「常磐線舞台芸術祭 2023」のラインナップの1つ、
畑澤は「劇中で用いられる『汚染水』や『線量』などといった言葉が、この地域の方々にどう受け止められるのか。覚悟して臨まねばならない。これが東北の北の端に住む我々にとっての『原子力』です。襟を正し、真摯に演じたいと思う」と語り、「内容とは全く関係ないが、青森市はねぶた祭りの真っ最中。劇団員の何人かは太鼓を叩き、笛を吹き、ねぶた運行に関わっている。今朝会場に駆けつけるはずの一人が、昨夜の猛暑の中での運行で熱中症になり、来られないとの連絡。主宰である私が代役に立つことになった。ショウマストゴーオン。急遽台詞を詰め込み、なんとかリハを終えてぐったりしているところである。とにかく無事に初日を明けさせてください。演劇の神様に祈るしかない」とコメントした。上演時間は約1時間15分。公演は明日8月6日まで行われる。
畑澤聖悟コメント
渡辺源四郎商店「空に菜の花、地に鉞」リハーサルを終えて。
青森県の下北半島はその形状から「鉞半島」の異名がある。鉞の柄の付け根に当たる地域にはかつて石油コンビナートの誘致が企画され、世界最大の開発と謳われたが頓挫した。その跡地には現在、原子力発電所やプルトニュウムや使用済み核燃料を収容した核施設がひしめいている。その目と鼻の先には極東屈指の空軍基地である米軍三沢基地。上空を轟音と共にジェット戦闘機が旋回する。某国からしきりに飛んでくる怪しい飛翔体は、実はこの界隈を標的にしているという噂もある。
日本の国策に振り回され続けているこの危険な鉞が逆襲の一撃を振り下ろす日が来ないものだろうか。そんなことを夢想しつつ作り上げたこの芝居を、原子力に関しては空前絶後の災害に見舞われたこの地域で上演することには特別な思いがある。劇中で用いられる「汚染水」や「線量」などといった言葉が、この地域の方々にどう受け止められるのか。覚悟して臨まねばならない。これが東北の北の端に住む我々にとっての「原子力」です。襟を正し、真摯に演じたいと思う。
内容とは全く関係ないが、青森市はねぶた祭りの真っ最中。劇団員の何人かは太鼓を叩き、笛を吹き、ねぶた運行に関わっている。今朝会場に駆けつけるはずの一人が、昨夜の猛暑の中での運行で熱中症になり、来られないとの連絡。主宰である私が代役に立つことになった。ショウマストゴーオン。急遽台詞を詰め込み、なんとかリハを終えてぐったりしているところである。とにかく無事に初日を明けさせてください。演劇の神様に祈るしかない。
なおステージナタリーでは、「常磐線舞台芸術祭 2023」の特集記事を展開中。フェスティバルコーディネーターの平田オリザ、実行委員の小松理虔、そしてプロデューサーの鄭慶一が登場し、芸術祭への思いを語っている。関連記事
渡辺源四郎商店 @nabegenhonten
青森中央高校演劇部、渡辺源四郎商店の常磐線舞台芸術祭参加3作品の上演が終了致しました。『もしイタ』『ジンコちゃんの世界』『空に菜の花、地に鉞』にご来場ありがとうございました。常磐線舞台芸術祭は8月13日まで続きます。青森から応援しております! https://t.co/QXkEaHCYq4