への憧れと言ってもそんなに熱いものではなく、アクションを起こすわけでもなく。

起こせないんですよ、群馬に住んでいると。まず何をするにも車が必要で、履歴書を買うにも車が必要なんです(笑)。そんな生活だったので、子供の頃は自分から何かアクションを起こすという気持ちにすらならなかったんですよね。

就職を蹴ってリリスクへ

──そんな中、なぜリリスクのオーディションを受けようと思ったんですか?

大学を卒業するとき、就活もし終えて就職先も決まってたんですけど、芸能界を目指そうと思ってそれを断ったんです。リリスクのオーディションは卒業して数カ月後で。

──それまでぼんやりとしか描いていなかった芸能界への憧れが、就職まで決まったところでなぜそんなに強くなったんですか?

今しかないなと思って。ここで就職しちゃったら「あー私も芸能界に入りたかったなー」という気持ちを抱えたまま一生を終えるんだろうなと思ったら、いてもたってもいられなくなって。

──リリスクのことはもともと知ってたんですか?

minan

はい。カッコいいグループだなと思ってました。私、アイドルのことはあまりわからないけど、リリスクは私が想像していたアイドルのキャピキャピしたイメージがなくて。このグループならがんばれるかもしれない、と思って応募しました。

──minanさんより少し先にhinaさんの加入があったものの、すでにできあがっているグループに新しく加入する不安などはなかったですか?

プレッシャーでしたね。女の子のグループだし、きっとアイドルって厳しい世界だろうからいろんなことがあるだろうなと思って、最初は相当身構えてました。どうしよう、いじめられたら……みたいな(笑)。

──ああ、“THE芸能界”みたいな世界を想像してしまいますよね、やっぱり。

そうなんです。でも行ってみたらみんな普通の女の子で、すごく優しくしてくれて。

自分のことがよくわかってないんです

──ちなみに学生時代はクラスの中でどんなポジションでした?

地味でしたね。クラスの中でも上のほうのグループ、中ぐらいのグループ……みたいなスクールカーストがあって、その下で小さくシュンとなって過ごしてました(笑)。

──クラスの中での位置付けみたいなのってだいたい想像が付くんですけど、minanさんの印象ってそこがつかめないんですよね。

中学のときはよくあるクラスの派閥争いみたいなので小さくなってたんですけど、高校は女子校でめっちゃ楽しくて、やりたいこと全部やったれ!みたいな。中学では髪の分け目を変えただけでいじめられたので(笑)。

mei (横で話を聞きながら)えーっ!

普段と違う分け目で行くと「マジあいつ調子乗ってね?」みたいな(笑)。高校ではそういう争いもなく、みんな仲がよくて。

──そのまま大学まで楽しく生きていて、突然就職先を蹴っちゃう感じとかもわかんないんですよね。パッと見の印象はクールだけど、そういう行動1つ取っても一概にクールなタイプとも言えないのかなと。

mei わかります。メンバーでもそう思いますもん。

minan

えー、難しいなあ。私も自分のことがよくわかってないんですよ(笑)。芸能界があきらめきれなかったのは……高校にミュージカル部があって、私はそこのオーケストラでドラムを叩いてたんですけど、それがけっこうガチでやる部活だったんですよ。女子校だから男性役を女の子が演じる、宝塚みたいな感じで。それをオーケストラの立場から観ていて、ステージに立つのはめちゃくちゃ楽しそうだなって思ってたんです。その気持ちがずっと残ってたのかなって。

──厳しい両親は、就職を蹴ってまでlyrical schoolとして活動していることに対してはどんな意見なんですか?

昔はもちろん芸能活動には反対でしたけど、最近はだんだん理解してくれています。今は実家から通っているし、親の支えがないと生活できないと思うので、本当にありがたいですね。

──ご自身ではどうですか? 加入してから1年と少し経ちましたが。

そうですね、1年経って……やだみんな見てる(笑)。1年がホントあっと言う間で、気付いたらここまで来てたという感じで。

──ほかのメンバーもファンも、みんなそう感じてるんじゃないかと思うんですよね。「気付いたらなじんでる」みたいな。

それはやっぱりよく言われますね。いつの間にかなじんでるって。

クールだと思われがちだけど

──いろいろ話を聞いた結果、いくつかわかったところもあった反面、よりわからなくなったことも多いですね。

mei あははは(笑)。ギャップが一番大きいのがminanかもしれないです。歌ってるときと普段の。第一印象でクールだと思われがちだからなおさらね。

自分でも見た目と中身のギャップは大きいと思います。声は高いですし、クールではないですし。

──初見だと見た目でまずグループ内のクール担当だと判断されるでしょうね。

最初にクールで行けばよかったのかなあ(笑)。

mei 無理だよminanにクールなんて(笑)。

──今後の個人の目標って何かありますか?

なんだろう。こういうときあんまり答えが出てこないんですよね。いろいろ考えてはいると思うんですが……。いつかですけど、雑誌の表紙を飾りたいです。

Contents Index
ayaka単独インタビュー「大部のアイドル道」
minan単独インタビュー「未南の歴史」
hina特集「小松大図鑑」
ami×mei×yumiインタビュー
ニューシングル「PRIDE」 / 2014年10月28日発売 / T-Palette Records
通常盤 [CD] / 1080円 / TPRC-0109
通常盤 [CD] / 1080円 / TPRC-0109
ayaka盤 [CD] / 1350円 / TPRC-0110
minan盤 [CD] / 1350円 / TPRC-0111
hina盤 [CD] / 1350円 / TPRC-0112
yumi盤 [CD] / 1350円 / TPRC-0113
mei盤 [CD] / 1350円 / TPRC-0114
ami盤 [CD] / 1350円 / TPRC-0115
通常盤収録曲
  1. PRIDE
  2. 抜け駆け
  3. PRIDE(inst)
  4. 抜け駆け(inst)
メンバー盤収録曲(共通)
  1. PRIDE
  2. 抜け駆け
  1. PRIDE(inst)
  2. 抜け駆け(inst)
ayaka盤
  1. tengal6 take3
minan盤
  1. Akikaze take2
hina盤
  1. photograph take2
yumi盤
  1. まちがう take2
mei盤
  1. プチャヘンザ! take2
ami盤
  1. しってる/しらない take2
lyrical school(リリカルスクール)

lyrical school

「清純派ヒップホップアイドルユニット」というコンセプトのもとオーディションで選ばれた、ami、ayaka、erika、mariko、mei、yumiという6人のメンバーにより2010年に結成。「tengal6」というユニット名で活動し、ハイクオリティな楽曲と「アイドルラップ」という特異なスタンスで大きな支持を集めた。2012年にタワーレコードのアイドルレーベル・T-Palette Recordsに移籍し、それを機にユニット名を「lyrical school」に改名した。2013年にはmarikoとerikaの卒業を受け、hinaとminanが加入して新体制に。同年9月には1stフルアルバム「date course」を発表した。2014年10月には通算7枚目のシングル「PRIDE」をリリース。