御園座ってどんな劇場？

愛知県名古屋市中区栄にある劇場。車いすスペースを含む座席数1302の大劇場で、1階に780席と車いすスペース4席、2階に512席と車いすスペース3席が設けられている。

1896年6月、名古屋の劇場として初の株式組織・名古屋劇場株式会社御園座が創立され、1897年5月、市川左團次一座によるこけら落とし興行が行われた。その後、災害にて劇場が焼失するも復興を果たし、1995年6月に創立100周年、1996年に開場100年を迎える。2018年4月には新生御園座が開場した。現在は、歌舞伎、松竹・東宝製作による演劇作品、吉本新喜劇、宝塚歌劇団の公演などが多く上演されている。

御園座

御園座　公式 (@misonoza1896) | Twitter

「からしコウテイ」が名古屋初上陸！
からし蓮根×コウテイが御園座で見せる、結成10年目の輝き

──NSC吉本総合芸能学院大阪校35期の同期であるからし蓮根とコウテイのお二組は、2018年からユニットライブ「からしコウテイ」を行っています。公私共に親交が深い2組による「からしコウテイ」ですが、このユニットライブを始めようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか？

九条ジョー（コウテイ）　同期の中で高め合っていけるのが伊織だったので、一緒にユニットをやろうと思って。

伊織（からし蓮根）　なんで俺やねん。

杉本青空（からし蓮根）　俺わい！

──ははは！ 「からしコウテイ」は大阪・よしもと漫才劇場を中心に定期的に開催されている人気公演ですが、「からしコウテイ」らしさはどのようなところにあると思われますか？

九条　オープニングの即興コントですかね。ウケたりスベったりムラがあるんですが、僕らの良いところも悪いところもオープニングにすべて詰まってるんじゃないかと思います。

伊織　オープニングで盛り上がらなかったら、そこから下がっていくだけっていう（笑）。

九条　ボブスレーと一緒やな。初動が良いとガーッといけるし。

青空　ボブスレーってそうなん？

九条　知らん。

一同　（笑）。

九条　カーリングと一緒ですね。最初が良かったらそのままスーッといけるから。

青空　カーリングってそうなん？

九条　知らん。とにかくオープニングが見どころですね。あとは、普段やらないような特殊なコーナーも用意しているので、コーナーも楽しんでいただけたらと思います。

下田真生（コウテイ）　ほかのユニットはどうかわからないんですけど、「からしコウテイ」では作家さんを交えずに4人だけで毎回会議をして、コーナーで何をやるか決めてるんです。僕ら4人のやりたいことをやって、小さいテレビ番組を作っているような感覚ですね。例えるなら、祭事前に開かれる民族の会議みたいな。アラビア系の方とかはそういう感じでやってると思うんですけど。

青空　アラビア系の方ってそうなん？

下田　知らん。

青空　知らんのかい！ なんやねんこの流れ。

九条　言わずもがなネタは面白いですよ。関西で賞レースを獲ってる2組ですから。今回は名古屋の大きな会場でやらせていただけるということで、特に気合いが入ってます。

──お二組共、御園座の舞台に立たれた経験がありますが、御園座という劇場、ひいては名古屋にどのような印象を持っていますか？

伊織　確か御園座の近くに公園あるよね？ ロケットが置いてある公園。

九条　あるある。

──御園座から徒歩約5分、白川公園の中にある名古屋市科学館ですね。

青空　僕らは以前、オール阪神・巨人師匠の御園座公演に出演させていただいたことがあって。

伊織　オール阪神・巨人師匠の結成100周年公演。

下田　芸歴100周年やったらバケモンやんけ！

青空　御園座のほかにも名古屋の劇場に出させていただくことがあるんですけど、名古屋のお客さんはめっちゃ温かいのですごくやりやすいです。

九条　関西や関東から見ると、名古屋って中間にあるじゃないですか。名古屋のお客さんには「俺らのところを経由しないと東京にも大阪にも行かせないぞ！」みたいな気概を感じます。

──「からしコウテイ」は東京でも開催されたことがありますが、東京と大阪でお客さんの反応は違うものなのでしょうか？

九条　そうですね。「からしコウテイ」は大阪でずっとやっているユニットライブなので、大阪公演には濃いお客さんが集まってくれている気がするんですが、東京でやるときは「待ってました！」感というか、“お祭り感”があるかもしれないですね。

──人気公演「からしコウテイ」が名古屋に初上陸するということで、東海地域のお笑いファンの方も楽しみにされているのではないかと思います。今回は特にどのようなところに注目してほしいですか？

九条　僕の切なさ、伊織の大らかさ、下田の豪快さ、青空の結婚指輪ですね。

青空　俺だけモノやん！

九条　ネタ中に指輪キラーンってなるときあるやん。芸人にとって一瞬のきらめきって大事やし。

青空　嫌やで、そこだけ見られるん。

九条　何度も拍手笑いするくらい、楽しんでもらえると思います。

下田　普段とやることは変わらないので、「大阪でこういうことをやってます！」っていうのを名古屋のお客さんに観てもらって、面白いと思うなり面白くないと思うなり、自由な感想を持っていただけたら……と思ってません。

一同　ませーん。

──思ってないんですか!?

下田　名古屋に行ったら味噌カツを食べるじゃないですか。でも今回は味噌カツを食べたことがないような顔で漫才したいと思います。

──細かいところまでお客さんに伝わると良いですね（笑）。

下田　（笑）。お客さんには純粋に楽しんでもらえたらと思います。

伊織　僕的には、ユニバ（ユニバーサル・スタジオ・ジャパン）とディズニーランドを合わせたようなステージにできたら良いなと。

一同　いいやん。

青空　オープニングやコーナー中にみんなが暴れ回って、僕が苦悶の表情を浮かべているところに注目していただけたら（笑）。芸歴10年目にして、困っている姿を見てもらえたらと思います。

──2013年にコンビを結成されたお二組は、今年芸歴10年目を迎えました。10年目ではどのような躍進をしたいと考えているか、抱負を教えてください。

九条　2組共、ずっと同じコンビで芸人を続けてきたわけですけど、いろいろな舞台で吸収したことをちょっとずつ出せるようになってきて、円熟みが出てきたと思うんです。常に進化しつつも、初期衝動を忘れない。お互いにその気持ちでがんばってきました。10年目でしか見せられない輝きを御園座で出せたらと思うので、ぜひご期待ください。

下田　10年目ではあるんですけど、僕はお笑いについて考えてた時間はトータル1年くらいやと思うんですよ。ギャンブルばっかりしてるので、そのことを考えてる時間のほうが多くて。実質、芸歴1年目のようなものなので、1年目みたいな顔をして漫才しようと思います。1年目の顔をして漫才するか、3年目の顔をして漫才するかやったら、どっちが良いと思いますか？

──新鮮みがあるので1年目の顔が良いかなと（笑）。

下田　じゃあ1年目みたいな顔で漫才します！（笑）

──ははは！ 今後のご活躍を楽しみにしています。からし蓮根のお二人はいかがですか？

伊織　この10年でいろいろなものを得て、いろいろなものを失ったので（笑）、謙虚に一生懸命やって、ここからの10年でさらにいろいろなものを得ていきたいなと思います。

青空　そうですね。変わらないところは変わらず、信念を貫いて、これからも進化していきたいです。