ミュージカル「レ・ミゼラブル」出演者が帝劇で歌唱披露、吉原光夫は“劇場愛”語る
2024年10月17日 4:00
16 ステージナタリー編集部
ミュージカル「レ・ミゼラブル」の製作発表記者会見が、昨日10月16日に東京・帝国劇場(以下帝劇)で開催された。
ヴィクトル・ユゴーの小説を原作としたミュージカル「レ・ミゼラブル」は、19世紀初頭のフランスにおける社会情勢や民衆の生活を描いた作品。1985年にイギリス・ロンドンで初演され、1987年に日本に初上陸した。なお現・帝劇は来年2月に、建て替えのため休館。今回は同劇場で最後の「レ・ミゼラブル」となる。
会見には報道陣に加え、約1万5000通の応募から選ばれたオーディエンス500名も来場。会見はキャストによる歌唱披露からスタートした。まずジャン・バルジャン役の飯田洋輔が「独白」をパワフルに歌うと、劇場は大きな拍手と歓声に包まれる。次はファンテーヌ役の昆夏美、生田絵梨花、木下晴香が、三重唱にアレンジされた「夢やぶれて」を披露した。
またアンジョルラス役の小林唯は、アンサンブルと共に「民衆の歌」を合唱して会場を盛り上げ、エポニーヌ役の清水美依紗、ルミーナは「オン・マイ・オウン」で力強い歌声を響かせる。最後にオールキャストが勢ぞろいして「ワン・デイ・モア」を歌唱すると、来場者から大きな拍手が起きた。
その後ステージに改めて出演者たちが登場した。アンジョルラス役の木内健人は「前回公演はコロナ禍の最中で公演中止もあった。今年は全公演まっとうしたい」、同じくアンジョルラス役で初参加の小林は「現・帝劇は残念ながら間もなく解体されてしまうので、本番では劇場をぶち壊す勢いで歌いたい」と口にする。またアンジョルラスとアンサンブルを兼任する岩橋大は「未知数な部分が多いけど、できることを最大限にやって楽しみたい」と笑顔を見せた。
コゼット役を務めるのは加藤梨里香、敷村珠夕、水江萌々子。加藤は「コゼット役は2度目ですが、改めて一番緊張する舞台だと感じます。お二人と支え合って精一杯務めたい」と敷村、水江に視線を送る。敷村は「歴史ある作品の一部になれるようお稽古に向き合います」、ミュージカル初出演の水江は「私自身もたくさんの愛に支えられてきたので、それを糧に愛あふれるコゼットを演じたい」と抱負を述べた。
エポニーヌ役を担うのは、3度目の出演となる屋比久知奈、初参加の清水、韓国版「レ・ミゼラブル」で同役を務めたルミーナ。屋比久は「まっさらな気持ちで臨みます。新しい2人のエポニーヌに刺激をもらいたい」と意気込みを語る。清水は「ドキドキしますが、歴史ある作品に関われてうれしいです」、ルミーナは「大好きな作品でエポニーヌを務められること、素敵な先輩方とご一緒できることが光栄です」と胸の内を明かした。
マリウス役の三浦宏規は「初出演のとき僕は十代でしたが、気付けば今回は(マリウス役の中で)一番のお兄さん。当時を思い出し、2人に何か伝えられたら」と感慨深そうな表情を浮かべる。初参加の山田健登は「本番までやるべきことをやり、成長して皆さんの前に立ちたい」と言葉に力を込めた。また中桐聖弥は「このカンパニーに入れてありがたい。不安もありますが、自分らしいマリウスを演じたい」と顔を輝かせた。
マダム・テナルディエ役を1997年から演じてきた森公美子は「またオーディションに受かってしまった」と共演者たちを笑わせる。また帝劇のクローズにちなみ、森が劇場の思い出を語る場面も。森がミュージカル「イーストウィックの魔女たち」内のフライングシーンを挙げ、「私だけ落ちそうになるという演出があり、私の下のお客様が『ギャー!!』と悲鳴を上げていた」というエピソードを明かすと、会場にはひと際大きな笑いが起きた。同じくマダム・テナルディエ役の樹里咲穂は「前回より欲深さを増大させてお客様を楽しませたい」と気合十分に言い、谷口ゆうなは「28歳でマダム・テナルディエを初めて演じてから、10年以上作品に関われていて幸せです」と心境を述べた。
テナルディエ役は駒田一、斎藤司、六角精児、染谷洸太のクワトロキャスト。別作品への出演のため、ひと足早く退場した駒井は「今日はお先に失礼しますが、ここで1曲。“またあたしひとり 行くところもないわ……”、では博品館劇場に行ってまいります!」と「オン・マイ・オウン」の歌詞を引用し、拍手を浴びながらステージを去った。3度目の出演となる斎藤が「“後輩”が育ってきたので、六角くんと染谷くんを指導していく」「横隔膜を4枚ほど増やし、パワフルな声量で立ち向かいたい」とジョークを交えてコメントすると、六角は「『お客様の記憶に残る舞台にしたい』という気持ちで、斎藤さんについていきます」と続ける。過去にアンサンブルとして本作に出演した染谷は「二十代の頃からテナルディエを演じてみたかった。先輩方から学びつつ楽しみたい」と斎藤、六角に笑顔を向けた。
昆、生田、木下はいずれもファンテーヌ役に初挑戦。昆は過去にエポニーヌ役を演じたことに触れながら「同じ作品で違う役を演じるのは初めて。3人でファンテーヌを作っていきたい」と話す。コゼット、エポニーヌに続く3役目となる生田は「初めて帝劇に立ったのはコゼットを演じたときでした。クロージング公演の舞台をファンテーヌとしてしっかり踏みしめたい」と言葉に力を込める。初出演の木下は「合格の連絡をもらったとき、『私ってこんなにレミゼの世界で生きてみたかったんだ』と実感した。ファンテーヌの人生に、覚悟を持って飛び込みます」と決意を表明した。
ジャベール役を務めるのは、伊礼彼方、小野田龍之介、石井一彰。伊礼は「この2年はポップス調の楽曲を多く歌ってきたので、久々にレミゼの歌稽古に参加したら軽量級からヘビー級に挑戦しているような感覚になった。新しいジャベールを見せられるようがんばります」と話す。過去にアンジョルラスを演じた小野田は「間違えてアンジョルラスのパートを歌いそうになる」と苦笑いしつつ、「偉大な作品にまた異なる役柄で挑める。興奮と共に身が引き締まります」と。また過去にフイイ役を務めた石井は「誠実にジャベールを演じていきたい。ぜひ応援をよろしくお願いします」と観客にメッセージを送った。
ジャン・バルジャン役に初挑戦する飯田は「歌稽古で皆さんの声を聴いて、誰一人として手を抜かずに作品に向き合う姿を目の当たりにした。ご縁をいただいたので、作品の言葉を信じてジャン・バルジャンを演じたい」、3度目のジャン・バルジャン役となる佐藤隆紀は「帝劇のクロージング公演というスペシャルなステージに立てることを誇りに思います。お客様の人生にとってメモリアルな舞台になるよう、魂を込めて届けたい」と思いを口にする。
吉原光夫は初めてジャン・バルジャンにキャスティングされた際に、帝劇で行われた製作発表で「独白」を歌ったことを「宇宙に飲み込まれたような気持ちになり、以来この劇場が嫌いになってしまった」と苦笑いで回顧する。吉原は「この作品は演じるたびに怖さ、苦しさを感じる」「ジャン・バルジャンは正しい人であろうとするけど、それはしんどいこと。でも人は楽がしたくて生まれるわけではないし、ラストには浄化され、救われる役でもある」と言い、「きっと僕は、本当は帝劇もレミゼも大好きなんです(笑)。劇場と“仲直り”してこの公演を終えられたら」と結んだ。
ミュージカル「レ・ミゼラブル」は、12月16日から19日までのプレビュー公演を皮切りに、2月7日まで帝劇で上演され、その後は3月から6月まで大阪・福岡・長野・北海道・群馬を巡演する。
ミュージカル「レ・ミゼラブル」帝劇クロージング公演が始動!キャストが歌声を披露、吉原光夫は“劇場愛”語る
ミュージカル「レ・ミゼラブル」2024・2025年公演
2024年12月16日(月)~2025年2月7日(金)
東京都 帝国劇場
2025年3月2日(日)~2025年3月28日(金)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
2025年4月6日(日)~2025年4月30日(水)
福岡県 博多座
2025年5月9日(金)~2025年5月15日(木)
長野県 まつもと市民芸術館
2025年5月25日(日)~2025年6月2日(月)
北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru
2025年6月12日(木)~2025年6月16日(月)
群馬県 高崎芸術劇場
スタッフ
原作:ヴィクトル・ユゴー
作:アラン・ブーブリル / クロード=ミッシェル・シェーンベルク
作詞:ハーバート・クレッツマー
オリジナル・プロダクション製作:キャメロン・マッキントッシュ
演出:ローレンス・コナー / ジェームズ・パウエル
翻訳:酒井洋子
訳詞:岩谷時子
出演
ジャン・バルジャン:吉原光夫 / 佐藤隆紀 / 飯田洋輔
ジャベール:伊礼彼方 / 小野田龍之介 / 石井一彰
ファンテーヌ:昆夏美 / 生田絵梨花 / 木下晴香
エポニーヌ:屋比久知奈 / 清水美依紗 / ルミーナ
マリウス:三浦宏規 / 山田健登 / 中桐聖弥
コゼット:加藤梨里香 / 敷村珠夕 / 水江萌々子
テナルディエ:駒田一 / 斎藤司 / 六角精児 / 染谷洸太
マダム・テナルディエ:森公美子 / 樹里咲穂 / 谷口ゆうな
アンジョルラス:木内健人 / 小林唯 / 岩橋大
青山瑠里 / 新井海人 / 荒居清香 / 五十嵐志保美 / 石井麻土香 / 石津秀悟 / 石丸椎菜 / 伊藤広祥 / 岩橋大 / 宇山玲加 / 大泰司桃子 / 大津裕哉 / 笠行眞綺 / 鎌田誠樹 / 菊地創 / 北村沙羅 / 吉良茉由子 / 小林遼介 / 湖山夏帆 / 近藤真行 / 佐々木淳平 / 柴原直樹 / 島崎伸作 / 清水咲良 / 白鳥光夏 / 杉浦奎介 / 田川景一 / 丹宗立峰 / 土倉有貴 / 中村翼 / 西村実莉 / 般若愛実 / 東倫太朗 / 深堀景介 / 藤岡義樹 / 増原英也 / 増山航平 / 町田慎之介 / 町屋美咲 / 松村桜李 / 三浦優水香 / 三島早稀 / 宮島朋宏 / ユーリック武蔵 / 横田剛基 / 横山友香 / 吉岡花絵 / 蘆川晶祥
ガブローシュ:アッカヤ陽仁 / 大園尭楽 / 中井理人
リトル・コゼット:荒川寧音 / 井澤美遥 / 井手陽菜乃 / 内夢華 / 鞆琉那 / 平山ゆず希
※12月16日から19日まではプレビュー公演。
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福田 雄一 @fukuda_u1
やっぱりレミゼに出るってのはミュージカル女優としての誉れなんだろうなあ😌あの忙しい濱めぐさんが「どうしてもレミゼにだけは出たかった!」って言ってたもんなあ😌みーしゃちゃん、エポニーヌ、おめでとう!😊絶対観に行きます!😊 https://t.co/zn6apMXEVL