シス・カンパニー公演「シラの恋文」の東京公演に向けて、主人公の鐘谷志羅役を演じる
「シラの恋文」は、エドモン・ロスタンの戯曲や実在の剣豪としても知られた「シラノ・ド・ベルジュラック」から着想を得て描かれた、
京都・福岡公演を経て、手応えを問われた草なぎは、「やっぱり舞台はお客様が入って完成するものだなということを毎日実感しています。良いものを、さらに毎日更新し続けている感じで、本当に幸せな空気が漂う舞台になっています」と笑顔で答えた。
戯曲や役の面白さについては、「志羅はちょっとふわふわとしているというか、つかみどころのない役。演じながらも日々セリフから受ける感情が違うので、不思議な作品です。一見すると意味がつながっているのかわからないようなセリフも、ぐるぐると円を描きながらまとまっていくような、そんな魅力があります」と述べる。
稽古の初日には、北村自身が台本をすべて読む“作者読み”もあったそうで、「想さんに読んでいただいたことで、自分だけで読むよりもわかりやすく、作品が浸透していく感じがしました。と同時に、これは頭で考える戯曲ではなく感じる戯曲なのかなと。輪廻転生とか宇宙的な大きな話を、想さんはセリフとして具現化してしまう、天才ですよね(笑)。でもこの戯曲を演じ続けることで、僕自身、日に日に頭が良くなってきているような感じがします」と話し、場を和ませた。
本作が、近未来のサナトリウムを舞台にしているという点については「コロナを乗り切ってきたという経験をみんな持っているわけですが、舞台に立っているとそういったことをじんわりと思い出し、リアルな感情が湧いてきます。結核になられた方が、肩寄せあいながら畑仕事しているシーンも、『現実にあるのかな』とふと感じてしまったり。今、日常を普通に過ごせているのは決して当たり前のことではなく、かけがえのないことなのだと、改めて実感します」と真摯に述べた。
また草なぎが演じる志羅は、周囲の人たちが思わず本音をしゃべってしまうという不思議な吸引力のある人物。劇中ではそれが「テンガロンのせい」と語られるが、実際に役を演じている草なぎは、志羅の魅力をどう捉えているのか。「『テンガロンの力もあるけれど、やっぱり何かしら人の話を引き出すような力がないといけないよね』と、演出の寺十(吾)さんにも言われていたので、少し浮世離れしたところがあるような人物として演じたいと思っています。実際、なぜか話しやすい人って身近にいますよね? そんなイメージを持ちつつ……でも、演じていて“やりにくくはない”役です」と語った。
なお初めてのタッグとなった寺十の演出については「ご自身も役者さんなので、稽古では実際に演じてみせてくださるのが非常にわかりやすくて。思わず、演出って面白そうだな、僕も演出やってみようかな、と思ってしまったくらい(笑)。ぜひまた違う作品でもご一緒したいですね」と厚い信頼を寄せた。
最後に2024年の抱負と、東京公演への思いを問われると「演じるということに関しては、2023年は舞台もテレビドラマも映画も、すべてが網羅でき、本当に幸せでした。2024年は2023年に受けた良いものを、自分の中でより開花させていけるような年になればと思います。東京公演に向けては……どんどん舞台が良くなっており、実りのある回を重ねていますので、東京公演ではさらにまた良くなっているのではと思います。東京の皆さんにはぜひ期待していただいて、楽しんでいただけたら」と観客に笑顔でメッセージを送った。
東京公演は1月7日から28日まで東京・日本青年館ホールにて行われる。
シス・カンパニー公演「シラの恋文」
2023年12月9日(土)~17日(日)※公演終了
京都府 京都劇場
2023年12月22日(金)~28日(木)※公演終了
福岡県 キャナルシティ劇場
2024年1月7日(日)~28日(日)
東京都 日本青年館ホール
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※草なぎ剛のなぎは弓へんに前の旧字体、その下に刀が正式表記。
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【会見レポート】「シラの恋文」京都・福岡を経て、草なぎ剛「東京はさらに良くなるのでは」(舞台写真あり) https://t.co/RWkTBDW0sf