ミュージカル「マタ・ハリ」柚希礼音×加藤和樹インタビュー|初共演の2人が語る“色気”の正体

ギャップにキュンキュンが止まらない!?

──柚希さんと加藤さんは初共演です。これまでのお互いの出演作品をどのようにご覧になっていましたか。

柚希礼音

柚希 加藤さんの出演作ではミュージカルは「1789―バスティーユの恋人たち―」(2016年)を観ています。「ロミオ&ジュリエット」(2013年)はティボルト役の加藤さんは観られなかったんです(悲しい顔で加藤を見る)。ストレートプレイの「罠」も観ました。男性でこの等身でロングコートも似合い、こんなにかっこいい方と組めるなんてとっても楽しみです。

加藤 プレッシャーです(笑)。

柚希 でもお話をするとかわいいところ、面白いところなど第一印象と違う“ギャップ萌え”がいっぱいあるので(笑)、どんどん知っていくのも楽しみです。加藤さんのこれまでのイメージは“月や神秘”でした。でも普段はそういう感じではなくって。

加藤 普段はその辺に転がっている石です。どこにでもあるような石(笑)。がっかりしますよ。先に言っておきます。

柚希 私自身も「思ってた人と違った!」と言われることもあるし実際そうなので、逆にそれがすごくよかったです。ますます……。

加藤 ますます、何?(笑)

柚希 ますます素敵だなと思いました(笑)。

加藤和樹

加藤 そのセリフをそっくりそのままお返しします(笑)。ビジュアル撮影のときにご挨拶させていただいて、トップスターですから「よろしく」(クールにすかした感じ)って言われるかと思ったら、明るく気さく。「なんてお呼びしたらいいですか?」と聞くと「ちえちゃん」って。かわいい!(笑) そのギャップがずるい。僕が初めて観たのは「バイオハザード~ヴォイス・オブ・ガイア~」。ちえちゃんは歌もダンスも上手で、お芝居もできる本当に素敵な女優さん。「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」では強い大人の先生を演じて、でも楽屋でお会いするととてもかわいい女の子(笑)。

柚希 ふふふ(笑)。

加藤 ギャップがある部分に自分と同じ匂いを感じます。きっといい関係を築けるんだろうな。ちえちゃんのかわいらしい部分もこれからどんどん引き出していきたいですね。

──初日を迎える年明けの頃には……。

加藤 それはもう稽古に入ったら距離感はゼロになると思いますよ。そんな予感はしています。

──2人の間にいい雰囲気が出ています。

左から柚希礼音、加藤和樹。

加藤 くれぐれも失礼のないようにします。行き過ぎたら言ってください。「そこちょっと違うよ」と(笑)。

柚希 本当にドギマギですよ! どんな顔をしたらいいやら(笑)。

加藤 とても女の子の顔をしていますよ。

柚希 あらま!(笑)

加藤 目がキラキラして印象的。吸い込まれそうです。これがいざ芝居と向き合ったときには、違う印象を受けるんだろうな。

──毎回ドキドキしちゃいそうですね。

加藤 キュンキュンしちゃう!(笑) おやじか、俺は!

──演出の石丸さち子さんとは初めてタッグを組む作品です。

柚希 宝塚を退団してから男性の演出家の方とご一緒することが多かったのですが、今をときめく女性の演出家の石丸さんとご一緒できるのはありがたい。女性の心情をとても細やかに作ってくださるでしょうし、相談もたくさん乗ってくださると思うので楽しみです。

加藤 僕も今回初めて石丸さんの演出を受けますが、友達が仲良くていろいろお話は聞いています。ビジュアル撮影のときに2役をやるための注意点についてお話して、信頼できて一緒に作り上げていけると思いました。僕の現場での理想は、ディスカッションできること。でも僕はどちらかというと待っているタイプ。それだけではダメだなと思うので、今回の現場では自分の意思表示をちゃんとしていきたい。バランスが大事ですよね。それは演出家との関係だけではなくて、役者同士でもディスカッションしていきたいなと思います。

色気の正体は生きる人間の輝き

──マタ・ハリは時代に翻弄されていきますが、マタ・ハリの色気の魅力も周りの男性を翻弄していきます。そもそも色気の正体とは、どのように捉えますか。セクシーな衣装も注目されています。

左から柚希礼音、加藤和樹。

柚希 韓国で「マタ・ハリ」を観たとき、露出が多いことよりも、女優が放つ輝きに色気を感じました。美しい表現が色っぽさになっていくんでしょうね。

加藤 色気って人間そのものだと思いますよ。その人自身が存在することで、自然に出てくるもの。マタ・ハリも時代に翻弄されながらも必死に自分自身の人生をまっとうして、その生命力が色気のオーラとなって周りを魅了していったのかな。セクシーさとは人間そのものですね。

柚希 本当にその通りだと思います(何度も頷く)。

加藤 もう僕たちツーカーですから!(笑)

柚希 (笑)。この作品は、そういうマタ・ハリの色っぽさの表現も大事になってきますが、ストーリーがしっかりして楽曲も素晴らしい。そして何より世界観が素敵な作品。切なくて苦しくて、だけどほんわか幸せな気分にもなる。お客様の心が動く作品にしていきたい。できるだけ多くの方に観ていただけるとうれしいです。

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ミュージカル「マタ・ハリ」
ミュージカル「マタ・ハリ」
2018年1月21日(日)~28日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
2018年2月3日(土)~18日(日)
東京都 東京国際フォーラム ホールC
  • 脚本:イヴァン・メンチェル
  • 作曲:フランク・ワイルドホーン
  • 作詞:ジャック・マーフィー
  • 訳詞・翻訳・演出:石丸さち子
  • 出演:柚希礼音、加藤和樹 / 佐藤隆紀(LE VELVETS)、東啓介 / 西川大貴、百名ヒロキ / 栗原英雄、和音美桜、福井晶一 / 遠山裕介、則松亜海、田村雄一 / 石井雅登、乾直樹、金子大介、木暮真一郎、後藤晋彦 / (以下五十音順)彩橋みゆ、石田佳名子、神谷玲花、彩月つくし、花岡麻里名、松田未莉亜、吉田理恵

柚希礼音(ユズキレオン)
柚希礼音
6月11日生まれ、大阪府出身。1999年に85期生として宝塚歌劇団に入団。雪組「ノバ・ボサ・ノバ」で初舞台を踏み、その後、星組に配属。2009年、星組トップスターに就任し、6年にわたりトップを務める。2015年5月に退団後もミュージカル、コンサートなど精力的に活動中。第30回松尾芸能新人賞、第65回文化庁芸術祭賞演劇部門新人賞、第37回菊田一夫演劇賞を受賞。退団後の主な主演舞台に「ミュージカル 『バイオハザード ~ヴォイス・オブ・ガイア~』」「お気に召すまま」などがあり、10月15日からはミュージカル「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」の大阪公演が控えている。
加藤和樹(カトウカズキ)
加藤和樹
1984年生まれ、愛知県名古屋市出身。2005年にミュージカル「テニスの王子様」跡部景吾役で脚光を浴び、舞台・ドラマ・映画・アニメ・ゲームなど多方面への出演で活動の幅を広げる。2006年にはミニアルバム「Rough Diamond」でCDデビューし音楽活動も精力的に行っている。主な出演舞台に「ロミオ&ジュリエット」「No.9-不滅の旋律-」「真田十勇士」「ハムレット」「フランケンシュタイン」「罠」など。10月8日からは「レディ・ベス」、2018年4月には小池修一郎潤色・演出「1789―バスティーユの恋人たち―」の開幕が控えている。