「舞台『青の祓魔師』島根イルミナティ篇」特集 北村諒インタビュー|1年の時を経て再び挑む、奥村燐への思い

サタンの息子でありながら、悪魔を祓う祓魔師(エクソシスト)を志す奥村燐と、その双子の弟・奥村雪男を中心に描いた加藤和恵のマンガ「青の祓魔師」。2012年に舞台化され、昨年16年には北村諒、宮崎秋人らを迎えた新たなシリーズが幕を開けた。ステージナタリーでは、前作「京都紅蓮篇」に続き、今年10月の新作「島根イルミナティ篇」で奥村燐役を務める北村にインタビュー。原作ファンの北村が語る、「青エク」の魅力とは? 前作を振り返りながら、新作、そして自身が演じる燐に対する思いを語ってもらった。なお奥村雪男役を演じる宮崎のインタビューも近日公開予定だ。

取材・文 / 興野汐里 撮影 / 金井尭子

燐を演じたことは非日常的な体験

──昨年8月に上演された前作「京都紅蓮篇」について、まずお伺いできればと思います。出演が決定した際、「『青エク』はすごく好きな作品」とコメントされていましたね。(参照:「青の祓魔師」が北村諒、宮崎秋人で新たに舞台化!京都紅蓮篇、8月に上演

北村諒

そうですね。アニメは観ていたのですが、マンガに関しては出演が決まってから全部読みました。

──原作ものの作品に出演される際、原作マンガやアニメなどを役作りの参考にされますか?

アニメの動きを参考にすることもありますが、僕は基本的にマンガのイメージを大切にしています。というのも、アニメの声優さんの声に影響されてしまうことがあるので。もしくは声を意識しないようにして観ることはありますね。

北村諒演じる奥村燐。

──北村さんは、「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺」の薬研藤四郎役や、「ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』~暁の調べ~」のサイ役など、クールな役どころを多く演じている印象がありますが、「青エク」で北村さんが演じる燐は、粗暴な面がありつつも、正義感が強く、心優しいキャラクターです。

普段の自分と燐は真逆の性格なので、刺激的で楽しかったですね。日常では出すことのない感情が出せる、というか自然に身体の中から出てくる。僕にとって燐を演じたことは、非日常的な体験だったなと思います。

僕はフワフワしてて、秋人はしっかり者

──演出の西田大輔さんとはこれまでに、Office ENDLESSやDisGOONieのプロデュース作品などでご一緒されています。「京都紅蓮編」のプレ稽古(参照:「青の祓魔師」北村諒&宮崎秋人がプレ稽古!西田大輔「2人の対照性が大事」)では、「西田さんのオリジナル作品の殺陣と、原作ものの舞台における殺陣との違いを楽しみたい」とおっしゃっていました。

北村諒

西田さんがつける殺陣自体はそんなに違いがなかったんですが、西田さんの殺陣で、かつキャラクターを演じるというのが初めてだったので、「燐だったらどんなふうに斬るだろう」「燐だったらもっと大ぶりに刀を振るかな」と試行錯誤しながら稽古に臨めたのが新鮮で楽しかったです。

──燐の双子の弟・奥村雪男を演じる宮崎秋人さんとは、舞台や映像作品をはじめ、松田凌さんを交えた3人組音楽ユニット・Unknown Number!!!などでも共演されています。燐と雪男は一見すると正反対な性格ですが……。

宮崎秋人演じる奥村雪男。

燐は快活で、対する雪男は冷静沈着。僕がフワフワしているぶん、秋人がしっかり締めてくれるので、そういう意味では燐と雪男の関係と似ているというか、バランスが取れているのかもしれません。秋人とは普段からよく遊んでますね。稽古終わりにゲームをしたり、サバゲー(サバイバルゲーム)に行ったり。一緒にやっているうちに、いつの間にか秋人もサバゲーにハマってて(笑)。

──「島根イルミナティ篇」の上演が決まってから、宮崎さんとは何かお話されましたか?

「次もよろしくね」みたいなLINEをしたような……(履歴を遡って)してないですね!(笑) あ、でも、キャスト表を見て、真っ先に(神木)玉雲役の田中良子さんに連絡しました。

──田中さんとは、2015年に上演されたOffice ENDLESS produce vol.20「RE-INCARNATION RE-SOLVE」など、西田さんが手がけた作品で共演されています。

良子さんとまたご一緒できることもそうですが、この「青エク」で共演できることが何よりうれしい。前作の「京都紅蓮篇」では伽樓羅の声を担当してくださっていたんですが、今回やっと舞台上で共演できるのですごく楽しみです。

奥村雪男役 宮崎秋人インタビューはこちら
「舞台『青の祓魔師』島根イルミナティ篇」
舞台「青の祓魔師」島根イルミナティ篇

2017年10月20日(金)~29日(日)
東京都 Zeppブルーシアター六本木

2017年11月2日(木)~5日(日)
兵庫県 新神戸オリエンタル劇場

原作・脚本協力:加藤和恵(集英社「ジャンプスクエア」連載)
脚本・演出:西田大輔

キャスト

奥村燐:北村諒
奥村雪男:宮崎秋人

勝呂竜士:山本一慶
志摩廉造:才川コージ
三輪子猫丸:土井裕斗

杜山しえみ:松岡里英
宝ねむ:樋口裕太
朴朔子:小槙まこ

神木出雲:大久保聡美

ルシフェル:横田龍儀
親衛隊上官:稲村梓
外道院ミハエル:原勇弥

メフィスト・フェレス:和泉宗兵
神木玉雲:田中良子

ほか

北村諒(キタムラリョウ)
北村諒
1991年東京都出身。モデルとして活動する傍ら、2012年「闇の皇太子」で初舞台を踏み、14年「舞台『弱虫ペダル』インターハイ篇 The Second Order」の東堂尽八役で注目される。2016年には、松田凌、宮崎秋人と音楽ユニット・Unknown Number!!!を結成し、「キボウノヒカリ」でCDデビュー。また自身が声優を務めたスマートフォンアプリ「あんさんぶるスターズ!」の舞台作品「あんさんぶるスターズ!オン・ステージ」では、ゲーム版と同じく鳴上嵐役を演じた。そのほかの出演作に「舞台『青の祓魔師』京都紅蓮篇」「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺」「おそ松さん on STAGE ~SIX MEN’S SHOW TIME~」「Yè -夜-」「ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』~暁の調べ~」など。また2018年には、主演映画「爪先の宇宙」が公開される。

2017年9月28日更新