歌舞伎座「文七元結物語」山田洋次、中村獅童&寺島しのぶに「とっても良い夫婦になる」と太鼓判

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歌舞伎座新開場十周年「錦秋十月大歌舞伎」昼の部「文七元結物語」の製作発表記者会見が、本日9月11日に東京都内で行われた。

左から寺島しのぶ、中村獅童、山田洋次。

左から寺島しのぶ、中村獅童、山田洋次。

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「文七元結物語」ビジュアル(撮影:永石勝)

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「文七元結」は、落語家・三遊亭圓朝が口演した人情噺。同作をもとにした歌舞伎版は、1902年に五世尾上菊五郎により初演され、それ以来上演が重ねられている。今回は、山田の新たな構想により脚本・演出を一新。左官長兵衛に中村獅童、長兵衛女房お兼に寺島しのぶ、近江屋卯兵衛に坂東彌十郎、角海老女将お駒に片岡孝太郎がキャスティングされた。

左から寺島しのぶ、中村獅童、山田洋次、松竹の山根成之取締役副社長 演劇本部長。

左から寺島しのぶ、中村獅童、山田洋次、松竹の山根成之取締役副社長 演劇本部長。[拡大]

製作発表記者会見には、山田、獅童、寺島、そして松竹の山根成之取締役副社長 演劇本部長が出席。山根副社長は、山田が故・中村勘三郎からリクエストを受け、2007年に東京・新橋演舞場で上演された「人情噺文七元結」の補綴を担当したこと、そしてその後2010・2011年に勘三郎とタッグを組み、同作を東京・TBS赤坂ACTシアター、大阪・新歌舞伎座でそれぞれ上演したことに触れ、「山田監督が新たに作られる『文七元結物語』に期待しています」と言葉に力を込める。さらに山根副社長が「今回はフレッシュな配役で……」と獅童と寺島に視線を送り、2人が「フレッシュだって」と顔を見合わせて笑う一幕も。獅童は「僕たち、もう50歳なのにうれしいね(笑)」と続け、会場の笑いを誘った。

山田洋次

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幼少期から落語を愛する山田は「『文七元結』はストーリーが非常に優れていて、また人間の善について語っている作品。今回、そんな『文七元結』の精神は守ったうえで、現代の感覚で文七の夫婦を見つめ直していきたいと思っています」と構想を明かす。また記者から今回のキャスティングの理由を問われると「獅童さんは、(主役の長兵衛に)ぴったりだなと。いろんな先輩方が立派な長兵衛をやっていらっしゃいますが、どの人とも違う長兵衛ができると確信しています。しのぶさんのお名前は、獅童さんとお話する中で出てきたのですが、子供の頃から仲良しの獅童さんとしのぶさんなら、とっても良い夫婦になるのではと」と笑顔で回答した。

中村獅童

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獅童は、長兵衛役でオファーを受けた経緯を「『文七元結』は、しのぶさんのお父様の尾上菊五郎さんや、勘三郎の兄さんが演じてこられた、歌舞伎界にとっても大切な演目の1つ。ですので、率直に『なんで僕なんだろう』と。ただ山田監督が『獅童で』と指名してくださったと聞き、また監督とお会いしたときに聞かせていただいた、『文七元結』にかける思いにも賛同しました。そこで僕自身チャレンジさせていただきたいという気持ちからも、微力ながらお引き受けしました」と話す。寺島とは、これまで勘三郎、藤山直美、柄本明らを中心とした「浅草パラダイス」シリーズなどで舞台共演してきたが、夫婦役を演じるのは今回が初めて。「彼女とは、なんでも言い合える仲。20代の頃、2人でよくお酒を飲みに行きましたが、そのときに彼女が『自分がもし男だったら歌舞伎がやりたかった』と言っていたのが、僕の心の中にずっとあって。今回、とにかく良いお芝居を作って、千秋楽の日には、おいしいビールをしのぶちゃんと飲めたらいいですね」と寺島に微笑みかけた。

寺島しのぶ

寺島しのぶ[拡大]

寺島は「歌舞伎の公演というものは、3・4日の稽古期間で立ち上げるもの。『文七元結物語』も同様に、まだ台本も手元になく、稽古ももちろんやっておりません。恐ろしいプロ集団の中に、私は今いるわけです」と現在の実感を話す。また「父の『文七元結』は、生まれたときから繰り返し観ていて、自分の中に染み付いています。悲しいかな、その経験が邪魔をしてしまうこともあるかと思いますが、今回は新しいものを作るということで、脳を切り替えて挑みたい。山田監督の書かれた『文七元結』に没入し、獅童くんととにかく素敵な夫婦を演じたいですね。お客さんに『劇場に来て良かった』と言っていただけるような作品にできるよう、腹を括って一生懸命やっていきます。覚悟はあります!」と意気込みを述べた。「錦秋十月大歌舞伎」は10月2日から25日まで東京・歌舞伎座にて。チケットの一般販売は9月14日10:00にスタートする。

なお、ステージナタリーでは歌舞伎座で現在上演中の「秀山祭九月大歌舞伎」の特集を展開中。中村歌六と中村又五郎が、公演に向けた思いを語っている。

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歌舞伎座新開場十周年「錦秋十月大歌舞伎」

2023年10月2日(月)~25日(水)
東京都 歌舞伎座

昼の部

「天竺徳兵衛韓噺」

作:四世鶴屋南北

出演
天竺徳兵衛:尾上松緑
梅津掃部:坂東亀蔵
佐々木桂之介:坂東巳之助
銀杏の前:坂東新悟
奴磯平:中村吉之丞
山名時五郎:中村松江
宗観妻夕浪:市川高麗蔵
吉岡宗観:中村又五郎

「文七元結物語」

口演:三遊亭圓朝
脚本・演出:山田洋次
脚本:松岡亮

出演
左官長兵衛:中村獅童
長兵衛女房お兼:寺島しのぶ
近江屋手代文七:坂東新悟
長兵衛娘お久:中村玉太郎
家主甚八:片岡亀蔵
角海老女将お駒:片岡孝太郎
近江屋卯兵衛:坂東彌十郎

夜の部

「『双蝶々曲輪日記』角力場」

出演
濡髪長五郎:中村獅童
藤屋吾妻:中村種之助
濡髪弟子閂:市村光
茶亭金平:松本錦吾
山崎屋与五郎 / 放駒長吉:坂東巳之助

「菊」

作:中内蝶二

出演
菊の精:中村雀右衛門
菊の精:市川男寅
菊の精:中村虎之介
菊の精:中村玉太郎
菊の精:中村歌之助
菊の精:中村錦之助

「『水戸黄門』讃岐漫遊篇」

作:宮川一郎
演出:齋藤雅文

出演
水戸光圀:坂東彌十郎
松平頼常:中村歌昇
うどん屋娘おそで:坂東新悟
佐々木助三郎:中村福之助
渥美格之進:中村歌之助
娘お蝶実は九紋竜の長次:中村虎之介
うどん職人茂助:澤村宗之助
目付沢木源之助:中村吉之丞
吉太郎妹お光:市川男寅
港屋の伜吉太郎:大谷廣太郎
山崎又一郎:中村亀鶴
港屋辰五郎:片岡亀蔵
うどん屋女将お源:中村魁春

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松竹演劇部 @shochiku_stage

【#歌舞伎座】「#錦秋十月大歌舞伎」
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【会見レポート】歌舞伎座「#文七元結物語」#山田洋次、#中村獅童&#寺島しのぶ に「とっても良い夫婦になる」と太鼓判 https://t.co/668uRAlMUT
#ステージナタリー

10月2日(月)初日~25日(水)千穐楽🍁
#歌舞伎 #文七元結

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