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「カム フロム アウェイ」は、2001年9月11日の同時多発テロの裏で起きた実話をもとにしたミュージカル。アメリカ領空が閉鎖されて目的地を失った38機の飛行機は、カナダのニューファンドランド島にある小さな町・ガンダーに降り立つ。飛行機には合計7000人の乗客や乗員が乗っており、町の人口は一夜にして約2倍に。乗客や乗員はその地で5日間を過ごし……。
ステージの上手と下手には天井まで木々がそびえ、その木々に付けられた照明がステージを照らす。背景はすのこのような板張りになっており、板は青空の模様にペイントされた。劇中には、バウロンやフィドルといったケルト音楽で用いられる楽器も登場。地元住民と乗客の交流の場面では、ミュージシャンたちも舞台に進み出て、にぎやかな音楽で地元住民と乗客・乗員たちの交流の場面を彩った。
乗客は当初、テロの影響による予定外の着陸によっていらだちや疑念、警戒心を抱いている。しかしニューファンドランド島民の支援に触れ、共に島で時を過ごして交流を深める中で、乗客たちは少しずつ変わっていく。
本作には
囲み取材にはキャストと演出のクリストファー・アシュリーが出席。アシュリーは「世界に大きな分断や紛争が起きている中で、優しさや寛容の大切さを伝える作品が上演できてうれしい」と笑顔を見せる。またアシュリーは「皆さんとご一緒できて本当にうれしい。この作品のことを知り尽くしたつもりでしたが、新たに学ぶことが多かった」と出演者に厚い信頼を寄せた。
キャストたちは約6カ月にわたって本作の稽古に取り組んできたという。安蘭は「密度の高いお稽古ができた。日本キャストにしか出せない“味”を届けたい」とコメント。石川は「私たちはかつて実在した人物を演じることはあっても、今も元気に暮らしている方を演じることはなかなかない。このことは高いハードルでしたが、みんなで乗り越えてきた」と手応えを語る。
浦井は「スタンバイキャストの4人も含めた16人で、千秋楽まで完走することが目標。この空港の“奇跡”を描いた作品で、人の温かさを実感しました。この気持ちを大切にやりたい」と述べる。「ミュージカル界の“アベンジャーズ”とでも言うべきドリームチームとの共演にドキドキしていた」と言う加藤は「皆さんのことは“ファミリー”だと感じている。日比谷界隈で一番エネルギーのある作品になったのでは」と出来栄えに自信をのぞかせた。
咲妃は「壮絶だけど愛おしいお稽古の日々でした」と微笑み、「人間として大切な考え方をこの作品から学べました。見どころは美しい舞台セット! 必見です」とアピール。グラブは「さっき舞台稽古中に、最後の曲を歌いながら感動して涙が出ちゃった」と明かし、「出ている側が言うのもなんですが、最高です。きっとお客様も最高の体験ができるはず」と観客にメッセージを送った。
田代は出演者たちのカジュアルな衣裳に触れて「男性陣はメイクをしていませんし、帽子をかぶるので整髪料も付けていません。こんなに日常と非日常の境界線が薄い作品は初めて」とコメント。また橋本が「過酷な稽古でしたが、恥をかき捨ててようやく今日までたどり着きました。すっかり“ニューファンドランド人”になってるよね?」と尋ねると、共演者たちは口々に「なってます!」とうなずいて記者を和ませた。
濱田は「稽古の間ずっと、皆さんと常に1m以内の距離で一緒にいました。もはや親族の集まりみたい(笑)。私たちが稽古場で過ごしてきた半年で積み上げたチームワークをぜひ観てほしい」と観客に呼びかける。「膝が壊れるんじゃないかと思うくらい稽古して、体重が7kg減った」と笑う森は「ドキュメンタリーや9.11の映像をたくさん観て勉強しました。がんばっていますので、ぜひご覧ください」と話した。
柚希は「今回は“演じない”ことがテーマですごく難しかったけど、キャストの皆さんがたくさん助言してくれました。お客様に温かい物語を届けたい」と意気込む。吉原は「人の言うことを聞きたくなくて俳優になったのに、稽古では指示に従わなきゃいけなくて……」と冗談交じりに笑いつつ、「人が傷付け合う時代に穏やかな“風”を届ける作品なので、劇場で楽しんでもらえたら」と結んだ。
締めのあいさつを求められた橋本は1歩進み出ると、「前に進みたいのに不安に思っている方に届けたい」と言っておもむろに上着を脱ぎ捨て、「三三七拍子!!」と声を張り上げる。キャストたちが困惑しながらも息ぴったりの手拍子で橋本に続き、最後は全員が「“Welcome to The Rock”!」と劇中歌のタイトルで声を合わせ、会見は拍手の中で終了した。
上演時間は約1時間40分。東京公演は3月29日まで。本作はその後4月4日から14日まで大阪・SkyシアターMBS、19日から21日まで愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、26日から28日まで福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、5月3・4日に熊本・熊本城ホール メインホール、11・12日に群馬・高崎芸術劇場 大劇場でも上演される。
ブロードウェイミュージカル「カム フロム アウェイ」
2024年3月7日(木)~2024年3月29日(金) ※公演終了
東京都 日生劇場
2024年4月4日(木)~2024年4月14日(日) ※公演終了
大阪府 SkyシアターMBS
2024年4月19日(金)~2024年4月21日(日) ※公演終了
愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
2024年4月26日(金)~2024年4月28日(日) ※公演終了
福岡県 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
2024年5月3日(金)~2024年5月4日(土) ※公演終了
熊本県 熊本城ホール メインホール
2024年5月11日(土)~2024年5月12日(日) ※公演終了
群馬県 高崎芸術劇場 大劇場
スタッフ
脚本・音楽・歌詞:アイリーン・サンコフ / デイビット・ヘイン
演出:クリストファー・アシュリー
ミュージカルステージング:ケリー・ディヴァイン
翻訳:常田景子
訳詞:
出演
ダイアン&その他:
ニック&その他:
ケビンT&その他:
ボブ&その他:
ジャニス&その他:
ボニー&その他、ビバリー&その他カバー:
ケビンJ&その他:
クロード&その他:
ビバリー&その他:
ハンナ&その他:
ビューラ&その他:
オズ&その他:
スタンバイ:上條駿 / 栗山絵美 / 湊陽奈 / 安福毅
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きーさ ki-sa @koshkasobaka
今日も三三七拍子で締めた👏👏👏こういうの作れるBWすごいな、多様な文化を超えて…とか思ってたらカテコスタオベの締めがめっちゃ日本だった🤣 #カムフロムアウェイ https://t.co/wZvlg5J9k1