宝塚歌劇月組「消え残る想い」東京公演が明日開幕、月組は「月城かなとの一生を懸けた場所」

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宝塚歌劇月組「ミュージカル・ロマン『Eternal Voice 消え残る想い』」「レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』」の東京公演が、明日6月1日に東京・東京宝塚劇場で開幕。それに先駆け、本日5月31日に通し舞台稽古が行われた。

「Eternal Voice 消え残る想い」「Grande TAKARAZUKA 110!」は宝塚歌劇団の月組トップコンビ、月城かなと海乃美月の退団公演。正塚晴彦が作・演出を務める「Eternal Voice 消え残る想い」では、19世紀のイギリスを舞台に、考古学に傾倒し、メアリー・スチュアートの遺品とされる首飾りを手に入れたアンティークハンターのユリウスと、不思議な力を持つ女性アデーラが出会い、王室不要論者たちの陰謀に巻き込まれていく様子が描かれる。

ユリウス役の月城は、風変わりな主人公を肩の力が抜けた自然体の演技で立ち上げる。また、幼い頃から勘が良く、「他人と違う」と揶揄されてきたユリウスの孤独が、アデーラとの出会いによって癒やされていく様子を、丁寧に築いた。一方、アデーラ役の海乃は、控えめな中にも信念の強さを見せる、真摯な演技を披露。また、ユリウスの友人で超常現象を研究しているヴィクター役の鳳月杏は、2人の良き理解者として、少し世間ズレした研究者をおおらかに演じつつ、特定秘密局局員役の風間柚乃らと息の合った掛け合いで物語を盛り上げる。そのほか、霊媒師であるエゼキエル役の彩みちる、その弟で祈祷師のマクシマス役の彩海せらも体当たりな演技で場をさらった。

中村一徳の作・演出による「Grande TAKARAZUKA 110!」では“月”をテーマに、伝統的レビューへのオマージュと新時代へのメッセージが、多彩なダンスシーンと共に描かれる。フィナーレでは月にまつわる楽曲が次から次へと披露され、月組トップコンビの花道を飾った。

通し舞台稽古後には、月城と海乃の囲み取材が行われた。月城は、「Eternal Voice 消え残る想い」について、「私と海乃が演じる役はどちらも“感じ取れる人”。自分の腹に落ちた、染みついた感覚を『あえて言葉にするならば』という意識を持って演じたい」とコメント。また、ショーでのお気に入りの場面に黒燕尾を挙げ、「自分の退団公演で、憧れだった、飾り気のないシンプルな黒燕尾を踊らせていただきます。途中から曲が『宝塚我が心の故郷』になるのですが、その曲が流れたときに、自分はこの世界にこれほど愛情を持って過ごしてきたのかと、毎回新鮮に感じています」と思いを明かした。

海乃は「大劇場公演中は、1回1回を大切にしたいと思いながら過ごしてまいりました。東京公演も月城さんや月組の皆さんと、その瞬間に作り上げるものを大切に演じられたら」と言う。ショーではデュエットダンスについて、「今までの月城さんとのデュエットダンスの振付がちりばめられていて、お互いの気持ちを感じ合いながら、楽しく踊らせていただいております。それがお客様にも伝わると良いなと思っています」と話した。

また、退団に向けて、海乃は「残り1カ月と少し、この舞台に立てる幸せをかみ締めながら臨みたいと思います。舞台に対して真摯に向き合っていらっしゃる月城さん、月組の皆さんと過ごす時間を大切にしながら、千秋楽までがんばってまいります」と述べる。また月城は、退団する段になって、「宝塚にいたことが、こんなにも自分の今後を励ましてくれるものになるとは、想像もしていなかった」と語り、「誇りを持って歩んでいけるように、ここでの仕事をきっちりと終えて、これからの人生を生きていきたい」と言葉に力を込めた。さらに雪組からの組替えを振り返り、「『月組の月城かなとです』ということを胸に置きながら生きていくのだろうなと。それほど大きい、一生を懸けた場所だったのだと思っています」と語った。

なお、7月6日15:30開演回と千秋楽となる7日13:30開演回には、「月城かなとラストデイ」と題するライブビューイングが開催される。6日公演では本編とサヨナラショー、7日公演では本編、サヨナラショー、退団者挨拶を観ることができるほか、両公演はRakuten TV、U-NEXT、Leminoでも配信される。「Eternal Voice 消え残る想い」「Grande TAKARAZUKA 110!」東京公演は7月7日まで。

宝塚歌劇月組「ミュージカル・ロマン『Eternal Voice 消え残る想い』」「レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』」

2024年3月30日(土)~2024年5月12日(日) ※公演終了
兵庫県 宝塚大劇場

2024年6月1日(土)~2024年7月7日(日) ※公演終了
東京都 東京宝塚劇場

スタッフ

「ミュージカル・ロマン『Eternal Voice 消え残る想い』」

作・演出:正塚晴彦

「レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』」

作・演出:中村一徳

出演

月城かなと / 海乃美月

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