まつもと市民芸術館の芸術監督団に木ノ下裕一、倉田翠、石丸幹二

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まつもと市民芸術館「芸術監督団」発表記者会見が本日6月28日に長野・まつもと市民芸術館で行われ、木ノ下裕一倉田翠石丸幹二が芸術監督団のメンバーとなることが発表された。

左から臥雲義尚松本市長、木ノ下裕一、倉田翠、石丸幹二。(撮影:平林岳志)

左から臥雲義尚松本市長、木ノ下裕一、倉田翠、石丸幹二。(撮影:平林岳志)

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木ノ下は演劇部門の芸術監督、また芸術監督団団長を務め、倉田が舞踊部門の芸術監督、石丸がゼネラルアートアドバイザーとなる。芸術監督団のメンバーは今年度は参与として劇場に携わり、来年4月にそれぞれの役職に就任する。

木ノ下裕一(撮影:平林岳志)

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木ノ下はこれまでたびたび長野県松本市で公演を行っており、「劇場文化が根付いている街だなという印象を持っていました」と話す。また劇場の芸術性に関わる答申書を読み、「これからの芸術監督団のための憲法だと思いました」と言い、今後の劇場のキーワードとして「ひらいていく劇場」を掲げた。さらに木ノ下は「“ひらく”には、漢字が違うと意味が変わるということがあります」と5つの“ひらく”について説明。「1つ目は『開く』。市民の方に対して、よりオープンであることを目指し、舞台を観にきていただくだけでなく自分たちが舞台に立ってみるなど、さまざまな催しで劇場を訪れていただきたいと思っています。2つ目は『拓く』。新しい領域に足を踏み入れていくことや、障害のある方に向けた観賞サポートなども行なっていきます。3つ目は『易く』。一見すると難しく感じられるようなものも楽しく鑑賞できるように、企画や講座のようなものに力を入れていきたいです。4つ目は啓蒙の“啓”の『啓く』、5つ目は『披く』で、日本の古典では初演することを“ひらく”と申しますが、前芸術監督の串田和美さんが既にされていたように、作品の上演を国内外で行なっていきたいです」と話した。

また今回、芸術監督団として活動することについては「3人それぞれ、フィールドが違うので、それが心強いと思っています。港の灯台は、光源自体は小さいですが、何枚もレンズを組み合わせることで遠くまで光が届くようにできています。そのように私たちは3枚のレンズとして劇場文化の光を、乱反射させながら遠くに届けていきたいと思います」と意気込みを述べた。

倉田翠(撮影:平林岳志)

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倉田は「これまでプロフェッショナルなダンサーだけでなく舞台をやっていない人たちとも作品を作ってきました」と自己紹介。また「芸術監督のお話をいただいたときはこんな大役を引き受けられるのかと悩んだのですが、そのときに背中を押してくれたのは、埼玉県富士見市のキラリ☆ふじみの白神ももこ芸術監督が、薬物依存症リハビリ施設の人たちと作った作品をキラリ☆ふじみで上演してほしいと言ってくださったことです」と話す。「その公演では、劇場の方もとても温かく迎え入れてくださいましたし、お客様ももちろんですが、出演者たちがとても喜んでいました。私自身、『またこの劇場に来たい』と思ったんです。これからまつもと市民芸術館にもたくさんのアーティストさんが来てくださると思いますが、『またここに来たいな』と思ってもらえるような劇場にしていきたいです」と意気込みを語った。

石丸幹二(撮影:平林岳志)

石丸幹二(撮影:平林岳志)[拡大]

石丸は、「最初にこの劇場の舞台に立ったのは、『サイトウ・キネン・フェスティバル松本』でした」と振り返り、劇場機構のぜいたくさや市民が積極的にフェスティバルに参加していたことが印象的だったと話す。ゼネラルアートアドバイザーとしては、「少し幅の広い役割になるかと思います。松本にはたくさんの劇場もありイベントもあって、街の人が文化を盛り上げていることはよく存じています。そのうえで、より松本市民に開かれた劇場にしていきたい」と言い、アイデアの一例として、0歳児から参加できるクラシックコンサートなどを挙げた。

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