第58回紀伊國屋演劇賞の会が、本日1月30日に東京・紀伊國屋ホールで開催された。
紀伊國屋演劇賞は、紀伊國屋書店が設定する賞。第58回紀伊國屋演劇賞では、団体賞を
贈呈式では各賞の受賞者があいさつ。「経済3篇」「闇の将軍 四部作」の舞台成果が評価されたJACROWからは、代表の
劇団俳小「マギーの博物館」「これが戦争だ」、名取事務所「慈善家-フィランスロピスト」「屠殺人 ブッチャー」、まつもと市民芸術館プロデュース「ハイ・ライフ」など、カナダ演劇を日本に紹介した功績が評価された吉原は、商社の駐在員としてカナダに派遣された際、語学を学ぶために演劇を観始めたことを語ったほか、自身とタッグを組んでカナダ戯曲やアメリカ演劇を紹介してきたメープルリーフ・シアターの貝山武久、および貝山の夫人へ感謝を述べた。
イキウメ「人魂を届けに」、ケムリ研究室「眠くなっちゃった」の演技が評価された篠井は「現代劇における女方という存在は、今までなかなかお認めいただけなかった。でも今回、紀伊國屋演劇賞という映えある賞、歴史ある賞をいただいて、少しはお認めいただけたのかなと思っております。今の若い俳優さんたちはジェンダーを超えてどんな役でもおやりになりますから、みんながライバルです!(笑)」と笑顔を見せた。
劇団NLTによるミュージカル「O.G.」の企画と演技で受賞に至った阿知波は、諸用のため欠席。阿知波はビデオメッセージにて、「さまざまなミラクルが積み重なって、『O.G.』という作品が産声を上げました」と感慨深い思いを明かす。なお贈呈式には、阿知波に代わり、劇団NLTの小川浩代表取締役が出席した。
劇団文化座「炎の人」「旅立つ家族」の演技が認められた藤原は「芝居も礼儀も知らないまま、役者になりたい一心で文化座へ入団しました。本当に生意気な野郎だったと思うのですが、これまで自分と向き合ってくださった劇団の皆様、特に代表の佐々木愛さんには、言葉では言い尽くせないほどお世話になりました」と謝辞を述べる。
「ロスメルスホルム」の演技が評価された三浦は「演劇を通して、心身の健康と日々の鍛錬が表現を作るんだということを学びました。ですが、日々に忙殺されているとそのことを忘れてしまう自分もいて……なので、演劇と関わる時間は、自分にとって必要な時間だということを改めて実感しています。『ロスメルスホルム』でご一緒した先輩方のように、いつまでも舞台に立ち続けることができる役者でいられるように、また、皆さんの記憶に残る本番を積み重ねていけるように精進します」と晴れやかな表情で語った。
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おおとも ひさし @tekuriha
【イベントレポート】JACROW中村ノブアキ、贈呈式で効能語る「演劇は漢方薬。毎日服用し続けて」 https://t.co/06xquTfWDf