「逃げろ!芥川」は、
演出を、本作で畑澤と初タッグを組む
畑澤聖悟コメント
この物語を思いついたのは2020年の初夏。いわゆるコロナ第一波の終盤である。国内感染者が100人を超え、初の緊急事態宣言が発出。イベントは軒並み中止。演劇なんかとんでもない! そんな空気を吸わされていたからこそ、芥川龍之介と菊池寛の長崎旅行が引っかかったのだと思う。スペイン風邪が流行する東京からまんまと脱出し、車窓から暢気な旅の空を見上げる龍之介は、このあとスペイン風邪の第2波に襲われることを知らない。関東大震災の予感もない。迫り来る戦争の足音も聞こえない。様々な不幸と病に苛まれ、やがて自ら死を選ぶことなど知るよしもない。しかし、考えてみれば3年前の私もコロナがまさか8波まで続き、感染者が3万人を超え、自身も感染するなど思いもよらなかった。あんなあからさまな戦争がウクライナで始まるとは夢にも思わなかった。一寸先は闇。結局、誰も逃げることなどできない。それでも人は逃げる。そんな可笑しくも悲しい逃避行を描いてみたい。お楽しみ頂ければ幸いである。
西川信廣コメント
「逃げろ!芥川」は100年前に世界を席巻したスペイン風邪の最中、親友の芥川龍之介と菊池寛が長崎旅行した史実をもとに、列車という閉ざされた中で巻き起こる人間ドラマです。ただし、物語は虚実相まって、列車と言う閉ざされた空間を飛び出して様々な人間が登場する劇的世界へと広がります。芥川の初恋の女性から妻や小説「河童」に登場する河童まで登場し、列車はまるで銀河鉄道999のごとき様相になります。そのドラマから現代の新型コロナに振り回された現代を照射できれば……。畑澤聖悟×文学座の初タッグ作品です。
文学座公演「逃げろ!芥川」
2023年10月27日(金)~11月4日(土)
東京都 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
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演出:
出演:
※高柳絢子の「高」ははしご高が正式表記。
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