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これは文化庁新進芸術家海外研修制度において、イギリスで研修を行った鈴木が、成果を発表すべく行う公演。鈴木が書き下ろした「みえないくに」では、架空の国・グラゴニアの言葉を巡って翻弄される女性たちの姿が描かれる。出演者には
開幕に際し鈴木は「私は、これまで物語の舞台を外国にした作品をたくさん書いてきた。インド、タイ、ドイツ、フランス、イギリス、チェコ、ロシア等々。当然、資料を読まなければ書けないし、その国に住む人の生活を肌感覚で知るためには、現地の人が書いた文章を読むのが、一番いい。想像力と創作意欲が刺激される。つまり、それらの『良い翻訳』があるかどうかは、私の劇作の仕事にとっては死活問題なのである」と言い「こうしたことを繰り返す中で、『翻訳者』の存在を大事に思うようになってきた」と本作に込めた経緯を述べ、自身もイタリア語の翻訳者を目指していたことがあると明かし「あのイタリア語を必死に独学で勉強していた時の想いも、この『みえないくに』に詰め込んでいる」と語った。
上演時間は約1時間50分。公演は1月21日まで。
鈴木アツト コメント
私は、これまで物語の舞台を外国にした作品をたくさん書いてきた。インド、タイ、ドイツ、フランス、イギリス、チェコ、ロシア等々。当然、資料を読まなければ書けないし、その国に住む人の生活を肌感覚で知るためには、現地の人が書いた文章を読むのが、一番いい。想像力と創作意欲が刺激される。つまり、それらの「良い翻訳」があるかどうかは、私の劇作の仕事にとっては死活問題なのである。
ただ、その「良い翻訳」の充実度は、国によって濃淡があるというのも事実だ。インドが舞台の戯曲を書いた時は、その題材の日本語の資料がほとんどなく、とても苦労した。反対にイギリスが舞台の戯曲を書いた時は、資料がありすぎて読み切れないほどだった。こうしたことを繰り返す中で、「翻訳者」の存在を大事に思うようになってきた。それも、私が興味を持つようなある種マイナーな題材の、英語圏以外の情報を翻訳してくれている翻訳者の存在を。
実は、私自身も恥ずかしながら、イタリア語の翻訳者を目指していた時期があった。全然物にならなかったのだけれど。あのイタリア語を必死に独学で勉強していた時の想いも、この「みえないくに」に詰め込んでいる。
「日本の演劇人を育てるプロジェクト」文化庁 海外研修の成果公演「みえないくに」
2024年1月18日(木)~21日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト
作・演出:
出演:
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日本劇団協議会 @gekidankyo
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