最終回はあの伝説的キャスティングで、岩井秀人×ユースケ・サンタマリア×松本穂香×橋本さとしの「WOW!いきなり本読み」#4 収録現場レポート

岩井秀人が企画・進行・演出を手がける人気企画「いきなり本読み!」のテレビ版「WOW!いきなり本読み!」。その最終回となる第4弾が、8月28日にWOWOWライブで放送&WOWOWオンデマンドで配信される。今回は東京都内の某大学の図書館で収録を実施。出演するのは、舞台版「いきなり!本読み」第3回(参照:岩井秀人「いきなり本読み!」第3弾が本多劇場で、出演者に松本穂香・黒木華ら)に出演したユースケ・サンタマリア、松本穂香、橋本さとしの3人だ。彼らはどんな思いで企画に参加し、どんな“読み”を披露したのか? ステージナタリーでは、出演者と岩井へのインタビューで、第4回と「WOW!いきなり本読み!」シリーズを振り返る。

なお今回も、当日読まれた作品については、放送で“いきなり”明かされるので、ここではどんな作品が読まれたか想像しながら読んでほしい。

取材・文 / 熊井玲撮影 / 玉越信裕

出演者にいきなりインタビュー!
「実際、参加してどうですか?」

ユースケ・サンタマリア

ほかにはない緊張感、刺激しかない企画

ユースケ・サンタマリア

前回は有観客だったので客席の反応が見えましたが、今回はスタッフの方たちに静かに見守られているような感じでやっぱり印象が違いましたね。岩井くんとは2011年に出演した「その族の名は『家族』」以降も付き合いがあって、それで「いきなり本読み!」にも誘われたんです。実際やってみたら、刺激的なことは間違いないし、共演が橋本さんと穂香ちゃんということで、いやがうえにも気持ちが高まる(笑)。エンタメにもしたいし、ドラマも見せたいし……とほかにはない緊張感を感じました。でも自分が仕事に求めるものって、結局は刺激なんですよ。ギャラがどうとか大作かどうかとか、僕はあんまりそういうの、関係なくて。それよりも自分がワクワクするもの、楽しいと感じるものがやりたい。その点でこの「いきなり本読み!」シリーズは刺激しかないですね(笑)。

普段台本を読むときは、最初に得た印象をけっこう大事にしています。その印象が80%くらいは変わらずに続くんです。だから最初の本読みでは余計なこと……例えばうまく思われたいとか、良いところを見せようとか、そういうことは一切考えないようにして、ただ楽しもうと思って臨みます。という意味で今回は、一切余計なことを気にせず臨めたと思いますし、観てくださる方にもぜひ楽しんでいただけたらなと思います。

ユースケ・サンタマリア
1971年、大分県生まれ。ラテンロックバンドのボーカル・司会としてデビュー後、俳優・司会者として多方面で活動。岩井秀人作品には2011年に「その族の名は『家族』」に出演した。12月にPARCO PRODUCE2021「音楽劇 海王星」が控える。

松本穂香

鍛えられるし、エネルギーを使います

松本穂香

前回は「できなくて当たり前だろう」と特にプレッシャーも感じず参加させていただいたのですが、なぜか好評をいただいてしまい(笑)、今回は「期待されていたらどうしよう」とドキドキしながら参加しました。でも今回も、とっても楽しかったです。普段は演じることがないような役ばかりでしたし、私自身としても新しい自分を見つけることができたので。

普段の本読みでは、けっこう第一印象が一番正解に近いんじゃないかと思うことが多いので、最初の本読みは気合いを入れて読むようにしています。この企画ではさらに自分の中のいろいろな感覚を使って読むので、すごく鍛えられますしエネルギーを使います。

岩井さんの演出の言葉はわかりやすいものばかりで、何より岩井さんが楽しんでやってくださってるのがうれしいです。映画でもそうですが、監督さんが楽しんでやってくださっていると、こちらも盛り上がりますし、やりがいを感じます。収録中、岩井さんがこのメンバーで劇団“松橋ユースケ”を作ろうと仰いましたけど、そんな思いになってくださったのはうれしいです。公演が実現するかどうかはわかりませんが、そうなれたら良いですね(笑)。

松本穂香(マツモトホノカ)
1997年、大阪府生まれ。2015年にデビュー後、映像を中心に活動。10月に劇団た組「ぽに」に出演。映画「ミュジコフィリア」が11月19日に公開。

橋本さとし

今回も等身大の橋本さとしを!

橋本さとし

前回はこの企画がどんなものかも全然わからないまま参加して、“いきなり”と言いつつ、ちょっとぐらいは予習できるのかなと思ったら本当に事前情報が何もなくて。お客様には「橋本さとし、どんだけ漢字が読めないんだ!」ってバレてしまい、等身大の橋本さとしをお見せしてしまったと思います(笑)。今回、また同じメンバーでこの企画ができると聞いてうれしく思います。まあ、のっけからやっちゃっていますけど(笑)。

岩井くんの演出は言葉のチョイスが面白いですね。彼の一言がスイッチになって、僕にないものがどんどん引き出されていく感じがあります。ああやって岩井ワールドが立ち上がっていくんだなと。

でも普段は僕、本読みにものすごく時間をかけるんです。3行読んだら数行前からもう1回読み直す、という感じで、時間をかけて台本を読み返し、自分が演じる登場人物のキャラクターを立体化していくんですね。だから本読みってこっそり家で1人でやるものだと思っていたんですけど、「WOW!いきなり本読み」ではカメラの前でやるということで(笑)、役者の恥部をさらけ出す、ものすごい企画だと思います。でも役者ってその恥を切り売りするものだとも思いますから、今回も等身大の橋本さとしを楽しんでいただければ幸いです!

橋本さとし(ハシモトサトシ)
1966年、大阪府生まれ。劇団☆新感線で活動後、舞台、映像、ナレーションと幅広く活動。現在、TBS日曜劇場「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」に出演中。そのほか、舞台作品でPARCOプロデュース2021「ザ・ドクター」、舞台「千と千尋の神隠し」への出演を控えている。