「20世紀号に乗って」は、1932年に書き下ろされた戯曲と、それを原作に製作された映画をもとに、1978年にアメリカ・ニューヨークのブロードウェイで初演されたグランドミュージカル。1930年代初頭のアメリカで、かつては花形の舞台演出家兼プロデューサーだったが、多額の借金を抱え、今では荒れた劇場で公演を打つオスカー・ジャフィが、再起を図るため、特急20世紀号に乗り込んで、元恋人で大女優のリリー・ガーランドと偶然を装い出会うところから物語が始まる。
取材会見には、オスカー・ジャフィ役の増田、リリー・ガーランド役の
珠城はヒロイン役を演じることについて「すごく挑戦で、稽古中からたくさん悩み、いろいろなことを考えました。クリスさんをはじめ皆さんと作り上げたこの作品を、目一杯届けたいです」と語る。富豪のレティシア・プリムローズ役の戸田は「ミュージカルの金字塔と言われている作品で、オーケストラあり、豪華な衣裳やセットあり、と盛りだくさん。ぜひご期待ください」と呼びかけた。
オスカーのマネージャーであるオリバー・ウェッブを演じる小野田は、増田とベイリーのチームに参加できることを喜び、「ミュージカルファンの皆さん、エンタメファンの皆さんに楽しんでいただける公演にしていきたい」と言葉に力を込める。オスカーの宣伝担当オーエン・オマリー役の上川は「このメンバーで作り上げた作品が、お客様にどのように届くのか今からワクワクしています」と心境を語り、リリーの新恋人ブルース・グラニット役の渡辺は「この作品が生まれた年代ならではの素晴らしい音楽はもちろん、登壇しているキャスト以外にも素敵な役者がたくさん出てきますので、そこも注目していただけたら」と語った。
ベイリーは増田について「変わらず一生懸命で、パッションあふれる座長。いたずら心もあって、カンパニーの皆さんにエネルギーを振りまいてくれている」と評し、8週間に及ぶ稽古が順調に進んだことを振り返った。対する増田は「クリスに芝居のことを相談すると、20も30もヒントや答えをくれる。“僕が生きてきた人生だったら”と例え話を交えながら優しく導いてくれるんです。今回、クリスが考える“ドンピシャなところ”に立てているのではないかな」と自信をのぞかせた。
また、本作で増田と戸田は約20年ぶりの共演となる。戸田が「だいぶ大きく、大人になられたという感じがして、母(戸田)は頼もしく見つめていました」と言うと、増田は稽古場で戸田が作ってきてくれた弁当を食べていたというエピソードを披露。自身のInstagramアカウントで戸田にもらった弁当を投稿していたら「実の母が嫉妬を募らせていった」そうで、「まだ投稿できていない弁当が1つある」と告白。微笑ましいエピソードに、会場は笑いに包まれた。
最後に増田が「約2カ月間、皆でクリス演出バージョンの『20世紀号~』を作ってきました。音楽も素晴らしく、素敵な作品を皆さんに届けられるのを楽しみにしています。ぜひ、劇場に遊びにきてください」と語り、取材会を締めくくった。
上演時間は約2時間40分。東京公演は3月31日まで。その後、4月5日から10日まで大阪・オリックス劇場でも公演が行われる。
ミュージカル「20世紀号に乗って」
2024年3月12日(火)~31日(日)
東京都 東急シアターオーブ
2024年4月5日(金)~10日(水)
大阪府 オリックス劇場
原作:ベン・ヘクト、チャールズ・マッカーサー、ブルース・ミルホランド
脚本・作詞:
作曲:サイ・コールマン
演出・振付:クリス・ベイリー
演出補・共同振付:ベス・クランドール
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