演劇界の脚本家・演出家とよしもとの所属タレントを掛け合わせる試みを、2019年からスタートさせた神保町花月。実際に1月からはどのような作品が上演され、今後はどのような企画が展開していくのか、月ごとに紹介していこう。
まず1月は、須貝英が脚本・演出を手がけ、RUN&GUNの宮下雄也と永田彬らが出演した「それから」で幕開け(参照:宮下雄也×須貝英、“アクティブリーディング”で夏目漱石「それから」に挑む)。須貝は夏目漱石の同名小説を原作とするこの作品で、自身考案の“アクティブリーディング”という、シーンごとに演技とリーディングに切り替える演出を採用し、すべてを具体的に表現しないことで観客の想像力を掻き立てた。
2月には男女の悲恋を描いた「莫逆の犬」が、ONEOR8・田村孝裕の脚本・演出で上演された(参照:宮下雄也が体当たりで挑む“出られなくなってしまう男”、田村孝裕「莫逆の犬」)。今回の上演では、08年にONEOR8公演として初演された際、ココリコ・田中直樹が演じた“訳あり”の主人公役に、「それから」にも出演した宮下が挑んだ。この座組の発起人であり出演者でもある板尾創路の「若手にいつもと違う雰囲気の中でものを作ってもらえたら」という思いの通り、本作で田村は、宮下から陰のあるキャラクターという新たな一面を引き出した。
3月には、“上半身裸にネクタイとハット”の出で立ちでおなじみ、パフォーマンス集団・おしゃれ紳士が、2700のツネとコラボレートしたオムニバス茶番劇「オシャレ紳士の時間泥棒」を繰り広げ、客席を熱気で包んだ(参照:上半身裸の男たちが贈るオムニバス“茶番劇”「オシャレ紳士の時間泥棒」開幕)。
そして4月のしずる×□字ック「演劇♡顧問」以降も注目の公演がラインナップされた。5月には福田転球と山内圭哉による即興コンビ・2Cheatが登場する(参照:山内圭哉と福田転球のコンビ復活、13年分の“進化”を見せる90分「2Cheat4」)。本企画で13年ぶりに復活する2Cheatは、「演劇人からの“お笑いアプローチ”で作品を立ち上げる」と意気込む。6月にはナカゴーの鎌田順也による新作が披露される(参照:ナカゴー鎌田順也×神保町花月、詳細明らかに!登場人物は“全員予言者”)。登場人物が“全員予言者”という設定の本作には、ライスとサルゴリラたちが出演予定だ。さらに8月には、“白目漫才”で知られるお笑いコンビ・ピスタチオがW主演を務める20歳の国・竜史の新作、少し間をおいて12月にはSUGARBOYの川尻恵太が、なだぎ武、宮下らと立ち上げる新作が控える。今後も神保町花月のラインナップから目が離せない。
皆さんが普段観ている舞台の裏側を是非とも神保町の舞台でその目にして頂きたいです!