どんな曲も最後は聴き手に委ねる

──歌詞はAZUKI 七さんから上がってきた際、どんな印象でしたか？

中村　韻を踏んでる部分があったり、ちょっと面白いなって思いました。サビの「Love forever」はデモから私が使ってた言葉で、そのまま使ったんだなっていうのも個人的には面白くて。全体的にはメロディに忠実に、メロ先行ではめたのかなって感じがします。サウンドに溶け込むような言葉選びをしているなって。

──歌詞について何かAZUKI 七さんとお話されたんですか？

中村　してないですね。あまり読み込んだり聞いたりすると先入観を持って歌うことになるので、話し合いはいつもしないんですよ。

──そうだったんですね。

中村　はい。あとは最初に歌詞を見たときのファーストインプレッションを大事にしたいので。新鮮さやワクワク感、ドキドキ感を歌にパッケージしたいから、あまり歌詞を読み砕かず、カッコいいとか素敵だなと思った最初の素直な気持ちを歌に乗せるようにしています。リスナーの皆さんにも、その歌を聴いて自由に歌詞に共感したり、いろんな考えや気持ちを持っていただけるとうれしいなって。

──なるほど。

中村　だから歌詞の最終的な結論は、聴き手に委ねてるんです。皆さんに届いて初めて曲が完成すると思ってるので、押し付けになるような歌は避けたい。だからできるだけニュートラルに、フラットに歌うことを心がけてます。

ビデオクリップ撮影ではアクロバットな要求が

──「Nostalgia」はビデオクリップの世界観も変化球ですよね。

中村　私たちのほうから最初に「メタリックだったり少しクールだったりする面を出したい」っていうリクエストをして。あとはリアルとフェイクの対比というところも軸にしながらストーリーを考えてもらいました。

──衣裳の羽根とか、かなり豪華でビックリしました。

中村　ありがとうございます。でも現場では全部がCG用の緑バックだったんです。だからこれが実際どういう映像になるのか全然わからなくて（笑）。スタッフさんに「ここで羽根が生えます！」とか言われて、なんとか演技をしてた感じです（笑）。

──他にも印象的なエピソードはありましたか？

中村　走るシーンは下にウォーキングマシーンを置いてたんですけど、私だけ高いピンヒールだったので大変でした。しかも撮影用の手すりのないマシーンで、うまく走れず途中でギブアップ（笑）。結局、私だけ下で走ってるふうの演技をしたんです。

岡本　あれ、結構スピード速かったもんね。本当はもっと速くしたかったみたいなんですけど、幅が狭いので、下手したら倒れて骨折しちゃうんですよ。なので僕たちも、スピードはそのままに、できる限りのオーバーアクションでがんばりました（笑）。

中村　あと今回はフィジカル的に難易度の高いことも要求されて。岡もっちは、ジャンプして回りながら落ちる……だっけ？

──えっ、そんなアクロバティックなことを!?

岡本　はい。用意してもらった台から回転しながら飛び降りるっていう。しかもギター持ったままですよ!?

中村　あはははは！（笑）

岡本　体操選手じゃないんでね、っていう（笑）。一応やったんですけど、飛び過ぎて軸足の筋が3日くらい変でした（笑）。