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本作は
大竹は「ファイナルと言いながら騙している気分」と述べ、市村は「昨年芸能生活50年を迎えたのですが、もう一度『スウィーニー・トッド』に挑戦してみないと、死ぬに死にきれないという思いがあり、もう一度上演させてもらえないかとお願いをした。そうしたらみんなのスケジュールが空いていて、(本公演の主催・企画制作である)ホリプロの許可も出た(笑)」と赤裸々に経緯を説明する。市村は「前回公演終了後にセットを全部壊したのに、今回のために作り直した。死ぬ覚悟でやりたい」、大竹は「もう一度上演するからには前よりも素晴らしいミセス・ラヴェットを演じたいし、新鮮な気持ちで挑みたい」と言葉に力を込めた。
また宮本は、本作を手がけたミュージカル作曲家ソンドハイムについて「きっと世界で最も歌うのが難しい曲を作る作曲家。(俳優が)入り込めるとこれほど面白いものはないが、入り込めないととても難しい。今回は、一音一音に込められた意味を徹底的に紐解きながら作り上げた。これまでに観てくれた方に失礼かもしれないけれど、やっと完成したと思う」と自信を語る。そんなソンドハイムは、前回公演のあと、2021年に死去している。宮本は「ソンドハイムは親友で、僕をブロードウェイに連れて行ってくれた人。(生前に)彼から『ここはこうで、ここはこうなんだ』と細部に込められた熱い思いを直接聞いていたので、今回はそれを丁寧に伝えたい。天国で喜んでくれるように」と今回の上演にかける思いを語った。
会見では、稽古場でのエピソードを問われる場面も。大竹は「20分休憩があってみんなでおにぎりやサンドイッチを食べるのですが、市村さんはちゃんとお弁当を持って来ていて。私がうらやましそうにジトーっと見つめると、市村さんは美味しい卵焼きや生姜焼きをくれました」とおちゃめに話す。また市村は「ある番組で500gの肉をもらったので、(本作の共演者で)自炊をしないという
最後に宮本は「真実の愛や、人間の心の痛みが描かれる本作。前回公演から8年が経ち、戦争や格差社会が広がり、現実がより生々しいものになった。今回はそれらを踏まえたうえで向き合っているので、“楽しいエンタテインメント”でもありますが、それ以上の凄みを感じていただける作品になったと思います」と力強く語った。
上演時間は休憩含む約2時間55分。東京公演は3月30日までとなり、その後、4月12日から14日まで宮城・東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)、19日から21日まで埼玉・ウェスタ川越 大ホール、27日から29日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールで上演される。なお東京公演の一部日程では、キャスト登壇のアフタートークが実施される。
ミュージカル「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」
2024年3月9日(土)〜30日(土) ※公演終了
東京都 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
2024年4月12日(金)〜14日(日) ※公演終了
宮城県 東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)
2024年4月19日(金)〜21日(日) ※公演終了
埼玉県 ウェスタ川越 大ホール
2024年4月27日(土)〜29日(月) ※公演終了
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
スタッフ
作詞・作曲:
脚本:ヒュー・ホイラー
演出・振付:
出演
スウィーニー・トッド:
ミセス・ラヴェット:
乞食女:
アンソニー:
ジョアンナ:
ターピン:
ビードル:
トバイアス:
スウィング:西尾郁海 / 大倉杏菜 / 安立悠佑
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宮本亞門 @amonmiyamoto
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