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2016年に初演された「来てけつかるべき新世界」は、上田誠が第61回岸田國士戯曲賞を受賞した“SF人情喜劇”。大阪の新世界にある串カツ屋・きて屋を軸にした物語が展開する。会見ではまず、ヨーロッパ企画のメンバーがあいさつ。石田は「『来てけつかるべき新世界』はヨーロッパ企画の代表作です。またSkyシアターMBSさんで大阪の新世界を舞台にした作品を上演できるということで伝説確定、“デンカク”です!」と元気よく話して場を和ませた。酒井は「本作は、大阪の新世界にテクノロジーという名の新世界がやって来るという作品ですが、僕はテクノというテクノロジー側の役をやらせていただきます」と自己紹介。角田は「僕は前回と違い、ワカマツという役をやらせていただきます。金丸くん演じるキンジの父親役で、普段から金丸くんのことは息子のように可愛がっておりますので(笑)、バッチリかなと」と金丸に目線を送る。
諏訪は「僕はきて屋の常連で“トラックのおっさん”という役ですが、実はトラックという要素が一切出てこない(笑)」と明かす。土佐も「“パチンコのおっさん”役ですが、僕自身はパチンコは全然しないんです(笑)。ただ公演期間中は朝からパチンコに行って、その日の勝った / 負けたという気分のムラを劇に乗っけられたら」と話した。きて屋の隣町にあるラーメン香港の店主役を演じる中川は「初演のアンケートでは、“(名古屋出身の)中川と(宮崎県出身の)永野の関西弁が怪しかった”という指摘がありました(笑)。今回はそこに気をつけて演じたい」と意気込む。またきて屋を切り盛りする主人公・マナツ役を演じる藤谷は「大学生だった8年前に参加した作品で、8年後、劇団員として同じ役をやらせていただけるとは。8年前の自分に胸を張れるように、パワーアップしたものをお届けできるようにがんばりたいです」と話した。
続けて客演陣があいさつ。金丸は「初演を観に来てくれたお客さんに『こんな感じだったっけ? むっちゃおもろいやんけ!』と思っていただけるようにフレッシュに、そして元気よくお届けしたいと思います」とコメント。ヨーロッパ企画の本公演に初参加する町田は「これまでプロデュース公演などでヨーロッパ企画さんと関わらせていただいていましたが、初めて劇団公演に出していただけるということで、うれしくて泣きました」と明かす。岡田は「僕も今回初めて参加させていただきます。上田さんには30歳くらいの頃にテレビドラマの脚本を書いていただき、メンバーの方とは映像などで共演の機会も多いので『公演に出たい』と言ってきたのですが、今回やっとそれがかない、僕もトイレで泣きました(笑)」と語って笑いを起こす。板尾は第一声で「ここまで長いわ!」とツッコみ、「ザ・スズナリで初めてヨーロッパ企画の『ブルーバーズ・ブリーダーズ』を観て、いい意味で“こんなアホな劇団が京都におるんや!”と思ったんです。で、今回上田さんからオファーをいただき、今ここにいるわけですが……」と出演の経緯を語る。また自身が演じる役について「当初はワカマツ役で、とお話をいただいたのですが、台本を改めて読ませていただき、客観的冷静的に考えて『マナツの父親もありかなと思っています』と上田さんにお伝えしたところ、最終的にそのようになりました」と説明した。
続けて、会見中は司会者の横に立ち、“共同司会”も務めた永野があいさつ。永野は「阪神ファンの日雇い労働者であるトラやんを演じます。初演のころはちょうど健康診断に引っかかり始める“おじさん元年”だなと感じていましたが、8年経っておっさんの円熟味が増してきました(笑)。おもろいだけじゃなく、“悲しき味わい深さ”のある作品になることは間違いないと思いますので!」と見どころを述べた。
最後にマイクを握った上田は「作演が話す前に、こんなにたくさんのことが語られる会見はなかなか経験がない(笑)」と苦笑しつつ、「2016年に初演された作品で、当時は大阪人情喜劇のようなものがやってみたい、大阪のおっさんとドローンが闘う劇が作りたいと思っていました。初演時、良い作品ができたという実感もあり、評価もいただいたので、いつか再演する作品だと思っていましたが、その一方で、それだけ“強い”作品だとも感じていたので、再演するには気合いが必要でした。今回は最強の客演をお迎えし、満を持しての再演です」と語った。
また初演時と今回で変更点は?と問われた上田は「稽古が始まる前は、テクノロジー的な部分でのキャッチアップによる(台本の)修正が多いのかなと思っていましたが、それよりはキャストが変わったことに伴う変更が多くなりそうです。再演なのでゴールはわかっているものの、皆さん本当に面白いので(笑)、その面白さを作品にどう盛り込んでいくかで、多少の変更があると思います」と語った。
会見後半には、恒例となっている劇団員コーナーも。「今回は、皆さんが最近感じたテクノロジーの進化を紹介いただきます」という司会者の説明に続けて、諏訪が披露したのは骨伝導イヤホン。さらに諏訪は今かけているのが骨伝導イヤホンと一体化したメガネだと明かし、“便利が故の”着用時の失敗談を語った。中川は、町のポスターで見かけて気になったモデルの女の子が、実は生成AIだった、という驚きの体験を明かす。酒井はデジタルファブリケーションの進化について語り、実際にポケットからいくつかの見本を取り出して見せる。そして「今回の上演でもこれらの技術を利用していろいろなデジタル機器や小道具が登場しますが、そちらもデジタルファブリケーションを使って作りたいと思います」と話し、会見はそのまま和やかな雰囲気のまま終了した。
公演は、8月31日に滋賀・栗東芸術文化会館さきら 中ホールで行われるプレビュー公演を皮切りに、9月5日から8日まで京都・京都府立文化芸術会館、13日に富山・新川文化ホール 小ホール、16日に新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場、19日から10月6日まで東京・本多劇場、12・13日に大阪・SkyシアターMBS、16日に愛知・愛知県産業労働センター(ウインクあいち) 大ホール、19日に神奈川・関内ホール、25・26日に福岡・キャナルシティ劇場、29・30日に広島・JMSアステールプラザ 中ホール、11月2日に高知・土佐市複合文化施設 つなーで ブルーホール、4日に石川・北國新聞赤羽ホール、9日に北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)にて上演される。プレビュー公演と石川公演のチケットは販売中。京都・富山・新潟・東京・大阪・広島・高知・北海道公演のチケットは8月3日10:00、福岡公演は8月10日10:00、愛知・神奈川公演は8月24日10:00に一般前売りをスタートする。
ヨーロッパ企画 第43回公演「来てけつかるべき新世界」
2024年8月31日(土) ※公演終了
滋賀県 栗東芸術文化会館さきら 中ホール
2024年9月5日(木)~2024年9月8日(日) ※公演終了
京都府 京都府立文化芸術会館
2024年9月13日(金) ※公演終了
富山県 新川文化ホール 小ホール
2024年9月16日(月・祝) ※公演終了
新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
2024年9月19日(木)~2024年10月6日(日) ※公演終了
東京都 本多劇場
2024年10月12日(土)~2024年10月13日(日) ※公演終了
大阪府 SkyシアターMBS
2024年10月16日(水) ※公演終了
愛知県 愛知県産業労働センター(ウインクあいち) 大ホール
2024年10月19日(土) ※公演終了
神奈川県 関内ホール
2024年10月25日(金)~2024年10月26日(土) ※公演終了
福岡県 キャナルシティ劇場
2024年10月29日(火)~2024年10月30日(水) ※公演終了
広島県 JMSアステールプラザ 中ホール
2024年11月2日(土) ※公演終了
高知県 土佐市複合文化施設 つなーで ブルーホール
2024年11月4日(月・振休) ※公演終了
石川県 北國新聞赤羽ホール
2024年11月9日(土)
北海道 カナモトホール(札幌市民ホール)
スタッフ
作・演出:
音楽:キセル
出演
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