1話まるごと試し読み
「龍神様の花嫁」夏川アヤネ
時は大正時代。主人公・美月は7歳のときに母親を亡くし、叔母の家に引き取られた。彼女たちの一族・天龍家は癒しの巫女の血筋を引いており、女性は代々治癒の力を持って生まれてくるが、美月だけはなぜか能力が発現しないまま。叔母一家に“能無し”と呼ばれ、ひどい扱いを受けていたが、ほかに行く宛もなく耐え忍ぶ日々を送っていた。
そんな彼女の唯一の心の支えは、幼い頃に山奥で出会い、仲良くなった不思議な男の子に渡された1本の簪(かんざし)。その男の子は病気療養のため大きな病院のある都会へ引っ越して行ったが、別れるときに必ずまた帰ってくると約束してくれた。
あれから数年、今日は天龍家の本家のお屋敷で、新しい当主を決める成人の儀が開かれる日。自分には遠い世界のことだと思っていた美月だったが、予想外の展開が待ち受けていて……。不遇な境遇を生きる美月の和風シンデレラストーリーだ。
試し読み掲載期間:2024年9月24日(火)12:30まで
ソルマーレ編集部
© 夏川アヤネ/ソルマーレ編集部