年を取れば“避けては通れない選択”…伊藤毅のやしゃご「アリはフリスクを食べない」開幕

やしゃご「アリはフリスクを食べない 2024」が、11月14日に東京・劇場MOMOで開幕した。

やしゃごは、青年団に所属する俳優・伊藤毅による演劇ユニット。「アリはフリスクを食べない」は、やしゃごの前身である伊藤企画の第1回公演として、2014年に初演された。今回は、同作がブラッシュアップして再々演される。東京都内郊外に建つ2DKのマンションに、知的障がい者の兄トモユキ、弟アユムが暮らしている。アユムの恋人の舞子、幼なじみの西の協力を得て、兄弟は平和に生きていたが……。

出演者には、やしゃご作品に初参加となる劇団俳優座の佐藤あかり、椎名慧都、小島颯太、青年団の石橋亜希子に加え、海老根理、かわいいコンビニ店員飯田さんの辻響平、青年団の井上みなみ、緑川史絵、佐藤滋、尾﨑宇内、藤谷みき、Mrs.fictionsの岡野康弘が名を連ねた。

開幕に際し、伊藤は「もう亡くなった僕の兄はいわゆる障がい者でした。僕は、きょうだいに障がいを持つ『きょうだい児』として生まれました。中学生、高校生、大学生、俳優になってからも、ずーっとほんのりぼんやりと考えていた気持ちを作品に出来たのは30歳の頃です」と述べ、「今回、再演を経て、僕が作・演出を始めて、10年目の再々演です。ヤングケアラーという言葉も浸透しましたが、この物語は、親族・兄弟・パートナーなどが年を取れば、『必ず避けては通れない選択』を取り扱っている点で普遍性があると思っています。作品に出てくるキャラクター、1人ひとりが主人公です。ぜひ多くの皆様に観て頂きたいと思います」と期待を込めた。

上演時間は約2時間10分で、公演は11月24日まで。