宝塚歌劇雪組「ベルサイユのばら」東京へ、彩風咲奈が語る思い「夢の続きを見ている」

28

237

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 54 141
  • 42 シェア

宝塚歌劇雪組「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編- ~池田理代子原作『ベルサイユのばら』より~」の東京・東京宝塚劇場公演が、明日8月31日に開幕。これに先駆けて本日30日に、公開舞台稽古と囲み取材が行われた。

宝塚歌劇雪組「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編- ~池田理代子原作『ベルサイユのばら』より~」公開舞台稽古より。

宝塚歌劇雪組「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編- ~池田理代子原作『ベルサイユのばら』より~」公開舞台稽古より。

大きなサイズで見る(全8件)

「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編- ~池田理代子原作『ベルサイユのばら』より~」は、池田理代子のマンガ「ベルサイユのばら」をもとにした作品。脚本・演出を植田紳爾、演出を谷正純が手がけ、本作が退団公演となる雪組トップスター・彩風咲奈と、トップ娘役の夢白あやが主演を務める。

本作では革命の火が燃え上がるフランスを舞台に、フランス王妃マリー・アントワネット(夢白)の恋人にして、スウェーデンの伯爵であるフェルゼン(彩風)を中心に、男装の近衛隊隊長オスカル(朝美絢)や、その幼なじみアンドレ(縣千)も絡めたストーリーが描かれる。

宝塚歌劇雪組「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編- ~池田理代子原作『ベルサイユのばら』より~」公開舞台稽古より。

宝塚歌劇雪組「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編- ~池田理代子原作『ベルサイユのばら』より~」公開舞台稽古より。[拡大]

劇中では群舞や立廻りを交えながら、スピーディーに物語が展開する。フェルゼンとマリー・アントワネットが愛を確かめ合うシーンでは、舞台中央にバラを模した大きなピンク色の舞台装置が。バラが花開くと、中からピンクの衣裳をまとったフェルゼンとマリー・アントワネットが現れ、息の合ったダンスを見せた。

彩風は、聡明で心優しいフェルゼンが、マリー・アントワネットへの恋心に突き動かされる様子を熱く演じ、フランス革命を経て友人たちを失ったフェルゼンの切ない思いを、力強く歌い上げて観客の涙を誘う。夢白は、少女のようなマリー・アントワネットが、自身の子供たちへの思いからフランス王妃として生きようと決心するさまを、力強い歌声と表情で表現した。

宝塚歌劇雪組「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編- ~池田理代子原作『ベルサイユのばら』より~」公開舞台稽古より。

宝塚歌劇雪組「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編- ~池田理代子原作『ベルサイユのばら』より~」公開舞台稽古より。[拡大]

宝塚歌劇雪組「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編- ~池田理代子原作『ベルサイユのばら』より~」公開舞台稽古より。

宝塚歌劇雪組「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編- ~池田理代子原作『ベルサイユのばら』より~」公開舞台稽古より。[拡大]

次期トップスターの朝美は、オスカルを華やかに、凛々しく演じて観客を魅了。オスカルがアンドレと心を通わせるシーンでは、ためらいながらもアンドレに触れる仕草でオスカルの感情を繊細に表現した。また頼もしく誠実なアンドレ像を立ち上げる縣の演技にも、ぜひ注目しよう。

左から彩風咲奈、夢白あや。

左から彩風咲奈、夢白あや。[拡大]

舞台稽古のあとには、彩風と夢白の囲み取材が行われた。宝塚歌劇「ベルサイユのばら」がきっかけで入団を志したという彩風は「7・8月の宝塚大劇場公演でも、舞台に立つたびに『宝塚に入って良かったな』と感じてきました。客席から伝わる、お客様の“作品愛”にも背中を押していただいています」と言葉に力を込める。夢白は「上演決定から初日まですごく緊張していました。でもこの素晴らしい作品のおかげで、今は毎日楽しいです。東京公演にも新鮮な気持ちで取り組めたら」と意気込みを語った。

彩風咲奈

彩風咲奈[拡大]

夢白あや

夢白あや[拡大]

彩風は、2013年に宝塚歌劇雪組「『ベルサイユのばら』-フェルゼン編-」新人公演でフェルゼン役を務めた。このことを振り返り、彩風は「当時は壮一帆さんのフェルゼンをお手本に勉強させていただきましたが、まだまだ未熟だった私はフェルゼンのカッコいいところばかり見ていました。ですが今回、王妃様への愛がフェルゼンの強さであり弱さであるのだと気付いて。どれほどカッコいい人物にも弱さはあるのだと改めて感じ、今回は彼の弱さを大切に演じています」とコメント。また史実を学びつつ原作マンガを読んで役作りをしたと言う夢白は「マリー・アントワネットはとても愛にあふれる人物だと感じました」と述べる。また初演でマリー・アントワネットを演じた初風諄が本日の舞台稽古を観劇していたことを明かし、夢白は「初風さんにお会いできたうれしさを糧に、新たな気持ちで東京公演も務めたい」と瞳を輝かせた。

宝塚歌劇雪組「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編- ~池田理代子原作『ベルサイユのばら』より~」公開舞台稽古より。

宝塚歌劇雪組「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編- ~池田理代子原作『ベルサイユのばら』より~」公開舞台稽古より。[拡大]

フェルゼンがオスカルとの別れに思いを歌う新曲「セラビ・アデュー」について、彩風は「フェルゼンとしてはオスカルやアンドレ、バスティーユで散った人々への思いを込めています。ただ歌詞には私の宝塚への思いとリンクするところがあり、切なくもさわやかな気持ちで『私の中にあなたは生き続ける』『あなたの中に私は生き続ける』と歌っています」と感慨深げな表情を浮かべる。同楽曲をフィナーレで歌う夢白は「私たちは、1人で銀橋に立つ咲さん(彩風)の背中に向かって歌いながらいつも『咲さんの雪組愛を引き継いで、バトンを受け止めなくちゃ』と感じています」と彩風に視線を送った。

囲み取材では、彩風が改めて宝塚歌劇「ベルサイユのばら」への思いを述べる場面も。彩風は「男役や娘役、みんなの夢が詰まった作品」と言い、入団前はオスカルに憧れていたことを明かしながら「ブロンドの髪をした美しいオスカルが、女性でありながら男性として育てられたという設定も素敵。物語のすべてに夢が詰まっているなと舞台で感じていますし、ずっと夢の続きを見ている気持ちです」と微笑んだ。

上演時間は休憩30分を含む約3時間。公演は10月13日まで行われる。

この記事の画像(全8件)

宝塚歌劇雪組「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編- ~池田理代子原作『ベルサイユのばら』より~」

2024年7月6日(土)~2024年8月11日(日) ※公演終了
兵庫県 宝塚大劇場

2024年8月31日(土)~2024年10月13日(日)
東京都 東京宝塚劇場

スタッフ

脚本・演出:植田紳爾
演出:谷正純

出演

彩風咲奈 / 夢白あや

公演・舞台情報
全文を表示

読者の反応

タカラヅカ歌劇ポータル │ 宝塚歌劇・宝塚OG情報を発信中 @zukazuka_info

【公演 / 会見レポート】宝塚歌劇雪組「ベルサイユのばら」東京へ、彩風咲奈が語る思い「夢の続きを見ている」(舞台写真あり) https://t.co/kNKOwvyw6D

コメントを読む(28件)

宝塚歌劇団のほかの記事

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャのステージナタリー編集部が作成・配信しています。 宝塚歌劇雪組「宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編- ~池田理代子原作『ベルサイユのばら』より~」 / 宝塚歌劇団 / 彩風咲奈 / 夢白あや / 朝美絢 / 縣千 / 植田紳爾 の最新情報はリンク先をご覧ください。

ステージナタリーでは演劇・ダンス・ミュージカルなどの舞台芸術のニュースを毎日配信!上演情報や公演レポート、記者会見など舞台に関する幅広い情報をお届けします