にじみ出す哀愁、繰り出される“名人芸”!岩井秀人×伊藤万理華×秋山菜津子×高橋克実の「WOW!いきなり本読み」#2 収録現場レポート

岩井秀人が企画・進行・演出を手がける人気企画「いきなり本読み!」のテレビ版「WOW!いきなり本読み!」が5月にスタートした。その第2弾が、6月26日にWOWOWライブで放送&WOWOWオンデマンドで配信される。テレビ版では劇場を飛び出し、ロケ収録スタイルで本読みを実施。今回は、郊外の古風な“クラブ”を舞台に、岩井演出初挑戦の伊藤万理華、秋山菜津子、高橋克実が出演した。3人はどんな思いで企画に参加し、どんな“読み”を披露したのか? ステージナタリーは、インタビューと収録現場のレポートで「WOW!いきなり本読み! #2」の面白さに迫る。

なお今回も、当日読まれた作品については、放送で“いきなり”明かされるので、ここではどんな作品が読まれたか想像しながら読んでほしい。

取材・文 / 熊井玲 撮影 / 広川智基

出演者にいきなりインタビュー!
「実際、参加してどうですか?」

伊藤万理華

これまでお見せしたことがない姿も……

伊藤万理華

「いきなり本読み!」のことは以前から知っていました。でもまさか第2回の「WOW!いきなり本読み!」に呼んでいただけるとは。「いきなり本読み!」経験者の方から、「思い切ってやったほうがいいよ」とアドバイスをいただいたのですが、実際に参加してみると「自分には瞬発力がないな」と反省ばかりです。と同時に、秋山さんと高橋さんは、初見の台本にもかかわらず、情景が浮かんでくるような読み方をされるので、本当にすごいなと。そんなお二人の様子を見ていた岩井さんが、あるシーンで突然、登場人物がそれまでどんな人生を歩んできたかとか、どんな心情でそのセリフを言ったのかを熱く語り出したんですね。自分もそんな読み方ができるようになりたい、と思いました。
今回は普段やらないような役も振っていただいて、これまでお見せしたことがない姿もあります。いつかまた年齢や性別を超えた役をやることがあるかもしれないので、今回がその第一歩になれば……(笑)。

伊藤万理華(イトウマリカ)
1996年、大阪府生まれ。2011年から2017年まで乃木坂46のメンバーとして活動。卒業後は舞台、月刊「根本宗子」第17号「今、出来る、精一杯。」、第18号「もっとも大いなる愛へ」、映画「あさひなぐ」「賭ケグルイ」に出演するなど、多岐にわたって活動中。8月6日公開の「サマーフィルムにのって」では主人公のハダシ役を演じている。また、7月クール連続テレビドラマ、木ドラ24「お耳に合いましたら。」(テレビ東京ほか)で地上波連続ドラマ、初主演を務める。

秋山菜津子

岩井さんにはもっと無理難題を言ってほしいくらい

秋山菜津子

本多劇場で上演された「いきなり本読み!」を観に行ったことがあるんです。そのときはまさか自分が出演するとは思っていなかったし、特に何も考えずに行ったんですけど、荒川良々さんが素晴らしくてウルッときちゃって。その印象はありつつも、今回は劇場でやるわけではないし、お客さんもいないし、どうなるのかなってまったく想像がつかないままやって来ました。
実際にやってみて、やっぱり生でやるのとは違いますから、皆さんがどうご覧になるのかな、とは思いますね。でも普段演じないような役を振られるのは楽しかったし、初見の台本をいきなり読むことも、怖さはないです。普段から、台本をいただいて最初に読むときは、声にこそ出しませんけど、ラストがわからないまま読んでいることは変わりませんから。
岩井さんには、もっと無理難題をけしかけられるのかなって思ってましたけど、思ったよりあまり言われなかったかな? 本当はもっともっと言ってほしいくらい(笑)。
読んでいる最中は精いっぱいで「これで良かったのかな?」と不安はありますが、とにかく楽しんでやろうと。そう思って参加しました。

秋山菜津子(アキヤマナツコ)
東京都生まれ。栗山民也、野田秀樹、いのうえひでのり、白井晃、松尾スズキ、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、長塚圭史など人気演出家の舞台に多数出演。第36回紀伊國屋演劇賞個人賞、第9回読売演劇大賞優秀女優賞・杉村春子賞、第14回読売演劇大賞優秀女優賞、第22回読売演劇大賞最優秀女優賞など受賞歴多数。

高橋克実

お芝居を始めた頃を思い出しました

高橋克実

「いきなり本読み!」は、事務所の先輩である浅野和之さんが2回やられておりますので、話には聞いていました。台本の中身を知らされないだけでなく、本読みの最中に役が変わるとか、性別も関係ないと聞いて、ドキドキが止まらない感じで面白そうだなと思って。ただ浅野さんが出演されたのは舞台版で、今回はテレビ版ですから、お客さんがいないところでいきなり台本を読むことで、どんなものが生まれるかは、想像がつかないなって。
実際に参加していても、これでいいのかどうか……(笑)。でも良いとか悪いとかではないんでしょうね。感覚としては、お芝居を始めた二十代前半の気持ち。台本を前に役を変えながらみんなで読んでいく、その感じを思い出しました。また最初に岩井さんから、「あまり探りながらやるとダメ」と言われていたので、間違えようが何しようが、一度決めた方向性でやってみようと。
岩井さんは、「こういう感じ」という例えが1つひとつ面白かったです。例えば「細いスルメをずっと食べてる人」とか。同じサキイカでも、あの髪の毛みたいなヤツを買う人と言われると、「あ、そういう感じの人ね!」ってよくわかる(笑)。そういう伝え方が面白いなと思いましたね。

高橋克実(タカハシカツミ)
新潟県生まれ。舞台を中心に活動を始め、以降テレビドラマや映画、バラエティなど活躍の場を広げる。近年の主な舞台に「お蘭、登場」「恋のヴェネチア狂騒曲」「女の一生」など。10・11月に「Home, I’m Darling~愛しのマイホーム~」が控える。