「ラグタイム」藤田俊太郎が4度目の“震え”に期待、石丸幹二はかつてない共演喜ぶ

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ミュージカル「ラグタイム」の製作会見が、本日7月24日に東京都内で行われ、出演者の井上芳雄石丸幹二安蘭けい、そして演出の藤田俊太郎が出席した。

左から藤田俊太郎、井上芳雄、石丸幹二、安蘭けい。

左から藤田俊太郎、井上芳雄、石丸幹二、安蘭けい。

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ミュージカル「ラグタイム」は、1998年のトニー賞で4部門を受賞したミュージカル。脚本をテレンス・マクナリー、歌詞をリン・アレンズ、音楽をスティーヴン・フラハティが手がけた本作では、20世紀初頭のアメリカ・ニューヨークを舞台にした物語が描かれる。ユダヤ人、黒人、白人と、それぞれのルーツをもつ3つの家族は、差別や偏見に満ちた世界を変えていこうと立ち上がるが……。日本初演となる今回は、アメリカに来たユダヤ人のターテ役を石丸、黒人ピアニストのコールハウス・ウォーカー・Jr.役を井上が務めるほか、上流階級の白人女性マザー役に安蘭がキャスティングされた。

石丸幹二

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本作の初演をブロードウェイで観て以来、約25年にわたって出演を望んでいたという石丸は「当時観劇した中で、唯一『出てみたい』と思ったのが『ラグタイム』。音楽のパワーが素晴らしく、オープニング曲『ラグタイム』の場面では震えが止まらなかった」と当時を振り返る。石丸は上演に向け「この作品は今から約100年前を描いている。国は違いますが、決して我々にとっても他人事ではない。世の中の出来事に向き合い、問いを投げかける社会派の作品になるはず」と思いを語った。

井上芳雄

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本作に「どんな形でもいいから関わりたかった」と言う井上は、8月26日まで「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」に出演し、9月9日に「ラグタイム」の初日を迎える。井上は「歌舞伎俳優並みのスケジュール。この夏は燃え尽きます」と笑いつつ、アメリカの歴史を描いた本作について、「過去の出来事を共有するのは、演劇の使命の1つ。井上ひさしさんは歴史をエンタメの形で届けることを追求していました。ターテは理想郷の夢を見ているかもしれないけど、理想やイメージをしっかり持って進まないと世の中が大変なことになると思う。きっと意味のある舞台になります」と真摯に述べた。

安蘭けい

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安蘭は「蜷川幸雄さんの舞台に出たとき、演出助手が藤田さんでした。立派になられて……」と藤田に微笑みかける。また音楽の話題になると、「白人のマザーが歌う楽曲は全部3拍子。でも最後にいきなり4拍子になり、そこからターテの曲が始まるので、マザーの気持ちが少しずつターテに向いていることが表されているかのようです。こういった発見が多く、面白いです」と言い、上演に向けては「多様化がうたわれる時代ですが、世の中にはまだまだ差別がある。観た方が差別とは何なのか?と考える機会になれば」と思いを口にした。

藤田俊太郎

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藤田は「長年舞台に関わっていると、時に震えるような瞬間が訪れます。この作品では、オファーをいただいたとき、素晴らしいキャスト・スタッフとご一緒できるとわかったとき、スタッフの高い熱量に触れたときと、3回震えました。1作品でこれほど興奮することはなかなかない。初日には4回目の震えがやってくるはず」と上演に期待を寄せる。また藤田は「ターテは映画監督です。『ラグタイム』の観客の皆さんが、ターテの映画を観るお客さんとシンクロすれば、それがこの作品の終着点になると思う。分断を描いたミュージカルですが、音楽が素晴らしく、他者とものを作る喜びも示されています。そのような作品をこのカンパニーで作れることがうれしい」と話した。

演出の構想を尋ねられた藤田は「3つの人種が登場するので、いかに表現を分けながら舞台で融合させるかがテーマです。それから大切なのは、当時のアメリカを生きた人々と、今を生きる俳優たちがリンクさせること。石丸さん演じるターテは切り絵アーティストから映画監督になります。だから例えば、ターテが劇中で切り絵を作ります。すると切り絵や当時の写真が舞台上に浮かんできて、それらが俳優の姿に重なって動き出すような見せ方を考えています」とコメント。また本作では、人種の違いが衣裳や身体表現で表されることも明らかに。藤田は「全セクションが手を取り合って作っています」と言葉に力を込めた。

左から藤田俊太郎、井上芳雄、石丸幹二、安蘭けい。

左から藤田俊太郎、井上芳雄、石丸幹二、安蘭けい。[拡大]

会見では、ミュージカルで3人そろって初共演する石丸、井上、安蘭が、互いについてざっくばらんに語らう場面も。安蘭は過去の石丸との共演を振り返って、「絶対的な安心感がある」と厚い信頼を寄せる。また井上は、石丸と同じ東京藝術大学音楽学部声楽科の出身。井上が「僕は石丸幹二になりたくて藝大に入りました(笑)。ずっと憧れの人です。やっとご一緒できてうれしい」と心境を打ち明けると、石丸は「この3人がミュージカルで共演するのは、かつてなかったこと。どんなうねりが生まれるか楽しみです!」と笑顔を浮かべた。

また安蘭は「幹二さんは生活感がない。ご自宅はどういう感じですか?」と質問し、記者の笑いを誘う。石丸が「食べ物と飲み物にあふれていますよ。観葉植物もあります。暑さで枯れましたけど」と朗らかに回答すると、井上から「これ何の時間ですか?」と鋭いツッコミが。「舞台を1作やるごとに植物を買うので増えてしまう」と明かす石丸に、井上は「でも枯れるんですよね!?」と畳みかけ、会見場をひと際大きな笑いで包んだ。

「ラグタイム」の公演は9月9日から30日まで東京・日生劇場、10月5日から8日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホール、10月14・15日に愛知・愛知県芸術劇場 大ホールで行われる。

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ミュージカル「ラグタイム」

2023年9月9日(土)~30日(土)
東京都 日生劇場

2023年10月5日(木)~8日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

2023年10月14日(土)・15日(日)
愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール

脚本:テレンス・マクナリー
歌詞:リン・アレンズ
音楽:スティーヴン・フラハティ
翻訳:小田島恒志
訳詞:竜真知子
演出:藤田俊太郎

キャスト

ターテ:石丸幹二
コールハウス・ウォーカー・Jr:井上芳雄
マザー:安蘭けい

サラ:遥海
ファーザー:川口竜也
ヤンガーブラザー:東啓介
エマ・ゴールドマン:土井ケイト
イヴリン・ネズビット:綺咲愛里
ハリー・フーディーニ:舘形比呂一
ヘンリー・フォード&グランドファーザー:畠中洋
ブッカー・T・ワシントン:EXILE NESMITH

新川將人、塚本直、木暮真一郎 / 井上一馬、井上真由子、尾関晃輔、小西のりゆき、斎藤准一郎、Sarry、中嶋紗希、原田真絢、般若愛実、藤咲みどり、古川隼大、水島渓、水野貴以、山野靖博

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読者の反応

山野靖博 @YasuhiroYamano

ぼく、稽古序盤に
あんまりこういうこと言わないんですけど、
ミュージカル『ラグタイム』
めちゃくちゃ面白くなりますよ……‼︎‼︎

本がいい、音楽がいい、
出演者は魅力的、美術プランも素晴らしい。

あとは僕たち俳優が
稽古場でどれだけ前向きに
試行錯誤を重ねられるか。

乞うご期待です🇺🇸 https://t.co/AtgQVetrB6

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