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S市役所生活福祉課の一ノ瀬瑠佳は、ひきこもり支援業務を課せられた。一方、フリーライターの福井薫子は、長期ひきこもりの支援活動のため、日々当事者の家庭を訪れていた。研修で行動を共にすることになった2人が訪れた先には、“繭の家”があり……。
出演者には、タテヨコ企画のあさ朝子、舘、
青木柳葉魚コメント
20年くらい前の話になるが、僕は一日中家から出ない生活を1年くらい続けたことがある。演劇の稽古には参加していたので、現在の引きこもりの定義によれば、趣味などの集まりには参加している「準ひきこもり」というくくりになるようだ。
その状態になる前は週6・7日のペースで働いていたのだが、当然、その状態を長く続けられるはずもなく、疲れ果ててしまい辞めたのだった。最初はそれほど休むつもりはなかった。しかし、今日こそ働き口を見つけよう、今日こそは今日こそはと思うものの結局何もできず、時間だけがただ流れ、休みはどんどん長くなっていった。押し潰されるようなジリジリとした焦り、劣等感。それなのになぜか働かない自分。そのことにまた苛立ちを覚える。どうしてそのループから抜け出せないのか自分でも分からなかった。怠けていただけ。たしかに、僕の場合、そう言われてしまえばそうかもしれない。ただ、ひきこもり状態になる人々の皆がそうではない。何かに躓いてしまったり傷ついてしまったことが原因であれば、そう簡単に事の解決には至らないだろう。世の中で起こっていることは全て他人事ではない。ひきこもり状態になる理由は千差万別であり、自分はひきこもらない。なんてことは言えないし、家族がそういう状態になる可能性だってある。現在、ひきこもり人口は増加・高齢化の傾向にあり、今後さらに大きな社会問題になると予想されている。
しかし、その対処法は現在もまだ確立されていない。
ひきこもりを生み出す要因が社会の中にあるのなら、それを解決に向かわせる方策も社会の中にあるのかもしれない。当事者が、個々人が、家族がどうやって社会と接していけばいいのだろう? そんなことを考えつつ、20年前の自分と対話しながら今回は創作している。
タテヨコ企画 第45回公演「繭の家」
2024年3月27日(水)~2024年3月31日(日) ※公演終了
東京都 シアター風姿花伝
スタッフ
作・演出:青木柳葉魚
出演
あさ朝子 /
タテヨコ企画 @tateyokokikaku
ステージナタリーさんが掲載して下さいました。ありがとうございます!!皆さまぜひご観劇にいらして下さいませ。 https://t.co/eP0XqmVbYm