本作は、時計の中に隠れていたために狼に気付かれず、兄弟を救った末っ子の仔山羊が登場するグリム童話「おおかみと七ひきのこやぎ」をもとにしており、劇中ではその末っ子の仔山羊・ウシロメタサと狼の弟・ジブンギライが出会うという、オリジナルの後日譚が描かれた。岡宮は、狼を殺したことを悔やみ続けているウシロメタサと、兄に劣等感を持つジブンギライが、互いの弱さをさらけ出しながら、徐々に心を通わせていく様子を1人で表現。まるで実際にそこに相手がいるかのように見える身振りで、相手のいる場所や行動を浮かび上がらせると共に、自然なセリフの間合いと緩急で生き生きと2匹のやり取りを展開した。
場面ごとにほかにもさまざまなキャラクターが登場するが、岡宮は声色や歩き方などを自在にくるくると変え、舞台上を駆け回り、テンポ良く物語を進めていく。猿の警備兵たちが登場するシーンでは、「厳粛に! 厳粛に!」としゃがれ声で言い回ってうっとうしさを感じさせたかと思えば、サイの神官が儀式を執り行う場面では、打って変わって低い声を震わせながら、その場を物々しい空気で包み込んだ。また本作には、多彩なダンスや歌も取り入れられており、岡宮の魅力を余すところなく堪能できる。
上演時間は約1時間25分。公演は12月17日まで行われ、17日の昼夜2公演はシアターコンプレックスTOWNでライブ配信も実施される。なお既報の通り、公演期間中にはコラボカフェが開催される。
「BOOK OPERA クルム童話『ケリナツス~七匹目の仔山羊~』」
2023年12月7日(木)~17日(日)
東京都 Mixalive TOKYO Theater Mixa
脚本・演出:
出演:
声の出演:
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えび🥴 @ebiebi_buta
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