これは1971年にアメリカで公開された映画「ハロルドとモード/少年は虹を渡る」をもとに、
劇中では自分らしく生きる79歳の女性モードと、愛に飢えた19歳の少年ハロルドのラブストーリーが展開。真逆の死生観を持つ二人は、共通の趣味である“赤の他人のお葬式への参列”で何度か顔を合わせたことで、仲を深めていく。生きることの楽しさをモードから学んだハロルドは、モードの80歳の誕生日パーティを開くが……。
舞台には書見台を備えた6台の机が置かれ、その奥の椅子に演者たちが座っている。物語は基本的に、出演者が台本を朗読する形で展開するが、キャストの表情豊かな演技により、さまざまな情景が舞台に立ち上がっていく。ハロルドがモードにいざなわれて木に登る場面では、
モードは、教会の聖母マリアの絵にらくがきをしたり、他人の車を平気で盗んだりする、破天荒でバイタリティにあふれる79歳。黒柳はそんなモードを、生き生きとした語り口と、いたずらっぽい笑顔で可愛らしく演じる。またハロルドは、自家用車を霊柩車に改造したり、さまざまな装置を自作して狂言自殺を繰り返したりする人物。松島は、板谷演じるハロルドの母親や自分自身に無表情のまま拳銃を向ける姿で、ハロルドが抱える危うさや悲しみを表す。その一方、モードと出会ったハロルドが生きる楽しさを発見していく後半では、屈託のない笑顔で観客を惹き付けた。
ゲネプロ後に行われた囲み取材には、黒柳と松島が出席した。5度目の「ハロルドとモード」となる黒柳は「毎回お相手が違いますし、今回も新鮮な気持ちで演じています」とコメント。モードについて黒柳は「この舞台では19歳のハロルドと79歳のモードが恋をします。私がそんなに若い人と恋愛することはないと思うけど、でも演じていると『こういうのも素敵』と思っちゃうこともある(笑)。だから私とモードには近しいところがあるかもしれません」と話した。
松島は出演に際し、過去にハロルド役を演じた生田にアドバイスをもらったという。松島が「斗真くんの『心の底から徹子さんを愛してください!』という言葉が響いた」と明かすと、黒柳は「あら! (生田に)よろしく言っておいてね」と照れたように笑い、記者を和ませた。
松島は、過去に同役を演じたtimeleszの佐藤勝利からも「聡ちゃんらしくやったら?」と助言を受けたことに触れながら、「僕にもハロルドのように誰かに認められたいという気持ちがある。孤独なハロルドは少年と青年の狭間を生きているので、自分が19歳だった頃を思い出しています」とハロルドの役作りを語る。また劇中でギターを演奏するシーンがあることに触れ、松島は「(timeleszの)ツアー中に勝利がバックヤードでギターを教えてくれた。これからも続けたい」と瞳を輝かせた。
松島の印象を尋ねられた黒柳が「ハロルドに合っています。あなた、人の言うことをちゃんと聞くでしょう?」と言うと、松島は「はい、心がけています」と回答。これを受けた黒柳は「そうですよね。ハロルドも彼もそんな感じです」と笑いを誘った。松島は黒柳について「固定概念に縛られていないところがモードらしい」とコメント。また黒柳の“キュンとする一面”について質問された松島は、「僕が稽古場で自分用に持参したグミを食べていたら、徹子さんが『1ついただける?』とおっしゃったので袋ごと差し上げたら、いつの間にか完食されていました。『徹子さん! 僕の分も残しておいてほしかった!!』って思いましたけど(笑)、徹子さんがお食事されている姿はとても気持ちが良くてチャーミングなんです」と黒柳に視線を送る。松島の発言を聞いて黒柳は「歯応えがあるグミでおいしかった。いろいろなお味があるそうだから、“探検”してみたい」と笑顔を浮かべた。
最後に黒柳は「何度やっても難しい作品ですが、何度やっても『良いなあ』と思いますし、毎回楽しみ。やはり私は舞台に立つことが好きです」と微笑む。また松島は「時代が作品の内容に追いついてきた」と言い、「ハロルドやモードの生きづらさに共感する人は多いはず。今の時代だからこそお客様の心に刺さるワードがたくさんある。徹子さんを愛し、5代目ハロルドとして一生懸命に生きたいと思います」と観客にメッセージを送った。
上演時間は約1時間40分で、東京公演は10月10日まで。また17日から21日まで大阪・森ノ宮ピロティホールでも上演される。なお深川、山崎、平田、板谷のコメントは以下の通り。
深川麻衣コメント
お話をいただいて、初めてこの「ハロルドとモード」という物語を知りました。読み進めていくうちに、作品のユーモアと、時折モードが口にする哲学的な言葉の深さや、美しくて軽やかな生き様に触れ、あっという間にこの物語の虜になりました。
この作品に参加できることをとても嬉しく思います。
今回、3役の女性をやらせていただくのですが、そちらも今までにない初めての経験なので、楽しみながら演じられたらと思います。
山崎樹範コメント
黒柳徹子さんとお会いすると不思議な気持ちになります。物心ついた頃からずっとテレビの中の人でした。
本で読み、ドラマで他の方が演じている物語の中の人でした。この作品でも徹子さんが演じるモードはそのまま徹子さんでありモードであります。
物語と現実が同居している稀有な存在。だからお会いすると不思議な気持ちになるんだと思います。
そしてその後は必ず幸せな気持ちになるんです。ご覧頂いた貴方もきっと同じ気持ちになると思います。
平田満コメント
若い頃、映画を見た時には愛らしく思えたのが、台本を読んでみて、もっと深い、暖かいものがあると気づきました。
自分がハロルドよりもモードに近い年になったからかもしれません。
ハロルドとモードの恋物語でもあり、自由をたたえる賛歌でもあるのですが、なにより生きることは素晴らしいんだというメッセージを感じました。
このお話を、黒柳さんはじめ、スタッフ、キャストの皆さんが本当に大事になさっていて、毎日幸せを感じています。
板谷由夏コメント
初めての本読みのとき目頭が熱くなりました。
人が生きていくことそのことを考えさせられる物語だと感じます。
徹子さんが発する言葉たち
大事に箱に入れておきたいと思うような台詞が
いくつもあります。
このタイミングでこの作品を体験する意味があると思うのです。
ハロルドとモード「HAROLD AND MAUDE」
2024年9月26日(木)~2024年10月10日(木) ※公演終了
東京都 EX THEATER ROPPONGI
2024年10月17日(木)~2024年10月21日(月) ※公演終了
大阪府 森ノ宮ピロティホール
スタッフ
作:
上演台本・演出:
音楽・演奏:
出演
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蒼空(そら)✩timelesz&I_AM_U🫶 @blue_rose031394
聡ちゃん💚ビジュ素敵✨
徹子さんとことん愛してください🫶
やりたかったことが叶って良かった。。
きっと素晴らしい想い出になるね☺️
応援してるよ⤴️
#松島聡 https://t.co/cQSdiOpTEv