これは劇作・演出家の
舞台は文明が滅んだと思われる世界。そこには生き残った1人の女や何千年も生きてきたらしい亀などがいて……。
作・演出を手がける山田は「絶滅しないうちに」と題したコメントの中で「世の中には、本来正されなければならない構造的な問題がたくさんあります。そのことに対する怒りが消えたわけではありません。しかし、本気でこの社会の衰退や人類の滅亡を食い止めないなら、そういう問題が正されないなかでも絶望せずに生きていく方法を、我々は考えなければならないのではないか。そう思うようになりました。怒りの先にどのような救いがあり得るのかを考えるためのリクリエーションです」と語った。出演者にはメンバーの
山田カイル コメント
この戯曲を書き始めた2020年当時の僕は、怒りに満ちていました。明らかに解決策の見えている問題が何も改善されない社会の機能不全に対して、常に激昂していました。このままでは本当に世界が滅んでしまう。その怒りと、パンデミック下で少しでも稽古がしやすくなるようにモノローグだけの作品にしようという構成のアイデアと、その2つだけで書き上げたのが「雨降らす巫女の定置網漁」でした。それから数年が経ち、相変わらず機能不全の社会のなかで、人類は何となく絶滅を免れ続けています。絶滅しないうちに、この戯曲を書き直して上演したいと思いました。世の中には、本来正されなければならない構造的な問題がたくさんあります。そのことに対する怒りが消えたわけではありません。しかし、本気でこの社会の衰退や人類の滅亡を食い止めないなら、そういう問題が正されないなかでも絶望せずに生きていく方法を、我々は考えなければならないのではないか。そう思うようになりました。怒りの先にどのような救いがあり得るのかを考えるためのリクリエーションです。
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