「新作歌舞伎『刀剣乱舞』月刀剣縁桐」の製作発表記者会見が、本日6月5日に東京都内で行われた。
これは、刀剣育成シミュレーションゲーム「刀剣乱舞 ONLINE」を原案とした新作歌舞伎。脚本を松岡亮、演出を尾上菊之丞と
製作発表記者会見には、松也、右近、鷹之資、莟玉が出席。松也は、本公演を「念願というか、思いがかなったような感じ」と表現し、「一昨年、自分の自主公演『挑むVol.10~完~』で、新作歌舞伎『赤胴鈴之助』を、企画から携わって作り上げたのですが、その際に自分が演者のときとは違う達成感を得まして。そこで、演出という立場でやってみたいと強く思うようになりました」と話す。
「刀剣乱舞 ONLINE」を原案に選んだ理由について、歴史がテーマになっていることや、舞台版やミュージカル版に歌舞伎的な要素が多く含まれていることに触れ、「各メディアミックスでは、ゲームのシステムを踏襲しつつ、基本的にオリジナルストーリーが展開されているのが非常に面白いなと思いました」と述べた。「もちろん人気のある作品ですし、期待されることも多いかと思いますが、僕自身『刀剣乱舞 ONLINE』ファンの1人として、ファンの心を無視しないように作り上げられればと思っております。先日公開されたビジュアルも、残すところは残し、削ぎ落とすところは大胆に削ぎ落とす、という思いで作り上げました。作品にもそういった気持ちで取り組んでいけたら」と意気込みを語った。
報道陣から作品の見どころや参加への期待を問われた4人。まず松也は「実はこれから稽古がスタートするので、(自分以外の3人が)まだどのようになっていくのかよくわかっていないと思うのですが」と前置きをし、「コンセプトは、今までありそうで、観たことのなかった古典歌舞伎。義太夫やツケを入れての立廻りなど、皆さんが想像する“王道の歌舞伎のテイスト”をふんだんに盛り込みたい」と述べる。また、「僕が目指したいところは、全員で1つのチームであること。それができたら、僕としては“勝ち”ですね。また、新作歌舞伎『刀剣乱舞』が、何百年後か先に後輩たちがやりたいと思ってくれて、古典歌舞伎として皆さんに愛されるようになるものになればとも思っています」と目標を掲げた。
右近は「このメンバーで、ワンチームで作っていけるという期待感があります」と語る。さらに親交のある高橋健介やspi、有澤樟太郎といった「ミュージカル『刀剣乱舞』」の出演者からエールをもらったことを明かし、「彼らも歌舞伎化を喜んでくれました。『それをやられたら、俺たちが困っちゃうよ』という舞台を作ってほしいと、背中を押してもらいました」と笑顔を見せた。
鷹之資は「私自身、原案がある新作に出させていただくのは初めてなので、今からドキドキワクワクしています。公演を通して、お客様に古典歌舞伎の手法がいかに素晴らしいかを感じてもらえたら」と語る。莟玉も「『刀剣乱舞』シリーズのファンには『歌舞伎だとこうなるんだ』と思っていただきたいですね」と話し、「女方が出てくることや、メインキャストが2役を演じ分けることなども、歌舞伎らしい要素かと。こういったことは、ほかのメディアミックスでも珍しいのでは」と語った。
先日公開された刀剣男士のビジュアルについて、莟玉は「髭切は『刀剣乱舞 ONLINE』だと洋装で、ジャケットに腕を通していないスタイル。それを和装でどう表現するか考え、ジャケットを羽織にし、羽織紐だけ結んだ状態で肩にかけるという形にしました。古典に則った手法を用いつつも、髭切だとわかっていただけるラインを探りました」と話す。鷹之資は「最初から形になっていたわけではなく、松也のお兄さんやスタッフさんたちと現場で試行錯誤した末、できあがりました。最後に同田貫正国のマフラーを付けた瞬間、『これだ!』と、自分の中に(役が)入ってくる感じがありました」と述べる。
右近は、自身が扮した小狐丸について「松也さんや菊之丞先生、衣裳さんや床山さんといった方々のお力で、自然な歌舞伎風の小狐丸になりました。ビジュアル解禁日、改めて自分の扮装姿を見て『なかなか良い感じなのでは』と思いましたね」と自信を見せつつ、「SNSでも皆さん喜んでくださっていたようですが、気になったのは『小狐丸にしては顔が長い』という意見ですね(笑)。ただそれに対して『右近さんは顔は長いけど、確かな腕の持ち主。なので、お芝居を観ているうちに気にならなくなるよ』とコメントしてくださっている方がいて、これだからエゴサーチはやめられないな!と思いました。面長であることはなるべく気にしないでもらいたいですね」と冗談交じりに語り、会場の笑いを誘う。これに対し、松也が「そんなに面長だと思わないけどね」とフォローすると、右近はすかさず「うそつけ!」とツッコミを入れる。松也も「付き合いが長いから、わからなくなっているのかもしれません」と笑い、仲睦まじい様子を見せた。
松也は、ビジュアルについて「1つひとつに思い入れがあり、ビジュアル解禁では子供の写真を皆様に見ていただいているような気持ちでした。そんな心持ちになったのは初めてで、不思議でしたね」としみじみ述べ、「撮影も、全員分立ち会わせていただきました。こんなにでしゃばってしまっていいのかなと思いつつ、今回に関しては見届けたいという気持ちが強く、結果自分の中でも満足するものになりました」と言葉に力を込める。「6振りの中で、一番苦労したのは、僕が扮した三日月宗近のビジュアルでしたね。衣裳はすんなり決まったのですが、問題は髪型。『刀剣乱舞 ONLINE』では、前髪を下ろしているというスタイルで、もちろん現代的な形にすることはできたのですが、そうすると歌舞伎としてやる意味がないのではと。現場でも試行錯誤し、らしさを残しながらも、『刀剣乱舞 ONLINE』とは異なる髪型になりました」と明かす。「本当は扮装ビジュアルをもっと早い段階でお見せしたかったのですが、僕の三日月宗近のビジュアルがしっくりこず、遅くなってしまいました。解禁後、『歌舞伎のビジュアルになっている』というコメントを見て、とても安心しましたね。うれしかったです」と微笑んだ。
公演は7月2日から27日まで東京・新橋演舞場で行われ、チケット販売は本日6月5日にスタート。
「新作歌舞伎『刀剣乱舞』月刀剣縁桐」
2023年7月2日(日)~27日(木)
東京都 新橋演舞場
原案:「刀剣乱舞 ONLINE」より(DMM GAMES/NITRO PLUS)
脚本:松岡亮
演出:尾上菊之丞、
出演
三日月宗近:尾上松也
足利義輝 / 小狐丸:
松永久直 / 同田貫正国:
義輝妹紅梅姫 / 髭切:
膝丸:上村吉太朗
小烏丸:河合雪之丞
異界の翁:澤村國矢
異界の嫗:市川蔦之助
山口左司馬:大谷龍生
弾正奥方柵:中村歌女之丞
善法寺春清:大谷桂三
松永弾正:中村梅玉
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もえぎ💙💛🏳️🌈🏳️⚧️ @moegi0404
とても読み応えのある会見記事。楽しみだなあ。『ジャージー・ボーイズ』で刀ミュ出演者のSpiくんや有澤くんと共演してる右近くんは彼らからも応援メッセージをもらったと。 https://t.co/5Ibb2BDMgl