Noismトリプルビル「円環」近藤良平は新作でダンボール使用、50歳金森穣はNoism1との共演に期待

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Noism0 / Noism1「円環」の記者発表が、昨日11月13日に新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館で行われ、Noism国際活動部門芸術監督の井関佐和子、Noism芸術総監督の金森穣、ゲスト演出振付家の近藤良平が出席した。

Noism0 / Noism1「円環」記者発表より。左から金森穣、近藤良平、井関佐和子。

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Noism0 / Noism1「円環」記者発表より、近藤良平。

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「円環」は、今年20周年を迎えたNoismによるトリプルビル。演目には、近藤演出振付によるNoism1新作「にんげんしかく」、金森演出振付によるNoism0新作「Suspended Garden-宙吊りの庭」と、レパートリー「過ぎゆく時の中で」がラインナップされている。

Noism0 / Noism1「円環」記者発表より、井関佐和子。

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近藤がNoismに新作を振り付けるのは、2005年に初演された「犬的人生」以来、19年ぶりとなる。近藤は「恐ろしい月日が経っているのにもかかわらず、みんな当時と変わらずいる。公演タイトルの“円環”の通り、本当に戻ってきた感じ」と心境を述べる。自身が担当する「にんげんしかく」については「今、ダンボールにハマっているんです。モノを入れて運んだり、避難所の仕切りになったりするダンボールに親しみが沸いています。“にんげんしかく”というタイトルは『人間、四角』『人間史、書く』『人間、視覚』という言葉遊びで付けました。ダンボールと人間の風景を捉えた、不思議な作品になる予定です」と説明し、音楽については人間の声に似た音が出るダクソフォン奏者の内橋和久の音楽を用いることを明かした。また井関は、近藤にNoism1の新作を依頼した理由について「Noism1のメンバーは小さい頃から踊っているので、人間の本質に向き合う時間をなかなか持てていない。でも良平さんなら、Noism1のみんなにその時間を与えてくれるのではと思いました。クリエーションの様子をのぞくと、みんなとても楽しそうに笑っているのですが、やったことがないことをやることへの不安や恥ずかしさも垣間見えて、彼らにとって非常に有意義な時間になっていると思います」と話した。

Noism0 / Noism1「円環」記者発表より、金森穣。

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金森による新作「Suspended Garden-宙吊りの庭」では、Noism0の井関と山田勇気、元Noismメンバーの宮河愛一郎中川賢が、時を経て再集合する。井関はクリエーションを振り返り「十数年ぶりに相手に触れるとき、どう感じるかが怖かった。ですが最初に触れた瞬間から二十代だったあのときと同じでした。互いの癖も変わらないし、『また同じことやってる(笑)』と思ってしまう自分の感覚も変わらない。ただ、互いに経験を積んできたので、今はその解決方法をたくさん持っている。とても貴重な体験をしています」と頬を緩める。金森は「この4人ほど私を知る舞踊家はいないです。4週間のクリエーション期間を設けていたにもかかわらず、たった8日間でできてしまい、クリエーションとはこういうことなんだと感動を覚えました」と手応えを語り、「タイトルの“宙吊りの庭”は、劇場のメタファーです。外界から閉ざされ、守られたような空間で、時間が日常とは違う流れ方をする。そんな“宙吊りの庭”に、舞踊家たちが集い、別れていく作品になると思います」と説明した。なお本作では、トン・タッ・アンが音楽を手がける。

Noism0 / Noism1「円環」記者発表より。左から金森穣、近藤良平、井関佐和子。

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「過ぎゆく時の中で」は、2021年に「TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2021(サラダ音楽祭)」で初演された作品。今回は、“劇場版スペシャル”として異なる演出で立ち上げられる。金森は、初演時に本作に込めた思いについて「当時、Noismに所属していた外国籍の舞踊家たちがコロナ禍をきっかけに一斉に母国へ帰ってしまい、重大な局面では集団より個人を選ぶのが人間の性なんだということを感じました。それでも集団として互いに手をつないで明日を見ることの尊さを表現したい、という思いから生まれた作品です」と紹介し、「この20年で計160人くらいのメンバーがNoismを“通り過ぎて”いきました。それでも新潟市の文化政策に関わる方たちがこの事業の価値を信じてくれ、Noismは継続できてきた。“長い時の流れの中で今がある”ことを体感できる作品になった」と語る。また本作には金森自身も、Noism1のメンバーたちに交じって出演する。「Noism1のメンバーとこれだけ近距離で踊るのは初めて。私は今月で50歳になりますが、50を迎える舞踊家だからこそ、一緒にパフォーマンスすることで彼らに伝えられる、振付や指導とは別の、非言語の何かがあるだろうと期待しています」と言葉に力を込めた。

「Noism0 / Noism1『円環』」ビジュアル

「Noism0 / Noism1『円環』」ビジュアル[拡大]

公演は12月13日から15日まで新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場、22日に福岡・J:COM北九州芸術劇場 中劇場、来年2月1日に滋賀・滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 中ホール、7日から9日まで埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホールで行われる。チケットは新潟・滋賀・福岡公演が販売中で、埼玉公演が16日に一般前売りスタート。

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Noism0 / Noism1「円環」

2024年12月13日(金)~2024年12月15日(日)
新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場

2024年12月22日(日)
福岡県 J:COM北九州芸術劇場 中劇場

2025年2月1日(土)
滋賀県 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 中ホール

2025年2月7日(金)~2025年2月9日(日)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

スタッフ

Noism1「にんげんしかく」

演出振付:近藤良平

Noism0「Suspended Garden-宙吊りの庭」

演出振付:金森穣

Noism0+Noism1「過ぎゆく時の中で」

演出振付:金森穣

出演

Noism1「にんげんしかく」

三好綾音 / 中尾洸太 / 庄島さくら / 庄島すみれ / 坪田光 / 樋浦瞳 / 糸川祐希 / 太田菜月 / 兼述育見 / 松永樹志

Noism0「Suspended Garden-宙吊りの庭」

井関佐和子 / 山田勇気
ゲスト:宮河愛一郎 / 中川賢

Noism0+Noism1「過ぎゆく時の中で」

Noism0:金森穣
Noism1:三好綾音 / 中尾洸太 / 庄島さくら / 庄島すみれ / 坪田光 / 樋浦瞳 / 糸川祐希 / 太田菜月 / 兼述育見 / 松永樹志

公演・舞台情報
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※初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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