ナタリー PowerPush - doa

美しいハーモニーで聴かせる 出会いと別れ「Now and Forever」

3人組ボーカルグループ・doaが3月16日に15枚目のシングル「Now and Forever」をリリースする。アコースティックギターの柔らかな音、3人の声の揺らぎが心地良い新曲は、出会いや別れが多い時期にそっと背中を押してくれるような温かい曲だ。このインタビューでは、新曲に込めた思いなどを3人に訊いた。

取材・文/西村綾乃

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「Now and Forever」という言葉を使いたくて

──シングルとしては昨年3月の「旅立ちの歌」以来、1年ぶりの新曲ですね。

吉本大樹(Vo) はい。僕たちは3人ともボーカルをとるので、曲によってメインボーカルが変わるんですが、今回は久々に僕がメインボーカルを務めています。

──歌詞は大田さんによるものですね。どんなテーマで書かれたのですか。

大田紳一郎(Vo, G) 以前から「Now and Forever」という言葉を使いたいなぁという思いがありまして。この言葉自体は、ずっと前からあたためていたんです。

──リリース時期は、出会いや別れの多い春という季節ですね。この曲は「出会いや別れがあっても涙の数だけ笑えるように」と、不安な思いを払しょくしてくれるような温かな言葉が心に染みます。

大田 歌詞は、昔の自分自身のことを思い出しながら書いたんですよ。前作の「旅立ちの歌」もそうだったんですが、こういうバラードが徳永くんから上がってくると、昔のことを思い出すんですね。僕自身、高校卒業後に愛媛から東京に出てきて、その後大阪に転居して、いろいろな出会いや別れがあった。田舎から出てきたばかりの頃は、バイトをクビになってもなんとか家賃を払わなきゃいけないとか、とにかく生きていくことに必死だった自分がいたなぁと。

──「変わっていくことが許せなくて」といった葛藤も歌われていますね。

大田 変わらないと生きていけない部分が人間にはあって。でもそれを許せない自分がいた。あとで思うと、当時はなんでそんなに意地になってこだわっていたのかなって思うこともよくありますけどね。

仕上がりで出したかったのは素朴で孤独な感じ

──「旅立ちの歌」はピアノの音が印象的でした。今作は、アコースティックギターに中盤からはストリングスが加わったふくよかなアレンジになっていますね。

徳永暁人(Vo, B) アコースティックギターと3人の声を核にした音作りというのはこれまでと変わらずに、今回は(中盤から)弦楽カルテットが引っ張っていくというアレンジにしました。最初ストリングスはもっと壮大なアレンジのものが3つ、ギターも、ドラムも4パターンぐらい準備していたんですよ。でも吉本くんが歌ってから、あれ?違うな……と感じて。もっと素朴で孤独な感じが欲しくなって、小編成のストリングスに変えるなど、最後まで試行錯誤を繰り返しました。

──歌われている吉本さんは、歌詞で共感する部分はどこですか?

吉本 「あなたの未来が輝きますように」という部分ですね。僕はレース(国内の四輪レース「SUPER GT」のGT300クラスに参戦中)をしていて、過去、F1に一番近いといわれる「GP2」で走っていました。僕も最高峰のF1で走る寸前まで行きましたが、不運が重なりかなわなかった。でも当時一緒に走っていたライバルたち(ニコ・ロズベルグ、ルイス・ハミルトンなど)は、F1にステップアップして。そういう現実って若いときはねたんだり、悔しかったり……いろいろありました。でも30歳になった今は、どういう経緯があったにせよ、人の幸せを願える自分がいる。だから「あなたの~」という部分は、自分の中にスッと入ってきましたね。

ニューシングル「Now and Forever」 / 2011年3月16日発売 / 1260円(税込) / GIZA / GZCA-4132

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CD収録曲
  1. Now and Forever
  2. I would be honest
  3. Maybe Tomorrow
doa(どあ)

吉本大樹(Vo)、大田紳一郎(Vo, G)、徳永暁人(Vo, B)からなる3ボーカルバンド。2004年に徳永を中心に結成し、同年7月にシングル「火ノ鳥のように」でメジャーデビュー。メンバー全員がメインボーカルを担当するスタイルで、叙情的な楽曲と美しいハーモニーを武器に活動している。ユニット名は、吉本大樹(大樹)のd、大田紳一郎(大田)のo、徳永暁人(暁人)のaからとられたもの。