上村聡史演出の舞台「My Boy Jack」眞島秀和が戦場に息子を送る父親役に

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上村聡史が演出を手がける「My Boy Jack」が、10月から11月にかけて東京・福岡・兵庫で上演される。

上段左から眞島秀和、倉科カナ。下段左から前田旺志郎、夏子。

上段左から眞島秀和、倉科カナ。下段左から前田旺志郎、夏子。

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「My Boy Jack」は、「ジャングル・ブック」で知られるノーベル文学賞受賞作家のラドヤード・キプリングが、第一次世界大戦中に書いた詩。その詩をデイヴィッド・ヘイグが戯曲化し、1997年にイギリス・ウエストエンドで舞台版が初演された。「健康な身体があるなら戦地に行くべし」と理想を語る父は、ひどい近視のため軍の規則で入隊できない息子を、人脈を使って軍にねじ込み……。出演者には父役の眞島秀和、母役の倉科カナ、息子役の前田旺志郎、姉役の夏子のほか、佐川和正土屋佑壱小林大介がキャスティングされた。

上演に際し、演出の上村は「この物語は、第一次世界大戦の時代を舞台にしたキプリングの家族の物語ですが、栄誉、地位、名声といった男性の知性が作り出した威光が、一気に闇に包まれていく様を、この時代に立ち上げることができればと思います」と語った。

公演は10月7日から22日まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA、28・29日に福岡・キャナルシティ劇場、11月3日から5日まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールで行われる。東京公演のチケット一般販売は、7月にスタート予定。なおキャストたちのコメントは以下の通り。

上村聡史 コメント

ノーベル賞を受賞し、イギリスを代表する小説家でもあり詩人のラドヤード・キプリング。その輝かしい功績とは逆に、「帝国主義の伝道者」とも評された、近代の知性を象徴するような人物。本作は、俳優としても活躍するデイヴィッド・ヘイグが、キプリングの同名の詩(1916年)に影響を受け、創作された物語ですが、時代を切り開こうとする人間の知性の闇を描いているように、私は感じます。“帝国主義”と聞くと、前時代的で恐ろしい印象ですが、“愛国心”と聞くと、大きな共同体に対し、献身的な印象があります。しかし、この二つは紙一重で、「国の正義のため」という名目のもと、個人の未来や人間性を崩壊させる殺傷能力があります。

そしてそれは、ほんの百年前の世界、つまり戦争の世紀に大きく渦巻いていましたが、果たして現代の私たちは、本当の意味で、百数年前から前進しているのでしょうか?

この物語は、第一次世界大戦の時代を舞台にしたキプリングの家族の物語ですが、栄誉、地位、名声といった男性の知性が作り出した威光が、一気に闇に包まれていく様を、この時代に立ち上げることができればと思います。

眞島秀和 コメント

またとてつもなく高い壁が、目の前に現れました。

稽古が始まるのはまだちょっと先ですが、今から楽しみです。なんてことは正直言えません。しかし、難しい事に挑戦できるのもこの仕事の醍醐味です。

戦場に息子を送り出す父親という役を、今、演じる意味を感じながら、初めてご一緒する演出の上村さん、出演者、スタッフの皆様と一緒にこの作品をお届けします。

頑張ります。

倉科カナ コメント

今回、「ガラスの動物園」でご一緒させて頂いた上村さんはじめ、とても仲の良いマッシーこと、眞島さんとの夫婦役、体当たりしても受け止めてくださるという安心感があります!

私が演じる戦争に息子を送り出した母親・キャリーという役的にも、お互いに静かにリングに上がり、静かに殴り合い、静かに血の涙を流しているようなイメージのある作品だったので、みんなで緻密に役を掘り下げ、板の上では、思い切りぶつけられるように稽古を重ねていけたらと思っています。

ひとたび戦争となれば、人を殺す事が罷り通り、そして名誉になる。

戦死しても英雄となる。名誉とは英雄とはなにか、今一度考えるべき事だな、と台本を読み強く思いました。

戦争というものに対して、キプリング家の中でも意見が違う、きっと観てくださった方々も色んな意見があると思います。正しいや間違いという事でなく、一緒に考えてみるきっかけになれば良いなと思います。

前田旺志郎 コメント

舞台を何度も拝見した事がある上村さんからの演出を受けられる事に、稽古前の今から緊張とワクワクで興奮しております。

今回、僕がやらせていただくジョンという役は、戦地に出て戦う事に憧れを持つ青年です。家族からのプレッシャーを感じながら、それでも戦地へ行き、家を出たいと強く思っています。

ジョンは本作のテーマである親子愛や、戦時中の価値観のぶつかりを担うとても重要な役どころだと感じております。

それだけの大役なので、見ていただく皆様にジョンという人間を強く印象づけられるように、この役を大切に演じていきたいなと思います。

皆様の心に残るような舞台になるよう全力で努めますので、是非ご覧ください。

夏子 コメント

戯曲「マイ・ボーイ・ジャック」は「ジャングル・ブック」を生み出した作家ラドヤード・キプリングが残した詩をもとにうまれた、家族の物語です。

長女を病で失い、息子を戦争で失ったラドヤード・キプリング。

自然的な死と悲人道的な死を経験したキプリングの作品は、読めば読むほど、そこにはジャックの死以外にも、長女ジョセフィンへの想いも複雑に絡んでいるように思いました。

私の演じる、次女エルシーは姉と弟を亡くしています。

大人と子供の狭間の少女は、父親を愛する気持ちと戦争を肯定した父親への不信感に大きく揺れたはずです。

エルシーのセリフひとつひとつは誰よりも素直で、その素直さが胸に刺さります。

そんなエルシーを、これから稽古で見つけていければと思います。

この記事の画像(全1件)

「My Boy Jack」

2023年10月7日(土)~22日(日)
東京都 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

2023年10月28日(土)・29日(日)
福岡県 キャナルシティ劇場

2023年11月3日(金・祝)~5日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

作:デイヴィッド・ヘイグ
翻訳:小田島則子
演出:上村聡史
出演:眞島秀和倉科カナ前田旺志郎夏子佐川和正土屋佑壱小林大介

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読者の反応

小林大介 @nanigasiya

この秋出演させて頂きます
斬られの仙太でご一緒した上村聡史さんの演出です 是非お運び下さい https://t.co/HceiwDcqYC

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