秋浜悟史の書籍出版記念パーティに、内藤裕敬らゆかりの面々が集う

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秋浜悟史「ある地方高校生の日記 一九五〇~一九五三」の出版記念パーティが去る11月28日に大阪府内にて開催された。

秋浜悟史「ある地方高校生の日記 一九五〇~一九五三」の出版記念パーティより、内藤裕敬。

秋浜悟史「ある地方高校生の日記 一九五〇~一九五三」の出版記念パーティより、内藤裕敬。

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秋浜悟史「ある地方高校生の日記 一九五〇~一九五三」の出版記念パーティより。

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1934年に岩手県渋民村で生まれ、2005年に死去した秋浜は、1967年に第1回紀伊國屋演劇賞、1969年に第14回岸田國士戯曲賞を受賞した劇作・演出家。1979年に大阪芸術大学舞台芸術学科講師に着任し、演劇教育者として多数の演劇人の育成に携わったほか、1994年に兵庫県立ピッコロ劇団が発足すると2004年まで劇団代表を務めた。本書には、そんな秋浜の岩手高校時代の日記が収録されている。また秋浜の生涯を、本人や関係者による著述、親類縁者への聞き取りなどからまとめた年譜や、いのうえひでのり、大石時雄、秋津シズ子、岩崎正裕橋本じゅん古田新太高田聖子、須川渡、内藤裕敬といった面々の寄稿も読むことができる。

秋浜悟史「ある地方高校生の日記 一九五〇~一九五三」の出版記念パーティより、小堀純。

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パーティの司会進行を務めた南河内万歳一座の鴨鈴女、荒谷清水は、テンポの良いやり取りで会を和やかに展開させる。まず、本書を手がけた編集代表の小堀純が登壇。小堀は「本書は秋浜先生の高校時代の日記、1950年4月から1953年3月までの日記が中心の本です。この日記の存在を最初に教えてくださったのが秋浜先生のお嬢さんの冴さんでした。『お父さんの日記があるから、これを本にしたい』と冴さんからご連絡いただいたのは確か2019年のことだと思います。日記の内容に衝撃を受けまして、これは本にしなくてはいけないだろうと思い、秋浜先生の一番弟子である南河内万歳一座の内藤裕敬さんに連絡したところ協力いただけることになり、さらに劇団☆新感線のいのうえひでのりさん、太陽族の岩崎正裕さんたちなどにご連絡などして本を作ることになりました。ただコロナがあり一旦中断しまして、その後、演劇関係の書籍を手掛けている出版社・松木工房の松木久木くんが一緒にやってくれることになり、昨年の冬から本格的に動き出して出版にこぎつけました」と出版までの経緯を語った。

秋浜悟史「ある地方高校生の日記 一九五〇~一九五三」の出版記念パーティ会場で展示された貴重な資料。(撮影:杉浦正和)

秋浜悟史「ある地方高校生の日記 一九五〇~一九五三」の出版記念パーティ会場で展示された貴重な資料。(撮影:杉浦正和)[拡大]

秋浜悟史「ある地方高校生の日記 一九五〇~一九五三」の出版記念パーティより、岩崎正裕。

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続けて刊行委員代表の内藤が登壇。「本が完成して感無量でございます」と切り出した内藤は「秋浜先生が恩師であることは間違いないのですが、一番印象に残っているのは、だいぶ飲ませてもらったな、ということ(笑)。今日はみなさんに集まっていただきまして、皆さんで盛大ににぎやかにお祝いしてくださいね」と来場者に呼びかけ、乾杯のあいさつを続けた。

その後、秋浜にゆかりのある面々が登壇。まずは秋浜の後輩に当たる、岩手中・高等学校同窓会「石桜同窓会」常任理事兼会長代理の赤澤従夫氏が、中高時代の秋浜のエピソードを披露した。そして秋浜の教え子たちが多い劇団☆新感線より、いのうえ、橋本、高田、古田がビデオメッセージを寄せた。

秋浜悟史「ある地方高校生の日記 一九五〇~一九五三」の出版記念パーティにビデオメッセージを寄せたいのうえひでのり。

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いのうえは「先生は一番演劇人として充実していた四十代後半に演劇教育のほうに軸足を置かれたので、先生のお芝居の面白さ、演劇陣としての一般的な知名度が同時代の演劇人に比べるとちょっと低かったりします。そういう話が出るたびに、『先生はすごいのにな』という悔しい面を感じたことがあったので、この本をきっかけにいろいろな演劇人、演劇好きに先生の創作について知らしめられたらと思います」と話す。

橋本は、蜷川幸雄や奈良岡朋子と仕事をした際、秋浜の話で盛り上がったことを明かし、「秋浜先生の影響って本当にすごいんだなと思いました」としみじみ語った。高田は「先生の青春時代の、なんとも可愛らしい日記をたくさんの人に読んでもらえるのはいいことじゃないかと思います。すごく素敵な本になったと思います」と話す。古田は仕事の都合で会場に駆けつけられなかったことを詫びつつ「会場で秋浜先生の悪口を肴にお酒を飲みたかったんですけどね。皆さんガンガン飲んで騒いでください」と語って会場を和ませた。

秋浜悟史「ある地方高校生の日記 一九五〇~一九五三」の出版記念パーティより、岩崎正裕。

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秋浜悟史「ある地方高校生の日記 一九五〇~一九五三」の出版記念パーティより、秋浜冴氏。

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続けて福岡女学院大学人文学部准教授の須川、巻末の「秋浜悟史 年譜」を手掛けた劇作・演出家の三枝希望、演出家の秋津、劇団太陽族の岩崎が恩師との思い出を語った。最後は秋浜の娘である秋浜冴氏があいさつ。「これを機に、父の作品に改めて触っていただき、もし再び機会があれば上演などの機会を持っていただけたらと思いますので今後ともよろしくお願いいたします」と話してパーティを締め括った。

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