9・10月に東京・世田谷パブリックシアターほかで上演されるCOCOON PRODUCTION 2023「ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~」の取材会が、去る6月30日に東京都内で行われた。
「ガラパコスパコス」は、“老い”と“進化”を題材に、
取材会には、ノゾエと、今回太郎役を演じる
ノゾエは「太郎はあまり社会になじめない、陰鬱な感じのキャラクター。初演やこれまでの上演では、そのキャラクターとイメージが近い俳優に太郎役を演じてもらっていたのですが、次に『ガラパコスパコス』をやるときは、役と摩擦が起きて、さらにその摩擦を楽しめるような人に太郎役をやってほしいと考えていました。そうしないと、太郎という役自体、“進化”と“深化”ができないと思っていて」と続け、「そう考えたときに、『キョウリュウジャー』での役もそうですが、太郎のイメージとはかけ離れている竜星さんにぜひやっていただきたいなと。役が役なので、引き受けてくださるかなあという心配はありましたが、ご快諾くださって。なかなか変わった人だな、ちょっと頭がおかしいんじゃないかなって思っていました(笑)」とうれしそうに話す。
竜星は「イメージしづらい役をオファーしてくれる……というのも、それはそれでイカれていると思います(笑)」とノゾエにニヤリと笑いかけると、ノゾエは「イカれてねーよ(笑)」と返し、息の合ったやりとりで周囲の笑いを誘う。竜星はオファーされたときの思いを「ここ最近、ひょうきんだったり陽気だったりと、自分の性格に近い役を演じることが多くて。太郎は、根本的に自分とは違うベクトルの人物なので、そういう意味でも挑戦しがいのあるお役が来たな、と思いました」と述べる。
「ガラパコスパコス」では、登場人物がチョークで、状況に沿った言葉やイラストを壁に書き込んでいく。ノゾエは「この手法自体、ある種の強さがあり、作品に“チョークを用いた演出”というイメージが先行してしまいかねない危険性があるとも思っていて。そもそも人々の営みや、そこから生じる“老い”や“人との距離”というテーマと向き合う中で、“俳優の身体を表出したい”という思いが僕の中にあって、その思いと一番マッチする手法が、“チョークと壁”だっただけ。それありきの作品にしたいとは思っていませんでした」と語る。また、本作が東京公演の会場となる世田谷パブリックシアターで上演されるのは今回が初めて。このことにノゾエは「密度も、空気の届き方も全然違います。何をどうするのがベストなのかはまだわかっていないのですが、課題をみんなで共有しながら作品を作っていければ」と言及した。
記者から、壁に絵や文字を描くことに自信はあるかと問われた竜星は「絵は割と……びっくりするぐらいうまいと思います(笑)。模写とか得意です!」とちゃめっ気たっぷりに微笑みつつ、「ただ、時間がない中でみんながわかってくれるような絵を描けるかどうかは未知数」と述べる。これにノゾエは「線には気持ちが出ますからね。雑な気持ちだと雑な線になるし、力がこもると筆圧が強くなって濃い線になるし」とコメントすると、竜星もうなずきながら「その人の感情も伝わるという点では、描くことも演技表現の1つになりますね。舞台上に、壁とチョークだけというシンプルな舞台セットになるということで、役者の力量も試されるような気がします。大変そうだなあと思う反面、表現としてはどこまでも自由なのが面白く、今は『どうなっていくんだろう』というワクワクした感覚でいっぱいです」と気合い十分な様子を見せた。
公演は、9月10日から24日まで東京・世田谷パブリックシアター、30日・10月1日に京都・京都劇場、11・12日に岡山・岡山芸術創造劇場ハレノワ 中劇場、21・22日に新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場にて。チケットの一般販売は、東京公演が8月6日、京都・岡山・新潟公演が27日のそれぞれ10:00にスタート。
COCOON PRODUCTION 2023「ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~」
2023年9月10日(日)~24日(日)
東京都 世田谷パブリックシアター
2023年9月30日(土)・10月1日(日)
京都府 京都劇場
2023年10月11日(水)・12日(木)
岡山県 岡山芸術創造劇場ハレノワ 中劇場
2023年10月21日(土)・22日(日)
新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
作・演出:
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