9月から10月にかけて開催される「東京芸術祭 2023」の演目ラインナップが発表された。
「東京芸術祭」は、2016年にスタートした、豊島区池袋周辺エリアで開催される都市型総合芸術祭。「東京芸術祭 2023」は9月1日から10月29日まで、東京都豊島区池袋周辺エリアほかで開催される。
「東京芸術祭 2023」は、舞台芸術の上演・配信・地域を巻き込む催しなどからなる「東京芸術祭プログラム」と、人材育成と教育普及の枠組みである「東京芸術祭ファーム」の2本柱で行われる。
「東京芸術祭プログラム」には既報の通り、上演作品には
また「東京芸術祭ファーム」では、「東京芸術祭ファーム ラボ」に公開レクチャーやAsian Performing Arts Camp、制作アシスタント、アートトランスレーターアシスタント、ファーム編集室 アシスタントライター、「東京芸術祭ファーム スクール」が実施される。
開催に向けて、「東京芸術祭」総合ディレクターの宮城聰は「世界を反転させて 陽気になる方法」と題したステートメントを発表。宮城は「明日は今日より良くなる、と思っている人が、減ってしまった気がします」と投げかけ、「今の日本をいっそ『落ち目の国』と定義してしまうのはどうでしょう」「落ち目から復活できた国はどんな国かと見てゆくと、それは『人間は楽しむために生きていいんだ』という考えが堂々と認められている国だ、ということに気づきます」と語る。そして「人間が人生を楽しむために発明した“人類の知恵”が、『お祭り』です。誰でも参加できるお祭り。そしてお祭りのないところにお祭りを作るのは、いまや行政の仕事だと言っていいでしょう」「今年の秋、東京は、ちょっと頑張って、東京芸術祭をやります」とコメントした。
宮城聰コメント
世界を反転させて 陽気になる方法
明日は今日より良くなる、と思っている人が、減ってしまった気がします。
日本という国のイメージが、たとえば「全体として古くなった服」のような感じで、どこかの穴を修繕すればV字回復する、とは思えない。ホツれを直そうとすると別のところが薄くなって穴があく。そういう感じかもしれません。もしそうなら、最上の策はみんなで我慢すること、となりそうですが、明日が今日より良くなると思えずに我慢していても何も生まれないんじゃないかと心配になります。
そこで提案したいのですが、今の日本をいっそ「落ち目の国」と定義してしまうのはどうでしょう。そんなことしたら一層元気がなくなるぞというご意見もあるかと思いますが、でも「落ち目」を経験した国って、歴史上にいくつもありますよね。日本以外にも色々な前例があると知れば、心に余裕ができるのではと思うのです。
心に余裕ができる。ここからいきなり結論に飛びますが、落ち目から復活できた国はどんな国かと見てゆくと、それは「人間は楽しむために生きていいんだ」という考えが堂々と認められている国だ、ということに気づきます。たしかに、生きていて楽しい、と思える国は滅びないですよね。この楽しみを次世代にも、と人々が思うから。みんなで我慢する、の真逆の策です。
で、人間が人生を楽しむために発明した“人類の知恵”が、「お祭り」です。誰でも参加できるお祭り。
そしてお祭りのないところにお祭りを作るのは、いまや行政の仕事だと言っていいでしょう。今の日本の状況を根底から変えるには、国民が国に対して「人生を楽しませろ!」と堂々と要求していいはずです。
そしてまたいきなりですが。
今年の秋、東京は、ちょっと頑張って、東京芸術祭をやります。
関連する特集・インタビュー
「東京芸術祭 2023」演目ラインナップ
SPAC-静岡県舞台芸術センター「マハーバーラタ~ナラ王の冒険~」
※日程・会場未定
演出:
台本:久保田梓美
音楽:棚川寛子
芸劇オータムセレクション 太陽劇団(テアトル・デュ・ソレイユ)「金夢島 L'ILE D'OR Kanemu-Jima」
2023年10月20日(金)~26日(木)
東京都 東京芸術劇場 プレイハウス
作・出演:太陽劇団(テアトル・デュ・ソレイユ)
演出:アリアーヌ・ムヌーシュキン
創作アソシエイト:エレーヌ・シクスー
音楽:ジャン=ジャック・ルメート
芸劇オータムセレクション 東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎「勧進帳」
2023年9月1日(金)~24日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト
監修・補綴:
演出・美術:
出演:
スウィング:佐藤俊彦、大知
ロロ「オムニバス・ストーリー ズ・プロジェクト(カタログ版)」
2023年10月7日(土)~15日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト
テキスト・演出:
出演:
くらしチャレンジクラブ
2023年9・10月
東京都 豊島区内各所
ディレクション:阿部健一
「とおくのアンサンブル」
2023年10月上旬
東京都 東京芸術劇場 ほか池袋エリア周辺
コンセプト・演出・作曲:とくさしけんご
東京芸術祭ひろば
2023年10月11日(水)~22日(日)
東京都 東京芸術劇場 アトリエイースト
「EPAD Re LIVE THEATER~時を越える舞台映像の世界~」
2023年10月11日(水)~22日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターウエスト
アトカル・マジカル学園 アートサポート児童館
2023年10月13日(金)~20日(金)
東京都 東京芸術劇場 アトリエウエスト
ディレクション:
アトカル・マジカル学園 かぞくアートクラブ
2023年10月14日(土)・15日(日)、21日(土)・22日(日)
東京都 東京芸術劇場 アトリエウエスト
ディレクション:YORIKO
パフォーマンス展望室
2023年10月21日(土)~29日(日)
東京都 ロサ会館 R階
構成・演出:居間 theater
柿崎麻莉子×栗朱音、島地保武×環ROY(ダブルビル) 東京芸術祭×愛知県芸術劇場× Dance Base Yokohama パフォーミングアーツ・セレクション 2023 in Tokyo
2023年10月21日(土)・22日(日)
東京都 東京芸術劇場 シアターイースト
演目
柿崎麻莉子 新作「Can't-Sleeper」
演出・振付:
共同振付:アリス・ゴドフリー
出演:柿崎麻莉子、栗朱音
島地保武 × 環ROY 新作
演出・振付:
演出・音楽:
ドラマトゥルギー:
出演:島地保武、環ROY
テアター・エカマトラ「マライの虎」を巡るトーク(事前上映つき)
2023年10月21日(土)、27日(金)
東京都 東京芸術劇場 シンフォニースペース
配信「公開レクチャー」
2023年8月30日(水)
講師:林立騎
Asian Performing Arts Camp In-Tokyo Sharing Session
2023年10月9日(月・祝)
東京都 東京芸術劇場 アトリエイースト、アトリエウエスト
登壇者:Asian Performing Arts Camp参加者
モデレーター(Asian Performing Arts Camp ファシリテーター):山口惠子、ジェームズ・ハーヴェイ・エストラーダ
- 制作アシスタント
- アートトランスレーターアシスタント
- ファーム編集室 アシスタントライター
- スクール
※「金夢島 L'ILE D'OR Kanemu-Jima」のL'ILEの「I」はサーカムフレックス付きが正式表記。
※初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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候補2:東京芸術祭2023全公演ラインナップ発表
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