木ノ下歌舞伎「勧進帳」は、木ノ下歌舞伎主宰の
稽古場に入り、まず目に飛び込んで来たのは、稽古場の中央に設置された真っ白な“道”。蛍光灯に照らされ、眩しいくらいに光るその白い道で、稽古開始を待つ俳優たちはストレッチをしたり、動きの確認をしたり、劇中歌を口ずさんだりとそれぞれの時間を過ごしていた。
やがて杉原の「まずは摺り足から」という合図で、舞台の端から端までを静々と摺り足で歩き続ける稽古がスタートした。多くの俳優は何も持たず稽古着のまま歩いていくが、義経役の
摺り足稽古のあと、義経一行と富樫が対峙するシーンの稽古に。ここでは
杉原はそんな俳優たちの動きをじっと見つめ、それぞれに意見を求めながら細かな動きのタイミングを詰めていく。2016年のリクリエーション版から大きめに演出を変えるときは木ノ下にも意見を仰ぎ、木ノ下から「過去の(歌舞伎の)上演に照らして、その演出はこういう理由で良いと思う」と賛同が得られると見せ方をどんどん刷新していった。
そしてある程度演出が決まると、スウィングの大知が富樫役、佐藤俊彦が四天王と番卒役に入り、スウィング俳優出演回の稽古も行われた。同じセリフ、同じ動きでも演じ手が変わると全体の雰囲気が変わって、どちらのバージョンも観てみたいという気持ちにさせられた。
東京公演は9月1日から24日まで。その後、29日から10月1日まで沖縄・那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場(特設客席)、7・8日に長野・サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター 大ホール(特設客席)、14・15日に岡山・岡山芸術創造劇場ハレノワ 小劇場、21・22日に山口・山口情報芸術センター[YCAM]スタジオA、27・28日に茨城・水戸芸術館 ACM劇場、11月4・5日に京都・京都芸術劇場 春秋座(特設客席)でも上演される。なお東京公演期間中の9月23日17:00からはゲストにロバート キャンベルを迎えた特別トーク企画(有料)が行われる。
なおステージナタリーでは、東京芸術祭2023 芸劇オータムセレクション 東京芸術劇場Presents 木ノ下歌舞伎「勧進帳」特集を展開。木ノ下と杉原がこれまでの上演を振り返りつつ、2023年版上演に向けた思いを語っている。東京芸術祭2023 芸劇オータムセレクション 東京芸術劇場Presents 木ノ下歌舞伎「勧進帳」
2023年9月1日(金)~24日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト
2023年9月29日(金)~10月1日(日)
沖縄県 那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場(特設客席)
10月7日(土)・8日(日)
長野県 サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター 大ホール(特設客席)
10月14日(土)・15日(日)
岡山県 岡山芸術創造劇場ハレノワ 小劇場
10月21日(土)・22日(日)
山口県 山口情報芸術センター[YCAM]スタジオA
10月27日(金)・28日(土)
茨城県 水戸芸術館 ACM劇場
11月4日(土)・5日(日)
京都府 京都芸術劇場 春秋座(特設客席)
監修・補綴:
演出・美術:
キャスト
武蔵坊弁慶:
源九郎判官義経:
富樫左衛門:
常陸坊海尊 / 番卒オカノ:
亀井六郎 / 番卒カメシマ:
片岡八郎 / 番卒シゲオカ:
駿河次郎 / 太刀持ちの大柿さん:
スウィング俳優出演回(9月13日19:00開演回と18日13:00開演回)
武蔵坊弁慶:リー5世
源九郎判官義経:高山のえみ
富樫左衛門:大知
常陸坊海尊 / 番卒サトウ:佐藤俊彦
亀井六郎 / 番卒カメシマ:亀島一徳
片岡八郎 / 番卒シゲオカ:重岡漠
駿河次郎 / 太刀持ちの大柿さん:大柿友哉
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坂口涼太郎 @RyotaroSakaguTw
ありがとう稽古場。劇場入りの朝スマホが充電できなくなり修理中。なんで今!生活 is 難儀。でも一人でちゃんと生活していくんや。自分のことは自分でするんや。皆どうやって生活してるんやろう。ほんま凄い。私の生活は割といつもドラマティック。例え有名になっても裕福になってもずっと庶民でいたい https://t.co/05dowwIRbE