物語の舞台となるのは、館長の死により閉館の危機に陥った映画館・ムーンシネマ。ステージ上には、レトロな雰囲気漂う町の小さな映画館が、2階建ての舞台美術で表現されている。
中井が演じるのは、亡くなった館長の息子で、映画プロデューサーの並木憲次。藤原は映画会社宣伝部の若手社員・小暮涼太役、永作は並木の元妻でフリーライターの高山万智子役を務める。中井は並木を、自尊心が強く頑固な面がありつつも、ユーモアのある人物として立ち上げる。藤原は映画文化を愛する青年を熱量高く演じ、永作は仕事に情熱を燃やす高山を凛とした佇まいで務め上げた。そのほか、ムーンシネマの再建に向けて奔走する市の職員・朝倉瑞帆(
初日前会見には、作・演出を担うG2とキャスト陣が出席。G2は2021年公演が新型コロナウイルスの影響により全公演中止になったことを惜しみながら、「2021年公演のキャスト・スタッフでお別れ会をしたとき、貴一さんが『Gちゃん(G2)、この作品はまだお客様に観せてはならない、と芝居の神様がおっしゃっているのかもしれないよ』と慰めてくれて。『もう一度上演する機会が来たらブラッシュアップするんだよ』というメッセージだと受け取りました。今回のリベンジ公演では、2021年公演と違ったチャレンジをすべく、少し広くなった新生PARCO劇場で上演するために登場人物を増やしたり、脚本を改訂したりました」とリベンジ公演にかける思いを明かす。
中井は開口一番、「なにわ男子の中井貴一です」と自己紹介、共演者の笑いを誘う。一転、真剣な面持ちで、「2021年公演の稽古をする中で気がついたのは、芝居にとってお客様は必要不可欠だということ。お客様がいると、芝居が成熟し進歩します。そんなお客様たちに“夢”を配れるように、今回の公演もがんばりたい」と意気込みを語った。
オリックス・バファローズのファンとして知られる藤原は、昨日5日に大阪で開催された「SMBC日本シリーズ2023」に言及しつつ、「昨日は関西が盛り上がっていたので、僕も負けないように『月とシネマ2023』を盛り上げられたらと思います。中井貴一さんとの掛け合いにぜひ注目してください!」と観客に呼びかける。新キャストの永作は「それぞれのキャストがしっかりと思いを込めて作ることができたので、『とても良い環境だな』と思いながらお稽古をさせてもらいました。足取り軽く帰れるような作品になっているので、楽しみにしていただけたら」と手応えを述べた。
最後にキャスト・スタッフを代表して中井があいさつ。「『月とシネマ』は、コロナ禍でみんなの心が塞いでいるときに、どういうものを観ていただいたら、心が和やかになるかを考えて作った作品。コロナが比較的落ち着いた今、お客様にどのように感じてもらえるのか、とても楽しみです。あとは、なにわ男子としてデビューした丈の成長ぶりも観ていただきたいです。そうだよね?」と、中井が藤原に視線を送ると、藤原は「はい!」と元気いっぱいに答えた。
上演時間は休憩なしの約2時間5分。東京公演は11月28日まで行われ、その後、12月3日から10日まで大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ「月とシネマ2023」
2023年11月6日(月)~28日(火) 並木憲次:
東京都 PARCO劇場
2023年12月3日(日)~10日(日)
大阪府 森ノ宮ピロティホール
作・演出:キャスト
小暮涼太:
高山万智子:
児玉正義:
朝倉瑞帆:
村上英嘉:
佐々木均:
深野隆史:
黒川庄三:
榊哲哉:
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“なにわ男子の中井貴一”が藤原丈一郎と丁々発止のやり取り、「月とシネマ2023」開幕 https://t.co/gFssiMbP9I