「セツアンの善人」に葵わかな・木村達成ら、白井晃「現代の問題に接続できる作品に」

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白井晃演出「セツアンの善人」の出演者とビジュアルが公開された。

「セツアンの善人」出演者(撮影:山崎伸康)

「セツアンの善人」出演者(撮影:山崎伸康)

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「セツアンの善人」は、第二次世界大戦中、ナチスにより市民権を剥奪されたドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトが、亡命先で執筆し1943年にスイスのチューリッヒで初演した作品。これまで「三文オペラ」「マハゴニー市の興亡」「Mann ist Mann」「アルトゥロ・ウイの興隆」といったブレヒト作品を手がけてきた白井が、今回はドイツ文学者の酒寄進一の新訳により、本作の上演に挑む。

葵わかな(撮影:山崎伸康)

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善人を探し出すため、セツアンの貧民窟に降り立った神様3人は一夜の宿を求めるが、ようやく部屋を用意したのは貧しい娼婦のシェン・テだった。神様たちは彼女を善人と認め、大金を与えて去るのだった。ある日、偶然公園を通りかかったシェン・テは、失業し首を括ろうとしていた青年ヤン・スンを救い出すことに。するとシェン・テは、彼に一目惚れしてしまい……。

木村達成(撮影:山崎伸康)

木村達成(撮影:山崎伸康)[拡大]

出演者には葵わかな木村達成渡部豪太七瀬なつみあめくみちこ栗田桃子粟野史浩枝元萌斉藤悠小柳友大場みなみ、小日向春平、佐々木春香、小林勝也松澤一之小宮孝泰ラサール石井が名を連ねた。

上演に向けて白井は「私にとって長年の念願であったブレヒトの名作『セツアンの善人』を、世田谷パブリックシアターで上演できることを大変嬉しく思っています。本作は、貧困と不正義に満ちた社会で善良であり続けることの難しさを描いた作品です。現代社会にも通じる人間の葛藤や社会の矛盾を描いたブレヒトのメッセージは、今の時代でも強い共鳴を呼び起こす力を持っていると思います。セツアンは架空の都市ではありますが、そこにあるのは、私たちを取り巻く今の世界の縮図に他なりません。『金は本当に人を幸せにするのか』という命題を浮き彫りにし、現代の問題として接続できるような作品にしたいと思います。葵わかなさん、木村達成さんの清新で豊かな感性と、集結してくださった魅力的な俳優の皆さんの力強い表現力によって、新たな『セツアンの善人』を示してくれると確信しています。私たちがこの作品を通して、現代社会の在り方や自分自身の生き方について考えるきっかけになればと願っています」と思いを語っている。

公演は10・11月に東京・世田谷パブリックシアター、11月に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで行われる。公演スケジュールなどの詳細は今後の発表を待とう。

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セツアンの善人

2024年10・11月
東京都 世田谷パブリックシアター

2024年11月
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

スタッフ

作:ベルトルト・ブレヒト
音楽:パウル・デッサウ
翻訳:酒寄進一
上演台本・演出:白井晃

出演

葵わかな / 木村達成 / 渡部豪太 / 七瀬なつみ / あめくみちこ / 栗田桃子 / 粟野史浩 / 枝元萌 / 斉藤悠 / 小柳友 / 大場みなみ / 小日向春平 / 佐々木春香 / 小林勝也 / 松澤一之 / 小宮孝泰 / ラサール石井
演奏:磯部舞子(東京公演) / 加藤優美(兵庫公演) / 島津由美 / 熊谷太輔

公演・舞台情報
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保坂展人 @hosakanobuto

「セツアンの善人」は、第二次世界大戦中、ナチスにより市民権を剥奪されたブレヒトが、亡命先で執筆し1943年にスイスのチューリッヒで初演した作品。これまで「三文オペラ」「マハゴニー市の興亡」「Mann ist Mann」といったブレヒト作品を手がけてきた白井が…。
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