お互い面識は……ありました（笑）

──まずは、アンテナガールというシンガーをフィーチャーしてメジャーデビューを飾ることになった経緯から伺えますか？

POCO　2008年に空中分解としてインディーズデビューしたあと、次の作品では女性ボーカルを入れたいなと思っていて。そこで新曲をいくつか作ったときに仮歌を入れてもらったのがアンテナガールだったんです。で、そのデモテープをきっかけに今回のメジャーデビューのお話をいただいたという流れなんですけど。

──仮歌の歌い手として招いたけど、それが正式なフィーチャリングシンガーになったと。

POCO　そうなんですよ。ほんとにデモとして歌ってもらっただけだったんですけど、すごく大きな話になったという（笑）。

──おふたりは以前から面識があったんですか？

POCO　面識は……ありました（笑）。

アンテナガール　アハハハ。実は妹なんです（笑）。

──え、そうなんですか！ そりゃ面識ありますよね（笑）。空中分解の「アンテナガール」という曲が好きで歌うことを自ら志願したと聞いていますが。

アンテナガール　はい。「これは私歌うよ！」みたいな感じで（笑）。

POCO　それまでは歌いたいなんて言ったことなかったんですけど、「私、アンテナガールになりたい！」ぐらいなことを言ってくれて（笑）。

アンテナガール　私は元々、空中分解のいちファンとして、普通にライブに行って「うおー！」って盛り上がってる感じだったんですよ。POCOが歌う空中分解の曲が好きだったから。でも、「アンテナガール」とか「ぴったんこ」ができたときに、ちょっと今までと違った雰囲気を感じて、こんなにかわいい曲だったら私が歌ったほうがいいんじゃないかなって思い始めて（笑）。まさかほんとに歌えるなんて思ってなかったんですけど、デモで歌うという話をもらえたので「じゃ歌う歌う！」っていうテンションに一気になった感じでしたね。

いろいろな女性アーティストに曲提供したい

──そもそも空中分解はPOCOさんがボーカルを担当していたわけですが、なぜ女性ボーカルをフィーチャーしようと思ったんですか？

POCO　インディーズデビューしたときに、さらに一歩先へ進むために、それまでの活動をベースとしつつも違ったアプローチをしていかなきゃいけないんじゃないかなってすごく感じたんです。みんなが歌ってくれるような大衆性を手に入れたいのであれば、男性がアーティスティックに歌いあげるよりも、女性ボーカルのかわいいスタイルのほうがいいんじゃないかなって。そのほうがレコード会社のスタッフさんも売り込みやすいと思ったし（笑）。「アンテナガール」や「ぴったんこ」で曲のテイストが変化したというのも、そこを意識して作ったからなんですよね。

──パーマネントなメンバーとして女性ボーカルを迎えるのではなく、フィーチャリングという形にしたのはどうしてだったんでしょう？

POCO　僕の中には、いろいろな女性アーティストに曲提供をしたいっていう大きなコンセプトがあるんですよ。今回はアンテナガールの声をスタッフに気に入ってもらえたのでこういう形になりましたけど、今後はほかの女の子をフィーチャーする形でもいいと思ってます。だから固定のメンバーではないスタイルにしようと。

──なるほど。

POCO　今回のアルバムはインディーズから今までのベスト的な内容ですけど、今後プロデュースさせてくれる女性アーティストがもしいるのであれば、その人に合わせた曲を作ってみたい気持ちもありますし、場合によっては作詞作曲にPOCOという名前がクレジットされる形でもいいと思ってるんです。

──それはまさに曲提供という関わり方ですよね。

POCO　実際、そういうお話がいただけるかはわからないですけど、空中分解は曲提供ができるんだっていうことは推していきたいんです。そういう意味で今回の「ルミナスター」は、その意識付けのための名刺となるCDだと思いますね。